ラッピングにより昭和中期のイメージに改装された玉桂寺前駅(滋賀県甲賀市信楽町)

ラッピングにより昭和中期のイメージに改装された玉桂寺前駅(滋賀県甲賀市信楽町)

 信楽高原鉄道(SKR)の玉桂寺前駅(滋賀県甲賀市信楽町)の待合所がラッピングによって昭和中期のレトロな雰囲気な外観に生まれ変わった。周囲に溶け込んだデザインとなり、SKRは観光利用を呼びかけている。

 同駅は一日平均乗降客が16人と県内でも最も少ない駅(ケーブル鉄道を除く)で、新型コロナウイルス禍でも「密にならない」駅を売りだそうとSKRがラッピングを企画。3~4月にクラウドファンディングを行い、延べ87人から200万円を集め、5月下旬に施工した。

 改装では、焼き物の生産地として信楽が最も活気があり、NHK連続テレビ小説「スカーレット」の舞台になった昭和30~40年代をイメージした。木板を描いた壁にして、案内表示は旧国鉄風に変更した。架空の理髪店や居酒屋、質店などの看板はあえて汚した意匠にして古さを演出した。いずれもラッピングで、テレビや映画のセットを制作する会社に依頼した。併せて緑色の鉄骨柱は木製風にするため茶色に塗り直した。

 近くには古刹(こさつ)の玉桂寺や国の重要文化財の鉄道橋「第一大戸川橋梁(きょうりょう)」がある。SKRは「改装を機に地域の観光施設をPRし、お客さんが訪れてもらえるイベントを考えたい」としている。