エアアジア、ベトナム観光大手と提携 同国参入目指す
【ハノイ=大西智也】マレーシアの格安航空会社(LCC)大手エアアジアは6日、ベトナム国内航空市場への参入へ向けてベトナム観光大手のティエンミン・グループと組むと発表した。合弁会社を設立し、早ければ2019年に第1便を就航させたい考え。ただベトナム政府は外資参入に消極的で、実現までには曲折が予想される。
両社は航空事業などで包括提携すると発表した。エアアジア・グループのトニー・フェルナンデス最高経営責任者(CEO)はハノイ市内で「ベトナムは観光事業を発展させるために(空港の)新たなターミナルを整備する必要がある」と述べた。
ティエンミン・グループは1994年設立。観光地でホテルを運営し、旅行予約サイトも手掛ける。エアアジアと組むことでリゾート事業などとの相乗効果を見込む。
東南アジア最大級のLCCであるエアアジアはタイやインドネシア、フィリピンなどで事業展開しているが、ベトナムには進出できていない。2010年にはLCCのベトジェットエアに出資することで合意したが、当局が認めなかった。
同国航空市場は最大手ベトジェットと国営ベトナム航空、ベトナム航空傘下のLCCジェットスター・パシフィック航空の寡占が続いてきた。12月に現地不動産大手がLCCの運航を始める予定で、競争が激しくなる。
ベトナム政府は航空市場や金融機関などへの外資の出資を制限している。認可手続きは複雑で航空当局との交渉には時間がかかる可能性がある。
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