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歴代受賞者一覧
日本IBM科学賞第14回(2000年)受賞者
  受賞者紹介
野田 進(のだ・すすむ)
昭和35年3月28日生まれ
京都大学工学研究科電子物性工学専攻 教授
野田進氏
昭和 57年 京都大学工学部電気工学科卒業
昭和 59年 京都大学大学院工学研究科
修士課程電気工学専攻修了
昭和 59年 三菱電機株式会社中央研究所・研究員
昭和 63年 京都大学工学部電気工学科・助手
平成  3年 工学博士(京都大学)
平成  4年 京都大学工学部電気工学科・助教授
平成  8年 京都大学工学研究科電子物性工学専攻・助教授(改組により)
平成 12年 京都大学工学研究科電子物性工学専攻・教授
平成 12年 科学技術振興事業団戦略的基礎研究推進事業・研究代表者
専門: 光量子電子工学

  贈賞の理由
  半導体フォトニック結晶とその応用に関する研究

半導体フォトニック結晶は、光デバイスの超小型化や高性能化を可能にする新しい人工材料として期待を集めている。野田教授は、光の波長域でフォトニックス結晶としての特性を明確に示す材料を世界に先駆けて実現し、この領域の研究を大きく前進させた。

フォトニック結晶は、内部の屈折率を規則的に変化させて周期構造を持たせた固体材料で、フォトニック超格子とも呼ばれる。固体結晶では、静電ポテンシャルの周期構造が電子の波動としての伝搬に対して回折効果 をおよぼすことでエネルギーバンド構造が形成されるのに対して、フォトニック結晶では、屈折率の周期構造が光子(フォトン)に対するバンド構造を形成する。特に、3次元的な屈折率分布がダイアモンド構造をとるとき光がどの方向にも伝搬できない完全なバンドギャップが形成される。このフォトニックバンドギャップ内では、自然放出が抑制され、原子系が外場から遮断される。また、周期構造に部分的な乱れ、ないし「欠陥」、を導入すると、この部分に光を局在させたり、光導波路を形成して直角に近い角度で光の進路を曲げることができる。しかし、その製作にはナノメートルレベルの高精度の加工技術が要求されるため、実現は困難だった。

野田教授は、まったく独自の手法により、発光デバイスにも適合するIII-V族半導体材料を用いて、ダイアモンド構造を持つ完全三次元結晶を始めて実現した。この結晶は、光通 信波長域(1ミクロン帯)における光遮断特性が反射率にして99.99%という高い性能を持ち、フォトニック結晶の光材料としての卓越性を明確に示したもので、この分野の研究を大きく加速した。同教授はさらに、2次元フォトニック結晶共振器をもちいた電流注入によるレーザー発振や、列状欠陥の導入による直角曲げ光導波路の形成、さらには孤立欠陥へのフォトンの捕獲など、フォトニック結晶がもたらす新しい応用可能性を次々と実証して、この分野の研究を世界的にリードしている。これらの研究成果は、超低雑音の光増幅器や、従来に比べて2ないし3桁も小さい極微小の光IC、ゼロしきい電流値レーザーなど、光エレクトロニクス分野における様々の新しい高性能の光部品の開発に適用されて大きな波及効果を持つものと予想され、さらに、量子コンピューティングのような革新的な新技術の実現にも資するものと期待される。

※所属名および役職は、受賞時のものです。


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