マスク氏らのTwitter一斉ハッキングか サービス停止も
【シリコンバレー=白石武志】米テスラのイーロン・マスク最高経営責任者(CEO)やバイデン前米副大統領ら複数の米著名人のツイッターアカウントが15日、一時的に乗っ取られる被害にあった。いずれも暗号資産(仮想通貨)「ビットコイン」による送金を促す内容が投稿されており、米メディアはハッカーによる詐欺行為だと伝えている。
ツイッターは15日、「現在調査中で、修正に向けて対策を講じる」との声明を出した。その後、ツイッター上で「今回の事態に対処する間は、ツイートしたりパスワードを変更したりできなくなる場合がある」と表明。サービスが一時的に止まるリスクがあると示唆した。
15日昼すぎ、3600万人を超えるフォロワーを抱えるマスク氏のツイッターアカウントに「感謝の気持ちとして、私のビットコインアドレスへのすべての支払いを2倍にしよう」との投稿があった。「1000ドルを送れば、2000ドルにして返す。30分限定だ」とも書き込まれた。
米メディアによるとマスク氏やバイデン氏のほか、米マイクロソフトの共同創業者のビル・ゲイツ氏、米アマゾン・ドット・コムのジェフ・ベゾスCEO、マイケル・ブルームバーグ前ニューヨーク市長、米アップルの公式アカウントも同日午後に一時的に乗っ取り被害にあった。
いずれのアカウントも送金先として指定したビットコインのアドレスが同じものであったことから、同一のハッカーによる詐欺行為であるとみられている。乗っ取りの手口は明らかになっていない。
ツイッターでは2019年8月にジャック・ドーシーCEOのアカウントが一時的に乗っ取られる被害にあっている。同氏は不正なログインを防ぐ効果が高い2段階認証を取り入れているとしていたが、電話番号からのテキストメッセージによってツイートを送信する古い仕組みの脆弱性が突かれた。ツイッターはトランプ米大統領も情報発信に積極的に利用しており、早急な対策を求められることになりそうだ。