来年6月退団の宝塚歌劇宙組トップスター・真風涼帆「ファンの方々に大きな愛でお返しを」

大阪市内で会見し、来年6月での退団を発表した宝塚歌劇宙組トップスター・真風涼帆
大阪市内で会見し、来年6月での退団を発表した宝塚歌劇宙組トップスター・真風涼帆

 来年6月、「カジノ・ロワイヤル ~我が名はボンド~」の東京公演千秋楽をもって退団する宝塚歌劇宙組トップスター・真風涼帆(まかぜ・すずほ)が29日、大阪市内で退団会見に出席した。

 真風は2006年に入団した第92期生で、5組のトップスターの中では最上級生。17年11月にトップに就任。平成以降では、元宙組・和央ようかの6年1か月、元星組・柚希礼音の6年に次ぐ、トップ歴約5年7か月での卒業。元花組・明日海りおの約5年6か月を抜く長いトップ在位記録だ。「トップに就任してから、いつか終わりがあるものという意識は持っていました」。当初は「2022年(のゴール)を目標にイメージしていた」が、コロナの状況下で公演スケジュールが変更されたこともあり「この時期に決心しました」と答えた。

 宙組の仲間には「HiGH&LOW―THE PREQEL―」「Capricciosa!!」の公演中に退団を伝えた。「みんな真剣な表情で、グッと胸が熱くなり、涙する姿には愛おしさを感じました」。2代目パートナーのトップ娘役・潤花には6月のコンサート「FLY WITH ME」の際に事前に伝えた。「『ぜひご一緒させてください』と即答をいただきました」と同時退団することが決まったという。

 長身175センチの恵まれた体格と包容力を生かし、厚みのある「THE男役」として君臨した。15年に星組から組替えされた際は「なかなか経験できることではないので、自分の力になる瞬間だった」。転機になった作品は「一つに選ぶことは難しい」とし「やはり、今演じるお役が一番にと常々考えているので、今は『HiGH&―』のコブラを一番大切に演じています」と笑顔を見せた。

 18年目での退団となるが、歩みを振り返り「長いタカラヅカ人生の中、途中で立ち止まりたくなったり、逃げ出したくなったりした瞬間もあったんですが、前に進もう、立ち向かおうと、ファンの方々思いに何度も救われ、導いてくださった。もっと大きな愛でお返しできるよう最後の日まで頑張りたい」と話した。

 真風は「HiGH&―」「Capricciosa!!」の東京公演初日を10月15日に迎える。来年1月9~19日にはリサイタル「MAKAZE IZM」を東京国際フォーラムホールCで上演。サヨナラ公演の「カジノ・―」は来年3月に開幕予定。退団後の未来図は「考えるという感覚がない」といい、退団会見恒例の結婚の質問は「来ました!お願いします」と笑いながらも「ありがとうございます。…何もございません」と返した。

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