英EU、13日以降も通商協議を継続することで合意

英EU、13日以降も通商協議を継続することで合意
12月13日、英国と欧州連合(EU)は、通商協議の合意期限としていたこの日以降も交渉を継続することで合意した。写真は9日、ブリュッセルで記者会見に臨むジョンソン英首相とフォンデアライエン欧州委員長。代表撮影(2020年 ロイター)
[ブリュッセル/ロンドン 13日 ロイター] - 英国と欧州連合(EU)は13日、通商協議の合意期限としていたこの日以降も交渉を継続することで合意した。
ジョンソン英首相とEUのフォンデアライエン欧州委員長は、13日までに打開策を見いだすよう交渉官らに指示していた。
両氏は共同声明で「1年にわたる交渉による疲労や、これまで何度も期限を過ぎてきた経緯はあるが、この時点で一層の努力をするのが責任ある対応だと考える」と表明。交渉官らに協議継続を指示した。
ただ、ジョンソン氏は、合意に向けて双方が可能な限り創意を凝らすとしながらも、主要な「レッドライン」(越えてはならない一線)で英国は妥協できないと強調。通商合意のないまま年末の離脱移行期間終了を迎える公算が最も大きいと、合意に悲観的な見方も示した。
ドイツのメルケル首相は、ベルリンで「合意に至るためのあらゆる機会は大歓迎だ」と述べた。
英国とEUは、英海域での漁業権や公正な競争環境の確保を巡って妥協点を見い出せていない。
アイルランドのコーブニー外相は、英国側の最近のコメントにもかかわらず、既存の基準を維持することで大筋合意があると理解していると述べた。
同外相は、公共放送RTEで「双方とも合意を望んでおり、いずれもいま合意することを望んでいる」とした上で、「個人的には合意が可能だと考えているが、向こう数日中に合意する必要がある」と語った。
現在のEU議長国・ドイツの当局者のツイッターによると、EUのバルニエ首席交渉官は14日、加盟国大使に交渉の現状について説明し、大使らが状況を精査する。
外交筋によると、加盟27カ国は交渉継続の決定を受け「今後数日が重要」と表明する見通し。
EU外交筋によれば、欧州議会で合意を承認する時間がない場合、交渉官がまとめた合意を加盟国が承認し「暫定的に適用」することが可能という。

私たちの行動規範:トムソン・ロイター「信頼の原則」, opens new tab