韓国・双竜自動車が更生手続き申請 債務返済滞り
【ソウル=細川幸太郎】韓国自動車5位の双竜自動車は21日、企業再生を扱うソウル回生裁判所に更生手続きの開始を申請したと発表した。金融機関への返済が滞り、事実上の経営破綻となる。親会社でインド自動車大手のマヒンドラ・アンド・マヒンドラは今後も双竜自のスポンサー探しを継続する方針だ。
双竜自は15日に返済期限を迎えた海外金融機関の600億ウォン(約56億円)規模の債務返済が滞り、支払い延期について交渉していた。21日には政府系銀行の韓国産業銀行の返済期限を迎え、裁判所に更生手続きの開始を申請した。裁判所が認めれば最大3カ月間の猶予を得て営業活動を続けながら債権団と返済交渉しスポンサー探しを進められる。
双竜自は「協力会社、営業網、金融機関など利害関係者を含む国民の皆さんに心配をかけて申し訳ない」と謝罪。「競争力のある企業に生まれ変わるために努力を続ける」とのコメントを発表した。マヒンドラ側は「大株主として責任を持って利害関係者との交渉の早期妥結を通じて経営正常化に協力する」としている。
双竜自は1997年の通貨危機で破綻した双竜グループの中核企業で、2004年に上海汽車に買収された。ただ業績は回復せず、09年に更生手続きを実施。マヒンドラ傘下で経営再建を目指していた。それでも業績は低迷続きで、20年1~11月の生産台数は前年同期比2割減の9万7000台と落ち込んだ。資金力が足りずに新車開発ができず販売が落ち込む悪循環に陥っている。
マヒンドラは双竜自への追加出資を断念し、数年前から売却先を探していた。ただ有力な買い手候補は現れず、双竜自としては「漂流状態」が続いていた。双竜自動車は現代自動車、起亜自動車、韓国GM、ルノーサムスン自動車に次ぐ韓国5位。