King Gnu、Original Love、眩暈SIREN、reGretGirl……12月29日リリースの新譜4作をレビュー

 毎週のリリース作の中から注目作品をレビューしていく連載「本日、フラゲ日!」。今回は12月29日リリースのKing Gnu『一途/逆夢』、Original Love『Flowers bloom, Birds tweet, Wind blows & Moon shining』、眩暈SIREN『不可逆的な命の肖像/蒼彩』、reGretGirl『生活e.p』の4作品をピックアップした。(編集部)

King Gnu『一途/逆夢』

 映画『劇場版 呪術廻戦0』の主題歌「一途」、エンディングテーマ「逆夢」を収めたニューシングル。「一途」はポストパンク的な手触りの高速ギターカッティングからはじまる超アッパーチューン。常田大希(Gt/Vo)の挑発的なボーカル、井口理(Vo/Key)の浮遊感ある歌声が絡み合い、〈一途に見つめます/理由なんて必要は無いの〉というフレーズに突っ込んでいく構成は驚くほどにスリリング。緊張感と解放感を緻密にコントロールするアレンジメントも素晴らしい。現代音楽的な意匠をまとったストリングスに導かれた「逆夢」は、官能的なまでに美しいメロディとともに“夢と現実”、“愛情と憎しみ”などの二律背反的な歌を奏でるミディアムバラード。音楽的な挑戦とポップスとしての高い精度を兼ね備えた充実作だ。(森)

King Gnu - 一途

Original Love『Flowers bloom, Birds tweet, Wind blows & Moon shining』

 1stシングル曲「DEEP FRENCH KISS」、代表曲「接吻」「ヴィーナス」から最新曲「Dreams」などをコンパイルしたオールタイムベストアルバム。60年代後半から70年代前半あたりのニューソウルを背景にした楽曲、田島貴男の濃密かつしなやかなボーカルによって、日本の音楽シーンにグルーヴとソウルを持ち込んだOriginal Loveは、デビューから30年の間に、常に変化するR&B、ソウルミュージック、ヒップホップを吸収しながら、独創性と普遍性を共存させた日本語のポップミュージックを追求してきた。Ovall、ペトロールズ、PUNPEEなど、ブラックミュージックを経由したアーティストの活躍も、まちがいなくOriginal Loveの功績だと思う。初回盤では歴代のMVのほか、貴重なライブ音源やキャリアを振り返るロングインタビューなども楽しめる。(森)

Original Love & Ovall - 接吻

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