渡辺市長

 任期満了に伴う山口市長選(10月17日告示、24日投開票)について、現職の渡辺純忠氏(76)が13日、5選へ立候補しない意向を表明した。市議会本会議の一般質問で答えた。後継には、伊藤和貴副市長(63)の名前が挙がっている。

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 渡辺氏は、次の4年間は新本庁舎整備などを確実に進めるため市政を継続する必要性を強調。「豊富な行政経験を有する高い志を持つ人に引き継ぐ決意をした。信頼できる新リーダーの出現に向けて支援を賜りたい」と述べた。

 表明後、報道陣に対し「私も後期高齢者。拠点整備など懸案事項も形が整い区切りと考えた。正月ごろから考え、2、3日前に決断した」と説明した。渡辺氏は山口市出身。山口県水産部長から2002年に山口市助役に就いた。05年の旧1市4町合併直後の市長選で初当選し4期目。渡辺氏の引退で16年ぶりにトップが交代する。

 渡辺氏に立候補を要請してきた自民系の市議たちはこの日、候補者を探す方針を確認。複数の市議から名前が挙がる伊藤副市長は議会後「要請は来てないが、あれば考えないといけない」と話した。

 市長選には、会社役員の野津博之氏(68)が無所属で、社会福祉法人理事長の佐々木信夫(ただお)氏(83)が諸派公認での立候補を表明している。(柳本真宏)