佐藤史生先生の読者の方へ

−2010.4.6.−


サカタBOXを読みに来てくださっている方で、 佐藤史生先生の読者の方がいらっしゃるかもしれないので、私からお知らせしておきます。

佐藤史生先生は、数年前に乳ガンである事がわかり、手術してガンを摘出しましたが、 昨年初め頃に骨や脳、その他に転移が確認され、昨年11月にふたたび入院、 2010年4月4日、清瀬のホスピスでなくなりました。

サカタBOXでは、読む方が暗い気持ちになる話題はなるべく書かないようにしているのですけど、 佐藤史生先生は現在、連載誌や掲載誌がなく、 いままで佐藤史生先生の作品を愛してくださった読者の方々には、 何かの形でお知らせしておいた方がいいと思い、 このサイトを使って報告させていただく事にしました。

これ以後新作は出ませんが、佐藤史生先生の作品を、長く愛していただけたら嬉しいと思います。



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個人的なおはなし

佐藤史生ことド・サトは、私の長い間の、とてもとても大事な友達でした。
西東京と金沢と、離れてはいましたが、ずっと手紙を書きあったり電話をしたりして、 いつもふたりでいろんな話をしたり議論をしたり、いろんな事で盛り上がったりしていました。
ド・サトはいつも、私の描く漫画をとても気に入ってくれていて、 去年、クリスマスキャロルを描くと話したら、とても楽しみにしてくれていて、 本が出る2週間くらい前に最後の入院になったのですが、 その時は、医者に 余命はあと半月以内かも… といわれ、 私は発行が間に合うかどうかジタバタしていたんですけれど、 何とか本が出来て急送したら、とても喜んでくれたらしく、 ずっと見舞いに通っていた友人が、ド・サトはとても喜んで、 ベッドの脇に本をずっと置いてあるよ、と教えてくれました。
頼りになる、何でもはなせる、とても大事な友人が、いなくなってしまいました。
乳ガンが発見された時、かなり大きいものでしたので、かなり覚悟はしていたのですが、 もうド・サトがこの世界にいないと思うと、やはり、とても寂しいです。

佐藤史生の読者の方、ファンの方は、それぞれに思い入れがあって、私と同じくらい寂しいと思います。
こういう時によく効く方法などはありませんが、佐藤史生のいる同じ時代に生きられたことが、 私なりに幸せだと思ったりしています。


さかたやすこ







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