出羽海部屋付きの中立親方(元小結小城錦)は長野・御嶽山(おんたけさん)にちなんだ御嶽海のしこ名は「故郷にもなじみ、応援も根付いている」と現状を指摘する。だが、御嶽海自身は「歴史ある部屋だからこそ、しこ名を受け継げる。その資格を備えて許されるものなら名乗ってみたい。それが伝統だから」。こんな古風な気概も頼もしい。 (奥村展也)
★昇進の状況
大関昇進の目安は「直近3場所を三役で33勝以上」とされ、御嶽海は5月の夏場所を小結で9勝、7月の名古屋場所は13勝2敗で制した。八角理事長(元横綱北勝海)は御嶽海の大関とりについて「(秋場所は)そういうことになるだろう」としている。
昇進を預かる審判部の阿武松審判部長(元関脇益荒雄)は先場所は3横綱が全休と途中休場で中盤までに不在となり、大関栃ノ心も途中休場したことに言及。数合わせではなく「(秋場所は)それを踏まえ、内容が大きく加味される」との見解を示している。
★秋場所アラカルト
◆栃ノ心 自身初のかど番。大関2場所目でのかど番は、「大関は連続2場所負け越しで関脇へ降下。翌場所10勝以上した場合は大関に復帰できる」という昭和44年名古屋場所以降の現行制度になって以来、平成12年秋場所の雅山以来8人目
◆御嶽海 2場所連続の関脇。三役は10場所連続
◆隆の勝 千賀ノ浦部屋の新入幕は、現師匠が平成28年4月に継承してから初めて。部屋としては平成23年秋場所の舛ノ山(現舛乃山)以来
◆常幸龍 平成28年夏場所以来14場所ぶりの十両復帰。三役経験者が三段目に降下して十両へ戻るのは、十両が地位として明確になった明治21年1月場所以降初めて