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柚希礼音さんインタビュー

宝塚時代を振り返って

 柚希さんは9歳でクラシックバレエを始め、米国留学も夢見たが、両親の勧めで宝塚音楽学校に入り、1999年に初舞台を踏んだ。華やかな容姿と抜群のダンス力で早くからスター路線を歩み、入団11年目の2009年に星組トップスターとなった。13年には宝塚初の台湾公演を成功させ、昨年は宝塚歌劇100周年の幕開きを飾った「眠らない男・ナポレオン」を任されたほか、元花組トップスターの真矢ミキさん以来となる日本武道館公演も行った。

 元々宝塚ファンだったわけではなかった柚希さんが、「トップ・オブ・トップ」と呼ばれるまでになったのは、宝塚独特の世界を客観視しながら、その魅力を幅広く伝えることができたからだろう。

 (宝塚は)「ベルサイユのばら」ばかりやっていると思っていましたし、女同士でラブシーンをするのも気恥ずかしかった。ただ芸事をしたいだけで入ったけど、それだけでは、かっこいい、すてき、と思ってもらえない。男役に憧れて入っていないから、苦戦しました。でも逆に、宝塚を知らない人の気持ちも分かって、よかったところもあります。

 本当に男役が楽しくなったのはトップになってからかもしれません。女も男も関係なく流れる感情は一緒だと思ったら、どんどん力が抜けて、可能性が広がっていきました。

 ブロードウェーの舞台を見ていても、宝塚の男役の方がかっこいいなと思うところがあり、やっぱり宝塚は世界に一つだなと思います。女性が男役をすることによって、夢のようだし、美しいし、清潔感がある。だから、これだけ根強く愛してくれるお客さまがずっといらっしゃるんだなと思っています。

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