【スプリンターズS】グランアレグリア飛んだ!4角15番手から完勝 ディープインパクト産駒初のスプリントG1制覇

スポーツ報知
次元が違う強さを見せつけたグランアレグリア。ルメールもガッツポーズ

◆第54回スプリンターズS・G1(10月4日、中山競馬場・芝1200メートル=良)

 秋のG1シリーズ開幕戦、第54回スプリンターズSが4日、中山競馬場の芝1200メートルで争われ、1番人気のグランアレグリアが4角15番手から強烈な末脚で差し切り勝ち。ディープインパクト産駒として初めてスプリントG1を制し、ビッグタイトルは6月の安田記念に続く3勝目となった。騎乗したクリストフ・ルメール騎手(41)=栗東・フリー=は史上8人目、現役5人目となるJRA重賞100勝を達成した。

 衝撃の爆発力だった。グランアレグリアは4角15番手と絶望的な位置。しかし、残り400メートルでエンジンがかかると、雄大な馬体を躍らせ、大きなストライドでライバルたちを次々とのみ込む。中山の急坂を駆け上がった頃には前にいた全頭を抜き去り、さらに後続に2馬身差をつけてゴールへ飛び込んだ。思わずガッツポーズが出たルメールは「きょうは本当に信じられない」。驚きを隠せない表情で振り返った。

 前走の安田記念はアーモンドアイに2馬身半差をつけてマイルG1・2勝目を挙げたが、懸念されたのが6ハロン戦への対応だった。「スプリント戦のリズムに乗るのが難しかった」とルメールが口にした通り前半は後方に置かれたが、「直線で手前を替えてからスピードに乗った」。トップギアに入った後の加速力は、現役最強牝馬の撃破がフロックでないことの証明だ。

 節目のJRA重賞100勝目となったルメールは、昨年のタワーオブロンドンに続くこのレース連覇も達成した。「ペースが速かったので前が止まったけど、彼女はしっかり最後まで脚を使った。一番後ろから全頭をパスした。気持ちいい」と会心の笑みが浮かぶ。

 前走から馬体重が12キロ増え、ついに500キロ台に突入。藤沢和調教師は「牧場から帰ってきてからは大きくなって、以前より穏やかになった」と気性面の成長も勝因に挙げた。次走はマイルCS(11月22日、阪神)を予定している。「落ち着きが出たので乗りやすくなり、マイラーになった」とルメール。得意距離でG1・4勝目へ、レースの幅を広げた4歳牝馬の進撃はまだまだ続く。(石行 佑介)

 ◆グランアレグリア 父ディープインパクト、母タピッツフライ(父タピット)。美浦・藤沢和雄厩舎所属の牝4歳。北海道安平町・ノーザンファームの生産。通算9戦6勝。重賞5勝目。主な勝ち鞍は18年サウジアラビアロイヤルC・G3、19年桜花賞・G1、阪神C・G2、20年安田記念・G1。総収得賞金は5億8664万5000円。馬主は(有)サンデーレーシング。

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