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イノシシによる食害か

イノシシによる食害か

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リュウキュウイノシシによると思われるウミガメ産卵巣捕食痕。掘削され卵殻が散乱する

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リュウキュウイノシシと思われる獣の足跡

大和村ヒエン浜 ウミガメ卵捕食痕、複数確認

 ウミガメの産卵地として知られる大和村戸内の国定公園ヒエン浜で、リュウキュウイノシシによるものと思われるウミガメ卵の捕食痕が5月末から複数確認されている。砂浜には獣の足跡、産卵巣の掘削跡、卵殻の散乱が見られる。村ではウミガメの産卵巣を守るため、イノシシ駆除について検討している。

 奄美海洋生物研究会(興克樹会長)の2012年度「奄美大島ウミガメ上陸・産卵全島調査報告」では、6海岸でリュウキュウイノシシによると思われるウミガメ産卵巣捕食痕の確認が報告されている。奄美大島では知名瀬大浜(奄美市)と毛陣北側の浜(大和村)の2海岸。知名瀬大浜では1カ所の産卵巣の捕食痕を、毛陣北側の浜では4カ所の産卵巣で足跡と捕食痕を確認している。

 今回捕食痕が確認されたのは、大和村戸円のヒエン浜。村民の通報を受け現場確認した同村役場の中村修企画調整係長は「5カ所の産卵巣に掘削跡、卵殻の散乱があった」と話す。村では関係各課で調整し、ハコ罠の設置など、イノシシ駆除を検討したいという。

 ウミガメ卵のリュウキュウイノシシによる食害は、WWFジャパン(公益財団法人世界自然保護基金ジャパン)が08年に行った「奄美諸島のウミガメの重要産卵地調査」での報告が初めてという。請島でのイノシシと思われる食害の痕跡が報告されている。奄美海洋生物研究会の興会長は「戦前・戦後にかけて請島、与路島にイノシシはいなかったと聞いている。イノシシが存在した奄美大島での過去事例も、現在確認出来ている範囲では、文献に見られない」と話す。被害は近年顕著になったという。

 同研究会は今年度もウミガメ上陸・産卵全島調査を進める。食害について「昨年度の結果をもとに詳細な調査を行う。原因究明と対策のため、現状把握に努めたい」と興会長。請島とヒエン浜に、動物など動くものを感知し自動的に撮影するセンサーカメラを設置した。本格的な調査の取り組みが始まっている。

 ヒエン浜では産卵巣を含め、掘削跡がおおよそ15カ所数えられた。ウミガメの卵殻が散乱。周辺にはイノシシと思われる獣の足跡も点々と見られた。

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