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住民の前で銃殺、強制離婚、追放、北朝鮮の「1万人大粛正」…張成沢親族も根絶やし「余毒消毒」の非人間性

 北朝鮮の金正恩第1書記の指示で、昨年12月に処刑された張成沢元国防副委員長の家族や親族が処刑されたようだ。北朝鮮の駐英大使が張成沢氏の処刑が銃殺だったことを認めたのに続き、公安当局が張成沢氏勢力に対し余毒清算という掃討作業が続けられていることが韓国メディアなどの報道でわかった。対象は1万人にのぼるとみられる。粛正の影響は軍部にもおよび、張成沢氏に関連した特殊部隊が全員交代させられたという。

(塩山敏之)

住民が見ている前で銃殺

 朝鮮日報などが複数の消息筋の話として伝えたところによると、張成沢氏の姉のチャン・ゲスン氏と夫の全英鎮駐キューバ大使、張氏のおいの張勇哲駐マレーシア大使が昨年12月に平壌に召還され、銃殺されたという。張勇哲氏の2人の息子、テリョン氏、テウン氏も一緒に処刑された。また、すでに亡くなっている張成沢氏の2人の兄の息子や娘、孫に至るまで、直系親族は全員処刑されたという。

 消息筋は処刑された日時についてはっきりしていないとするものの、「張成沢氏の処刑以降のようだ」と話している。

 別の消息筋は、連行の際に抵抗した親族は「近所の住民が見ている前で銃殺された」と伝えている。また、張勇哲氏の妻のパク・チュンヒ氏ら張成沢氏一家に嫁いだ女性は、強制離婚させられ、女性の家族らと一緒に山間部へ追放されたという。

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