訃報

元大阪ガス社長の領木新一郎氏 大阪工業会と大商の統合主導

領木新一郎氏
領木新一郎氏

大阪ガスの社長、会長を歴任し、大阪工業会(現・大阪商工会議所)会長なども務めた領木新一郎(りょうき・しんいちろう)氏が21日、老衰のため死去した。92歳。大阪市出身。葬儀は近親者で行った。後日、大阪ガス主催の「お別れの会」を開く予定。

京大法学部卒業後、昭和29年に大阪ガスに入社。天然ガス転換事業完結を受けて平成3年1月に社長に就任し、「第二の創業」と位置付けた。ガス市場自由化の進展を見据え、エネルギーを核とした複合的な事業展開を推進。4年に「複合エネルギー事業戦略」と「多角化事業戦略」を柱とする長期経営計画を取りまとめた。10~15年に会長を務めた。

7年1月の阪神大震災発生時には、約86万戸のガス供給停止を決断。同年4月、二次災害を発生させることなく復旧させた。震災の影響で6年度の最終損益は赤字となったが、9年度には震災前の利益水準への回復を成し遂げた。

11~15年に大阪工業会会長を務め、15年には大阪商工会議所との統合を主導するなど、地域経済の活性化に主導的な役割を果たした。9年に藍綬褒章、14年に勲一等瑞宝章。

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