【カルビーポテトチップス】の秘密（男の浪漫伝説 Vol.61)

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アメリカで生まれたポテトチップスが、日本に上陸したのは戦後のこと。やがて経済復興とともにお菓子の需要も急増していくが、日本のスナック菓子の歴史を語るときに欠かせないのが、カルビーのポテトチップスである。1975年の登場以来、いまに至るまで不動のベスト＆ロングセラー。その秘密はどこにあるのだろうか。

かっぱえびせん、サッポロポテトといったヒット商品を生み出し、急成長を遂げていたカルビーが、次に手がけたのがポテトチップスだった。当時、他社の商品は1袋150円が相場だったが、カルビーは100円で勝負。「100円でカルビーポテトチップスは買えますが……」という、藤谷美和子を起用したCM効果も大きく、たちまち大ヒット。パッケージは中が見えるビニール製だった。


	広島東洋カープが球団創設26年目のリーグ初優勝。岡山～博多間が開業し、山陽新幹線が全線開通。イギリスのエリザベス女王夫妻が初来日。

76年に「のりしお」、78年に「コンソメパンチ」、82年に「フレンチサラダ」と、フレーバー展開にも積極的。84年には、中身が酸化して傷みやすかったビニール製のパッケージ素材からアルミ蒸着フィルムに変更。アルミの光沢が高級感を演出し、遮光性、防湿性、防臭性が高くなったことで品質の向上も実現した。発売時のような赤ではなく、オレンジがかったカラーを基調にしているところにも注目。


	ロサンゼルス五輪で山下泰裕が金メダル獲得。

ジャガイモをスライスして、油で揚げ、塩などで味付けをする。この基本的な製造工程は、誕生当初もいまも変わっていない。油はパーム油と米油をブレンドしたもの。この年に大きく変わったのは、味付けに関わる塩である。ミネラル分の多い「伯方の塩」を使うことによって、よりすっきりとした味へと進化。それはパッケージにもしっかり記載されている。


	北野武監督『HANA-BI』がヴェネチア国際映画祭で金獅子賞受賞。

06年、07年と原料であるジャガイモの不作が続き、また原油高といった経済情勢の悪化もあり、ポテトチップスも容量ダウンなどの規格変更を余儀なくされた。それでも、味には妥協なし。さらなるおいしさを求めて、この年から味付けに「石垣の塩」を採用。塩化ナトリウム含有量が少なく、各種ミネラルが豊富でまろやかなしょっぱさ。味により深みが出たと評判を呼んだ。


	大阪府知事に弁護士の橋下徹が当選。日本たばこ協会などがタスポを実施。北京五輪で北島康介が2大会連続で2冠達成。

ポテトチップスのジャガイモ品種の選定には細かいこだわりがある。主に秋が収穫期のジャガイモは、長期保存できる条件が必須。それゆえ、芽が出にくくて糖度が低いものでなくてはならなかった。その条件に合ったのがスノーデン、トヨシロなどの加工専用品種だ。長期貯蔵もでき、薄く切ってもきれいに揚がるので、ポテトチップスに最適な品種だった。ちなみに、パッケージのイラスト「ポテト坊や」が登場したのは1976年から。手がけたのは、オサムグッズで知られるイラストレーター、原田治である。

いまや国民的スナック菓子の代表格ともいえるカルビーポテトチップス。製造工程はシンプルだからこそ、ロングセラーとなるには相当な企業努力があったはずだ。最近では、ポテトチップスに含まれるビタミンCの含有量が一般的な野菜や果物より多い（単位あたり）ことが科学的に証明され、別の角度からも注目されている。

日本のスナック菓子市場を牽引してきた35年に敬意を表して。よって・・・時代を超えて愛され続けた「カルビーポテトチップス」堂々、青春殿堂入り！！

青春時代とともに育った、懐かしいけど今でも第一線で活躍するヒト・モノを特集。

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Vol.61:【カルビー ポテトチップス】の秘密

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