科技日報など中国メディアは25日までに、中国では1998年に未確認飛行物体(UFO)の目撃例が多く、同年10月19日には河北省の基地から飛び立った戦闘機が、撃墜体制に入ったと報じた。UFOの形は、「カップのふた」に似ており、いわゆる「空飛ぶ円盤型」だったという。


■空軍基地上空にUFO出現、迎撃機が緊急発進

 河北省滄州市の空軍基地上空にUFOが出現したのは1998年10月9日午後11時ごろだった。レーダーが、基地上空を北東方向に向かって急速に飛行中の「実体物」を捕らえた。肉眼でも、みじかい軸があるきのこのような形をしたものが、地上に光を放射しながら飛んでいく姿が見えたという。
 基地近くを飛ぶ民間航空機はなく、軍用機の訓練飛行も約30分前に終了していたため、軍は「外来の航空機の可能性が高い」として、一級戦闘準備を行った。午後11時半、レーダーに映る飛行物体は、河北省・青県の上空に達して、停止した。高度は1500メートルだった。


 基地からは、殲6型戦闘機を2人乗りに改造した殲教6型機1機が緊急発進。搭乗員は劉明和飛行副団長と胡紹恒飛行大隊長だった。同機は前方に「飛行物体」を発見。上部には丸みがあり、底部は平らで照明が並んでいた。全体としては、麦藁(むぎわら)帽子のように見えたという。

■攻撃準備完了、基地に「許可」求める

 基地から、「接近せよ」との指示があったが、距離が4000メートル近くになったとき、「物体」は急に上昇を始めた。
殲教6型機は追跡したが、高度を3000メートルに達した時、「物体」は依然として上方にあった。殲教6型機が自機の飛行ルートを急変させることで相手を混乱させようと考え、急降下に転じると、「物体」は敏捷に動きを変えて、追跡してきた。殲教6型機は、急上昇に転じたが、水平飛行に戻った時、「物体」は依然として2000メートル上方にいた。

 劉飛行副団長は「物体」を照準に捕らえ、兵装の安全装置を解除して、基地に撃墜許可を求めた。基地側は、「まず、正体を確認せよ。撃墜行動を急ぐな」と命じた。


 殲教6型機は全速で「物体」を追跡したが、近づくことはできなかったという。高度1万2000メートルに達した時、基地に帰還するためにの燃料が乏しくなったと機器が警告した。「物体」の高度は2万メートルに達していた。基地は殲教6型機に帰還を命令。入れ替わりに別の戦闘機2機が現場に向かったが、到着までに「物体」はレーダーから消えた。同日の「飛行物体」は、地上にいた一般人160人も、目撃したという。


■内モンゴル、新疆の砂漠地帯でも「専門家」が目撃

 同年8月6日には、内モンゴルのバダンジリン砂漠にある空軍基地にも、「未確認飛行物体」が出現した。趙煦・空軍技術少将も、目撃者のひとりだ。航空機の飛行試験のため、滑走路を南から北に向かって離陸する準備をしていたところ、前方上空から上下2つの「火の塊」のようなものが降下してきた。滑走路にいた者は、「火炎で焼かれる」危険を感じ、伏せたという。趙少将は管制塔に対して、撮影用の機材を持ってくるように求めたが、機材を持ってくる人が到着した時、物体は去っていったという。物体は外部に光を放射していたが、まったくの無音だったという。


 1999年の2月半ばには、恐竜など古生物学の専門家の趙喜氏が、「数年前に新疆ウイグル自治区のゴビ砂漠で発掘調査をしていた際、発光する飛行物体を見た」と述べた。「特殊な飛行物体だ。あれほど大きなエネルギーを感じる飛行物体は、ほかにない」という。(編集担当:如月隼人)

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