京都府、京都市、京都商工会議所でつくる「サッカースタジアム検討委員会」(委員長=松山靖史・京商京都スポーツ振興特別委員長)は22日午前、京都市伏見区の横大路運動公園への建設を検討しているスタジアムについての中間報告を公表した。施設整備に約150億円を見込んだほか、維持管理費などで年間1億3600万円の赤字が発生すると試算、「運営上の工夫が必要」としている。
中間報告では、公園内の予定地は最寄りの京阪電鉄の淀駅から徒歩で30分以上かかるため、スタジアムに隣接する新駅の新設などの「交通アクセスの確保が整備の前提条件」としている。
スタジアム本体(2万人収容)には102億円、周辺整備を合わせ約150億−160億円を見込んだ。一方、年間約2億円必要と想定される維持管理費に対し、パープルサンガなどによる施設使用料は6800万円程度にとどまると予測。コスト削減のため「経営全体への民間ノウハウが必要」などとした。
記者会見で松山委員長は「横大路には難しい課題がある。引き続き可能性を見つけていきたい」と話した。検討委は今後、市民から広く意見を募り、最終的な整備の方向性を探るとしている。
スタジアム建設をめぐっては、巨額の資金協力を申し出ていた稲盛和夫京セラ名誉会長が私財提供を取りやめる意向を示しており、整備計画は大幅な見直しを迫られる見通しとなっている。
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