吉行あぐりさん死去 長女・和子「107才まで元気に生きました」

2015年1月11日6時0分  スポーツ報知
  • 5日に107歳で亡くなった吉行あぐりさん(1997年撮影)

    5日に107歳で亡くなった吉行あぐりさん(1997年撮影)

 女優の吉行和子(79)の母で、NHK連続テレビ小説「あぐり」(1997年)のヒロインのモデルとなった美容家・吉行あぐりさんが5日未明、肺炎で亡くなっていたことが10日、分かった。107歳だった。通夜・葬儀は密葬にて行われた。喪主は長女・和子。

 岡山県出身。高等女学校在学中で15歳だった1923年、後に新興芸術派の小説家として活躍したエイスケさんと結婚。美容家として修業し、29年に東京・市谷に「山ノ手美容院」を開店した。85年には仕事を続けながら子育てにも励んだ自叙伝「梅桃(ゆすらうめ)が実るとき」を出版。97年にはこれをもとに「あぐり」がドラマ化された。あぐりさん役を田中美里(37)が務め、エイスケさんを演じた野村萬斎(48)との夫婦の掛け合いも話題になった。

 90歳を過ぎても市谷の「吉行あぐり美容室」を完全予約制にして元気に働いた。ぬれた髪をドライヤーで乾かしてセットするブローを「髪が傷みますので」と行わないなど、こだわりを持ちながら働いていたが、2003年に脳梗塞で倒れて入院。05年に閉店していた。

 長男で作家の故淳之介さん、次女で作家の故理恵さんはともに芥川賞を受賞している。

 和子は「107才まで元気に生きました。幾つもの時代幾つもの難事を乗り越えてきた、母は、呆れるくらい、楽天的で、頑固ものでした」とコメント。和子の所属事務所によると、お別れの会は行わない予定という。

 ◆吉行 あぐり(よしゆき・あぐり)1907年7月10日、岡山生まれ。岡山県立第一高等女学校在学中の15歳で吉行栄助さんと結婚。16歳で淳之介さんを出産。文学の勉強のために上京していた夫を追う。29年に東京・市谷に「山ノ手美容院」を開店。40年に夫と死別。太平洋戦争で美容室と自宅を失う。49年、辻復さんと再婚。52年に「吉行あぐり美容室」を開店した。

訃報・おくやみ
  • 楽天SocialNewsに投稿!
芸能
報知ブログ(最新更新分)一覧へ