県が八ケ岳西ろくに建設中の広域農道「八ケ岳エコーライン」最長の橋りょう、富士見町立沢の立場川に架かる「立沢大橋」の開通式が30日、町と立沢集落組合の主催により開かれた。着工から9年。総事業費41億7000万円を投じた全長606.2メートルの橋を、地元3世代家族を先頭に関係者、地元住民ら約150人が渡り初め。農業地帯の動脈となる橋の供用開始を祝った。
立沢大橋の完成で全線16.4�舛里Δ繊�同町乙事から原村を経て茅野市豊平までの13.2キロ区間が結ばれた。
開通式では、神事に続いて矢嶋民雄町長、小池金吾・立沢集落組合長、八ケ岳西ろく広域営農団地整備促進協議会会長の清水澄村長、平沢清・諏訪建設事務所長らがテープカット。3世代夫婦の植松登さん（95）志げみさん（89）、捷二さん（67）みつ子さん（62）、一文さん（40）園美さん（31）に続いて渡り初めをした。参加者は、西日を受けて際立つ八ケ岳、紅葉深まる眼下や周辺の景色を眺めながら、十数分間掛けてゆっくりと渡った。
この後、ＪＡ会館ふじみで記念式典。矢嶋町長はあいさつで「待ちに待った開通。最大限利用してほしい」と地元住民、県に感謝。清水村長は「橋の完成は3市町村農業者の念願だった。八ケ岳山ろくの農業発展に役立つ」と喜びを語った。平沢所長が事業経過を報告し、「沿線の物流に貢献してほしい」と期待した。
立沢大橋は1997年11月に着工。橋脚は9基あり、最も高い個所は橋げたまで約40メートル。車道の幅員6メートル、歩道を含めた全幅員は9.5メートル。
八ケ岳エコーラインは、93年に3市町村で結成した広域営農団地整備促進協議会の要望を受けて95年に着工した。中央道諏訪南インターを経由した3大都市圏への農産物輸送の迅速化、広域的な物流の促進を目的としている。農産物の市場拡大や、西ろくの自然景観を生かした観光農業の推進、地域交通網拡大への期待も寄せられている。八重田修・諏訪地方事務所長は橋の完成で「諏訪南インターからの人の流れが大きく変わるだろう」と語った。
