中国の習近平主席、エジプトに10億ドル融資で存在感

 【カイロ=大内清】中東歴訪中の中国の習近平国家主席は21日、エジプトの首都カイロでシーシー大統領と会談した。習氏は、外貨不足に苦しむエジプト中央銀行への支援として10億ドル(約1170億円)の融資を表明。中国はエジプトが計画する新首都建設への投資などにも触手を伸ばすなど経済進出を加速させており、今回の訪問を、エジプトにおける影響力拡大に最大限に活用している格好だ。

 「共通の利益を達成するため、中国と真摯(しんし)に協力していく」。シーシー氏は20日、前の訪問先であるサウジアラビアから到着した習氏を空港で出迎え、こう歓迎した。

 同日付のエジプト政府系紙は、大部分のページを中国特集に割くなど友好ムード一色。エジプト国営テレビで近く、中国ドラマを初めて放映する計画も発表されるなど中国側への気遣いが目立った。

 シーシー氏は2014年の大統領就任以来、すでに2回にわたって中国を訪問し、中国からの投資増大を働きかけてきた。エジプトは、中国が主導するアジアインフラ投資銀行(AIIB)にも創設メンバーとして参加している。

会員限定記事会員サービス詳細