Yahoo!スポーツ
ログイン
IDでもっと便利に[ 新規取得 ]
競馬最強の法則WEB
Yahoo! JAPAN - ヘルプ


 Yahoo!スポーツ 競馬
  トップ     日程・結果     成績     記録     名鑑     競馬場・ウインズ     最強ヒストリー     ニュース  
最強ヒストリー
目次
サクラローレル トップ
第1話
夢は凱旋門賞
第2話
雌伏の日々
第3話
雌伏は続く
第4話
上昇気配、しかし……
第5話
長い休養と復活
第6話
三冠馬復活?
第7話
チャンス
第8話
戴冠
第9話
背水の陣
第10話
完勝!
→ 第11話
海外挑戦
→ 写真ギャラリー
→ 名鑑 サクラローレル

文中の関連ページ
レース結果
→ 天皇賞(春)(GI)
1997年4月27日(日)
競走馬名鑑
→ サクラローレル
→ マヤノトップガン
→ マーベラスサンデー
→ エルコンドルパサー
→ ナリタブライアン
騎手名鑑
→ 武 豊
調教師名鑑
→ 境 勝太郎
→ 小島 太

Yahoo!商品検索サクラローレル関連商品をさがす

連載中
エルコンドルパサー(全10話)
世界最高峰の頂に最も近づいた馬

バックナンバー
サイレンススズカ(全10話)
サクラローレル(全11話)
テイエムオペラオー(全10話)
スペシャルウィーク(全10話)
トウショウボーイ(全13話)
カブラヤオー(全10話)
マックスビューティ(全10話)
ハギノカムイオー(全9話)
ハギノトップレディ(全7話)
サクラスターオー(全10話)
バックナンバー一覧
サクラローレル
夢見させてくれた……凱旋門の月桂冠
文=瀬戸慎一郎 写真=JRA
※馬齢表記ほか、文章は掲載当時のままです
第11話 海外挑戦

  年明けた1997年、明け7歳(現表記で6歳)となったサクラローレルは現役を続行した。このクラスの馬であれば引退してもおかしくないが、晩成型の馬ということもあり、走り続けることになったのである。なお、境勝太郎の引退に伴い、弟子の小島太が厩舎を引き継ぐことになり、ローレルも小島厩舎の所属馬となっている。

 また、日本最強となった今、かねてからの宿願を果たすという意味もあった。凱旋門賞挑戦にほかならない。そもそも、サクラローレルはサクラの前オーナー全演植の夢を背負って生まれてきた馬なのだ。なお、このプランは秋の天皇賞のあたりから出ていたという。

 とはいえ、とりあえずは国内のレースにも使わなくてはならない。目標は春の天皇賞連覇であった。しかし、調整中に軽い骨折をしたため、有馬記念から直行というローテーションになってしまった。

平成9年4月27日「天皇賞(春)」(京都芝3200、GI)一番強い競馬をしたはずなのに……マヤノトップガンに漁夫の利をさらわれる
平成9年4月27日「天皇賞(春)」(京都芝3200、GI)一番強い競馬をしたはずなのに……マヤノトップガンに漁夫の利をさらわれる
 天皇賞では休み明けながら1番人気に推されていたが、まさかの2着に敗れてしまう。マーベラスサンデーと競り合っているところ、マヤノトップガンに出し抜けを食らってしまったのだ。力負けでないことは明らかで、展開の綾というべきであろう。また、休み明けにもかかわらず、マイナス14kgの大幅な馬体重減も影響していたと思われる。

 その後、サクラローレルは予定通りフランスに遠征した。前哨戦のフォワ賞を叩いて本番に臨む、という青写真である。しかし、フォア賞では、武豊騎手を鞍上に1番人気に支持されながら、8頭立ての最下位に敗れてしまう。しかも、レース中に故障を発症していた。右前屈腱不全断裂という重症であった。

 実は、故障に関しては伏線があったらしい。

 フランスの調教施設には、日本でもおなじみになった坂路がなく、フラットで固い馬場が主流である。元来脚元が強くないサクラローレルにとって、これはかなりの負担になった。屈腱炎になりかけていたのである。後年、凱旋門賞に使う前、イギリスのニューマーケットに入れるようになったのは、そういった事情があるからなのだ。

 さらには、装蹄の問題があった。いつもの装蹄師ではなく、フランスの装蹄師が鉄を打ったため、屈腱炎が悪化してしまったのである。レース中の事故は、ある意味必然というべきものだったのだ。

 いずれにしても、これ以上走らせることはできない。結局、凱旋門賞には出走することすら叶わず、引退に追い込まれてしまったのである。

平成9年12月20日「引退式」(中山競馬場、ゼッケン6番)凱旋門賞に出られず、無念の引退。その姿は心なしか寂しげだった
平成9年12月20日「引退式」(中山競馬場、ゼッケン6番)凱旋門賞に出られず、無念の引退。その姿は心なしか寂しげだった
 ローレルの遠征から2年後の1999年、エルコンドルパサーがフランスに渡った。戦績は4戦2勝、2着2回というもので、その中にはGIのサンクルー大賞勝ち、凱旋門賞2着が含まれている。この年、エルコンドルパサーは日本のレースに一度も出走しなかったにもかかわらず、年度代表馬に選出された。欧州でのGI制覇に加え、凱旋門賞で好勝負したという事実が、どれだけ高く評価されたかの証左といえるだろう。

「ローレルは叩きつけるようなフットワークのパワー型で、本質的には時計のかかる馬場に向いているんです。さらにいえば、ナリタブライアンのような小柄な馬ではなく、500kg前後の雄大な馬格。ヨーロッパの競馬にも合うはずでした。もし、万全の状態で出走していれば……それだけが心残りです」

 と、サクラローレルの生産者、谷岡康成は振り返る。

 もしローレルが無事であれば……それは、谷岡のみならず、ローレルの関係者すべてに共通する心情であろう。

 ヨーロッパの競馬に憧れ、凱旋門賞制覇の夢を抱き続けた全演植は、天で何を思うのであろうか……?

< 第10話 第11話(全11話)  
サクラローレルトップ | 最強ヒストリー トップ

プライバシーの考え方 - 免責事項 - ヘルプ・お問い合わせ
Copyright (C) 2007 KK Bestsellers. All Rights Reserved.
Copyright (C) 2007 Yahoo Japan Corporation. All Rights Reserved.