中国「独身の日」セール終了 アリババ、7兆円超え
【杭州=松田直樹】中国で年間最大のネット通販セール「独身の日」が12日深夜0時(日本時間午前1時)に終了した。最大手のアリババ集団のセール期間中の取扱高は4982億元(約7兆7000億円)を記録した。今年はセールの対象期間を例年よりも延ばしており、2019年の2684億元を大きく上回った。
09年から始まった独身の日は今年が12回目となる。25万以上の企業ブランドが参加し、世界89カ国・地域の商品を取り扱った。予約分も含め配送件数は22億件(19年は13億件)を超えた。例年のセールの対象期間は11月11日の1日のみだったが、今年は期間を1~11日に拡大している。
新型コロナウイルスの影響で海外旅行に出られない消費者が日本や欧米などの輸入品をまとめ買いする傾向が強かった。日本商品は例年と同じく化粧品や食料品のほか、新型コロナウイルスの影響で健康志向の消費者が増えており医薬品などの売り上げも伸びた。
ネット通販2位の京東集団(JDドットコム)もセール期間中の取扱高は2715億元となり、19年の2044億元を超えた。新型コロナの影響で世界経済が落ち込むなか、中国のネット通販市場だけは巣ごもり消費を取り込みコロナ下でもプラス成長を続けている。独身の日の活況は中国が世界でいち早く新型コロナからの回復をアピールする場ともなった。