みずほ銀行は28日、全国のATM(現金自動出入機)やネットバンキングで障害が起き、一部利用者が預金引き出しなどをできなくなったと発表した。夜7時40分時点で全国約5400台のうち約3千台が停止状態となった。障害は夜に復旧し、3月1日朝から全ATMの再開をめざす。

 同行によると、28日午前から一部店舗や店舗外のATMで障害が発生。通帳やキャッシュカードを入れても取引できず、機械に取り込まれたまま出ないトラブルが起きた。28日に定期預金のデータ更新作業をしていて障害が起きたといい、詳しい原因を調べている。ネットで取引する「みずほダイレクト」でも定期預金の預け入れなどができなくなった。

 セブン銀行やローソン銀行などのコンビニATMではみずほのカードを使えていたという。みずほ以外のATM利用で生じた手数料は後日返金し、カードなどを取り込まれた顧客には改めて連絡する。同行はホームページで「お客さまにご不便、ご迷惑をお掛けしておりますことを、深くおわび申しあげます」とした。

 みずほは発足直後の2002年や、東日本大震災があった11年に大規模なシステム障害を起こし、持ち株会社みずほフィナンシャルグループが金融庁から業務改善命令を受けた。教訓を踏まえ、19年に基幹システムを刷新していた。

 東京都中野区内のATMを使おうとした男性(47)は昼過ぎにカードを取り込まれ、3時間ほど出せなかったという。「情報が少なく、銀行の対応がわからずにどうしたらよいか不安だった。周りの多くの顧客もカードを取り出せなくなっていた。再び障害を起こすことがないようにしてほしい」と話した。(箱谷真司

 みずほ銀行札幌支店ではATMコーナーの自動ドアに「営業中止」を告げる紙が貼られ、内部のシャッターが閉められて出入りが出来ない状態になっていた。状況を知らずに訪れた女性は「え、使えないんですか。困りますね」と戸惑った様子だった。