金曜特別ロードショー 沈まぬ太陽

金曜特別ロードショー 沈まぬ太陽

日本アカデミー賞最優秀作品賞を受賞した大ヒット巨編を4時間ノーカットで一挙放送!

山崎豊子の社会派大ベストセラーをオールスターキャスト&迫力の映像で映画化

金曜特別ロードショー 沈まぬ太陽 高度経済成長期の日本を背景に、巨大な組織の中で翻弄される1人の男の生きざまを描いた、山崎豊子原作の骨太なドラマ「沈まぬ太陽」。山崎豊子自身が映像化を熱望していたという作品が、ハリウッドでも活躍する俳優・渡辺謙をはじめとするオールスターキャストで堂々の映画化。昨年の日本アカデミー賞最優秀作品賞を受賞した話題作が地上波初登場、4時間ノーカットで放送だ。

舞台となるのは半官半民の航空会社・国民航空。主人公の恩地(おんち)(渡辺謙)は労働組合の組合長として労働者の待遇改善のために邁進するが、上層部に疎まれ海外支局に左遷される。予想外に長期化した僻地勤務の末、日本に戻った彼を待ち受けていたのは、航空史上未曽有の大事故。遺族係として事後処理に奔走する恩地は、新たに就任した会長の右腕として会社の経営改革に挑むことに。恩地の同期で出世街道をばく進する行天(ぎょうてん)(三浦友和)、新会長の国見(石坂浩二)、そして私欲にまみれた会社の経営陣と政界に蔓延る魑魅魍魎(ちみもうりょう)。そんな男たちを影で支え続ける女たち。様々な事情を抱える事故の遺族。物語は、それぞれが胸に抱く正義を丁寧に描写しながら、時代の大きなうねりに巻き込まれた人々の生きざまを綴っていく。

主演は「ラスト サムライ」「インセプション」など海外でも高い評価を受け、本作で日本アカデミー賞最優秀主演男優賞を受賞した渡辺謙。原作に惚れ込んだ彼は、山崎豊子に自ら手紙を書いて恩地元(はじめ)を演じさせてほしいと頼み込んだのだとか。そんな渡辺が体現する恩地は、時代に翻弄されながらも自らの信念を貫き通すことができる、まさに男が惚れる“男っぷり”の良さ。一方で、同期の出世の知らせに嫉妬したり、壮絶な航空機事故の現場から目をそらしたり、彼が時折見せる“弱さ”も、恩地という男をリアルかつ魅力的に見せている。

金曜特別ロードショー 沈まぬ太陽 恩地を取り巻く人々のキャスティングも超豪華。恩地の親友でありながら、彼とは正反対の生き方を選択する同僚の行天を演じるのは三浦友和。使えるものは金も女も全て利用して出世していく行天の泥臭い生き様を、見事に好演している。そんな行天の愛人・美樹役の松雪泰子、恩地の妻・りつ子役の鈴木京香という2大女優の、健気で強かな女性像も美しい。

恩地を重用する国民航空の会長・国見役に石坂浩二、恩地の同僚で後に行天の出世の道具として使われる八木役に香川照之。ほか、宇津井健、加藤剛、神山繁、草笛光子ら日本映画界の重鎮から、小林稔侍、大杉漣、西村雅彦、柴俊夫ら脇を固める実力派、そして木村多江、清水美沙、鶴田真由、松下奈緒、戸田恵梨香といった女優陣の輝きも目が離せない。

そんな日本映画史上に残る一大群像劇をまとめあげたのは、「ホワイトアウト」の若松節朗監督。アフリカの大地で撮影された野生動物の姿や、地平線に沈みゆく太陽の美しさは、この作品のもう一つの見どころとなっている。山の斜面に散乱する墜落したジャンボ機の破片や体育館に並ぶ棺の列など、誰もの記憶に残る事故を彷彿とさせるリアリティのある映像も圧巻だ。

会社と家族を思いながらも自らの信念のために一つの生き方を貫く男の人間ドラマとして。航空史上最悪の事故を発端に政界をも巻き込んで揺れる大企業の裏側を描く社会派ドラマとして。様々な角度から楽しめるスケール感満点の一大巨編。衝撃のオープニングから、清々しいエンディングまで一気に見せる怒涛の4時間を、お楽しみあれ!

