山口まゆ、いつかは朝ドラ。「僕に、会いたかった」で島留学の女子高生役好演

スポーツ報知
トレードマークのロングヘアを約30センチ切り、笑顔を見せる山口まゆ(カメラ・橘田 あかり)

 女優の山口まゆ(18)が、EXILEのボーカル・TAKAHIRO(34)の初の長編主演映画「僕に、会いたかった」(錦織良成監督・10日公開)でヒロインを務める。「令和」改元後、自身初の公開作で、島根沖の隠岐島に島留学する女子高生役を熱演した。NHK連続テレビ小説「ひよっこ」(2017年度前期)のヒロイン・有村架純(26)の所属事務所の後輩で「私も朝ドラに出たい」と新時代の目標の一つに掲げた。(江畑 康二郎)

 2月末、4月期連続ドラマ「ストロベリーナイト・サーガ」(フジテレビ系)の撮影のため、トレードマークだったロングヘアをばっさり30センチほど切った。ショートヘアにするのは、クラシックバレエを始めた4歳の頃以来だ。一大決心と思いきや「長いのに飽きていたので、ずっと切りたかった」とケロリ。「友達にも『短い方がいい』と言われてうれしかった」とほほ笑んだ。

 「僕に、会いたかった」ではロングヘアの山口を堪能できる。ある目的を持って隠岐島にやってくる女子高生・木村めぐみ役を、17年11月のオーディションで勝ち取った。撮影は昨年3月下旬から約3週間、島根からフェリーで約3時間の隠岐諸島の西ノ島などで行った。

 コンビニ、大型宿泊施設がない大自然の中、民宿で同じ高校生役を演じた仲間と過ごした時間は、都会育ちの山口には新鮮だった。「東京はあまり好きじゃない。要らない情報まで入ってきて、携帯も嫌になっちゃう。島は自然豊かで良い方ばかり。放り出されても助けてくれる」と、島暮らしが気に入った様子。

 初共演のTAKAHIROについては「とても気さくな方で、現場を盛り上げてくださった」。共演シーンは多くないが、物語に欠かせない重要な見せ場での2人の抑えた演技が光る。

 クラシックバレエ漬けだった山口は小学生の頃、劇団四季のミュージカルを見て魅了された。「ジャズダンスなど、さまざまなダンスを知った。そうした中で、お芝居をするのが好きになった」。オーディション情報誌「De☆View」の合同面接会に応募し、当時、はまっていた学園ドラマ「ハガネの女」(10、11年、テレビ朝日系)の主演・吉瀬美智子(44)が所属する芸能事務所「フラーム」入りを決断。中1の秋頃から本格的な活動を始めた。

 透明感あふれる少女の印象が強く、17年に「リバース」(TBS系)、「明日の約束」(フジテレビ系)などで等身大の高校生を演じ、映画、CMも多数出演。その傍ら、今年4月から大学生になった。「楽しいです。おじいちゃんと同じ大学に入れたので、おじいちゃん孝行できた。いろんな芸術の分野を学べる。それがすてき。絵も美術館に行くほど好きで、音楽はピアノ、トランペットをやってきた。(女優と)両立目指して頑張ります」と二刀流宣言。

 今後の目標は「もっと成長したい。一番には、役として視聴者の方に認識していただけるとうれしい」。事務所の先輩は有村に続き、戸田恵梨香(30)が今秋から朝ドラ「スカーレット」に出演。そうした活躍を目の当たりにして「朝ドラは目標の一つ。『ひよっこ』が好きで、毎日欠かさず見ていました。もう一つは賞を取りたい。主演に限らず、作品としても賞を取りたい」と目を輝かせた。

静かな中に力強さある 錦織良成監督「『僕に、会いたかった』は静かな映画で、“音楽のように感じて見てもらえる映画”ではないかと思っています。表情や何げないしぐさで感情を表現するシーンも多い。まゆさんは役柄を演じたというよりも、“めぐみ”そのものでした。とても満足しています。静かな中に日常的な役柄をさらりと力強く演じられる『山口まゆ』という女優のこれからが、ますます楽しみです」

 ◆「僕に、会いたかった」 元漁師・池田徹(TAKAHIRO)は12年前に起きた事故で記憶を失う。隠岐島前高が実施する島留学で訪れた高校生・木村めぐみ(山口)らとの絆を深めていく中で、徹は「大事なことを忘れてしまっている」と苦悩。母親の信子(松坂慶子)はある日、徹の記憶を取り戻そうとある計画を実行する。

 ◆山口 まゆ(やまぐち・まゆ)2000年11月20日、東京都出身。18歳。14年、フジテレビ系「昼顔~平日午後3時の恋人たち~」でドラマデビュー。17年、映画「相棒 劇場版4」に出演。特技はクラシックバレエ、6歳から始めたピアノ。趣味は映画鑑賞、読書。身長157センチ。血液型A。

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