様々な思惑に揺れる巨大企業を不屈の精神で生き抜いた一人の男の激動の半生を描く感動大作

金曜特別ロードショー 沈まぬ太陽 日本最大の航空会社、国民航空のジャンボジェット機による航空史上最大最悪の事故が発生した。国民航空の恩地元(おんちはじめ)(渡辺謙)は、遺族係として事故現場の前線で遺族たちの遺体確認作業に付き添うことに。空の安全のために戦ってきた企業戦士である恩地は、混乱を極める現場の惨状を目の当たりにし、自らの絶望を深めていく…。

昭和30年代。恩地は国民航空の労働組合委員長を担当。副委員長の行天(ぎょうてん)(三浦友和)をはじめ、スチュワーデスの美樹(松雪泰子)、部下の八木(香川照之)ら理想に燃える同僚とともに、労働環境の改善を求めて激しい闘争を繰り広げ、充実した毎日を送っていた。恩地の粘りの甲斐あって組合は賃金の大幅アップを勝ち取るが、そんな恩地を待ち受けていたのは、パキスタン・カラチへの海外赴任人事だった。

2年間のはずの恩地の海外赴任は、社長交代を受けて思いがけず長期化。恩地はカラチからイラン・テヘラン、そして遂には国民航空の路線が就航していないケニア・ナイロビへ転勤することに。会社の言う通りにすれば日本に戻すという取締役の八馬(西村雅彦)の甘い言葉にも、自らの信念を曲げることはできない恩地。しかし、妻のりつ子(鈴木京香)ら家族は、終わりの見えない海外勤務に不満を募らせ、遂に恩地は家族を日本に帰すことに。一方、同じ理想を抱いていたはずの行天は、いつの間にか自らの出世と引き換えに組合を解体する側に回り、栄転を重ねていた。会社に頭を下げてでも出世して家族の幸せを守るべきか、自分の理想を貫くべきか…。苦悩する恩地にもたらされたのは、ケニア政府との定期路線就航交渉が決裂したという非情な決定、そして最愛の母・将江(草笛光子)の死の一報だった。

金曜特別ロードショー 沈まぬ太陽 海外生活も10年を経過し、ようやく日本に帰ることが許された恩地。行天が社内で重用される一方で、かつて組合で共に戦った同僚たちは見せしめのような人事に苦しんでいた。そんな中で発生した国民航空機墜落事故。事故原因もわからないまま、恩地は息子一家を失った阪口(宇津井健)ら遺族の対応に追われることに。誠意のある恩地の態度は少しずつ遺族たちに受け入れられるようになるが、冷徹に補償交渉を進める会社側と亀裂が深まっていく。同じ頃、事故機の担当を後輩の恭子(松下奈緒)に代わってもらった美樹は、彼女の死に心を痛めていた。美樹は、愛人関係にある行天に会うためにそのフライトの仕事をキャンセルしたのだ。しかし行天は、そんな美樹に恭子の母から遺族会の名簿を手に入れるよう命じる。行天の強引なやり方に疑問を抱きながら、彼との関係も清算できず、美樹は深く悩み続ける。

墜落事故の事後処理が進む中、管理責任を問われた社長の堂本(柴俊夫)が辞任。内閣総理大臣の利根川(加藤剛)率いる政府では、国民航空の新たな人事をめぐる駆け引きが展開していた。結果、関西紡績出身の国見(石坂浩二)が会長に就任。穏やかながらも冷静に社内全体を見渡す目を持った国見は、新設した会長室の室長に恩地を抜擢。国見と恩地は、現場レベルから国民航空を立て直すため奔走することになる。

そんな恩地の前に立ちはだかるのは、ナショナル・フラッグ・キャリア=国を象徴する航空会社だからこその、政界をも巻き込んだ巨大な権力の渦。そして会社の利益のため、ひいては自らの出世のための行天の行動は、ますますエスカレートしていく…。企業人として、父として、そして一人の人間として。自らの理想を追い求め続ける恩地の、激動の半生の行く手に待つものとは…?

金曜特別ロードショー 沈まぬ太陽

キャスト

<恩地元>
渡辺謙
<行天四郎>
三浦友和
<三井美樹>
松雪泰子
<恩地りつ子>
鈴木京香
<国見正之>
石坂浩二
<八木和夫>
香川照之
<鈴木夏子>
木村多江
<小山田修子>
清水美沙
<布施晴美>
鶴田真由
<恩地克己>
柏原崇
<恩地純子>
戸田恵梨香
<和光雅継>
大杉漣
<八馬忠次>
西村雅彦
<堂本信介>
柴俊夫
<沢泉徹>
風間トオル
<古溝安男>
山田辰夫
<志方達郎>
菅田俊
<桧山衛>
神山繁
<恩地将江>
草笛光子
<阪口清一郎>
宇津井健
<竹丸欽二郎>
小林稔侍
<利根川泰司>
加藤剛

スタッフ

<原作>
山崎豊子「沈まぬ太陽」(新潮文庫刊)
<製作総指揮>
角川歴彦
<監督>
若松節朗
<製作>
井上泰一
<企画>
小林俊一
<エクゼクティブプロデューサー>
土川勉
<プロデューサー>
岡田和則、越智貞夫、井口喜一
<脚本>
西岡琢也
<音楽>
住友紀人
<撮影>
長沼六男
<美術>
小川富美夫
<照明>
中須岳士
<録音>
郡弘道
<編集>
新井孝夫
<音響効果>
柴崎憲治
<装飾>
小池直美、三浦伸一
<キャスティング>
山口正志
<監督補>
杉山泰一