ひとつ前へ NECORA TOP mad@mail.wind.ne.jp 2010 伝書鳩による実験リアルタイムに彼方を飛ぶ鳥の 観測を世界最初に成功した! 研究・設計 自然環境保護無線協会 Hal.T 2010/05/01 - 2010/06/25 - 2010/10/11 2010/10/13 - 2011/02/10 |
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共同研究者
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ここに掲載する情報は研究共有物として扱います。したがって、誰でも引用や解釈を して文献化や公開をしていただいてかまいませんし望む所でもあります。 → 数理設計の転載と引用、サイトの趣旨に沿います。 |
野鳥への装着に対する影響や情報獲得の精度や確実性、電波伝搬の評価のために、野生動物ではなく人の管理下にある伝書鳩で実験をする。放鳥地は結城市、帰巣地は松戸市、予定の飛翔距離は55km、つくば受信地から放鳥地まで約20km。
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飛行経路 茨城県の結城 ⇒ 千葉県の松戸 およそ55km
●飛翔経路の全部をカバーする好適受信地 (全経路を十分にカバーする)
●限界検出に適した限界受信地を選定 (限界検出とは半数が受信できない受信地点)
2つの観測は性質が異なり、前者は飛行状況を知り、後者は伝搬の限界と数値実験の差をを知るためである。
パラメータ 送信 100uW 145MHz 、 受信感度 -125dBm
全体をカバーできそうな受信地 シミュレータの原図
全体地図Google BaseMap.kmz へのリンク
A 放鳥地 結城
B 帰巣地 松戸
C 筑波 男体山
D 佐野IC そばの山
E 常総 地域交流センター
標高 853.2m 、 アンテナ高さ 6m 、 受信限界 -125dBm 、 送信電力 100uW 、 周波数 145MHz
北側から登る自動車道えの受信は北方面にしか開けていず、放鳥地も見えないのでNG
高度100mのほうが50mよりも届かない場所が多く見えるが、これはリング状に不感地帯があるためで、全体的には高度100mの方が遠距離までカバーする。筑波から高度100mを対象とすれば三浦半島から前橋までカバーする。
飛行高度 10m | 飛行高度 50m | 飛行高度 100m |
標高 456.6m 、 アンテナ高さ 6m 、 受信限界 -125dBm 、 送信電力 100uW 、 周波数 145MHz
県道236号と138号の交わる動峠南にある山頂
地図 | 飛行高度 10m | 飛行高度 50m | 飛行高度 100m |
236A.lzh へのリンク 保存してから開くといい kmzファイル
飛行高度 50m |
標高 114m 、 アンテナ高さ 6m 、 受信限界 -125dBm 、 送信電力 100uW 、 周波数 145MHz
飛行高度 10m | 飛行高度 50m | 飛行高度 100m |
標高 18m 、 アンテナ高さ 48.5m (45m) 、 受信限界 -125dBm 、 送信電力 100uW 、 周波数 145MHz
飛行高度 10m | 飛行高度 50m | 飛行高度 100m | 100m 電力1mW(+10dB) |
飛行高度5m、受信限界 -125dBm 、 送信電力 100uW 、 周波数 145MHz
宇都宮大学 峰校舎 地上高 20m | ||
飛翔高度 5m | 飛翔高度 10m | 飛翔高度 20m |
競馬場公園 地上高 6m | ||
飛翔高度 5m | 飛翔高度 10m | 飛翔高度 20m |
2010/07/10 実験前日のハト
2010/07/11 実験
つくばでのレポート 前橋を2:30ごろに出発し北関東道で太田、そこから50号経由で佐野、小山、結城、築西、つくばへ向かい、筑波山神社の前を通り表筑波スカイラインを南へ行くと現地。前橋から115km。 目的としていた道脇の駐車スペースは大きな鉄骨でふさがれていてNG。少し戻って「つくばねCCの東尾根にある「子授け地蔵」の駐車場に腰を落ち着けた。他メンバーは放鳥地点、主水水門。 20100711.kml(Google) 20100711tukuba_hato.gdb(Garmin) 朝早く4:30には準備完了。自動車内で仮眠しようとするが、周囲はおにいさん?おじさんの触合いの場となっていて少々やかましい。耳栓をしてしんなりゆったりと体を休めた。 日が昇っても曇りでそれほど暑くは無く、汗をかくほどにはならない。 受信機は自動車の後ろ。 |
144.488.71MHz USB 南西方向、つくば市、放鳥地の結城市はこの写真の右に外れた所で、筑波山の南西斜面の向こうだし、霞が濃く、まったく見えない。 観測地の全景ビデオ メモと評価
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放鳥時間 午前7時ごろ 寝坊したものがいて9時になってしまった、痛恨の出来事!
08:35 BirdGPS動作開始
08:36 BirdGPS初期測位完了、ハーネス取り付け開始
08:40 ハーネス取り付け完了、計量(機器総重量 15.4g)
08:47 装着完了
08:50 鳩運搬用の籠を車外へ運搬
09:00 放鳥
09:06 鳩が休止
09:41 鳩の休止地点へ到着、鳩を視認
09:56 鳩が旋回、隣の電柱へ移動
10:36 電池終止により送信停止
KMLファイル 3D20100804 hato_plus100m.kml DLしてサフィックスをkmlにすること
予定日 2010/10/11 参観は無料、筑波山の表筑波スカイライン内の「子授け地蔵駐車場」がおすすめ。 ここで約22km離れた場所の放鳥地(茨城県結城市)で放鳥された伝書鳩の移動経路を受信します。 温かい飲み物と、軽食の用意をするつもりなので、参加登録していただければ嬉しい。 |
つくば第3回電波伝搬実証実験について(公開実験の実験担当者向けの内部通報) 実施日:平成22年10月11日(土) 放鳥場所:36°16'42.12"N、139°54'17.18"E(第1回、第2回と同地点) 実験者の集合時間:遅くとも6時(放鳥地)、受信地つくば(つくば子授け地蔵駐車場)、遅くとも5時 受信地松戸(主水水門)6時で大丈夫でしょう。 放鳥時間:7時・8時の2回 放鳥数:2羽 放鳥種:カワラバト(伝書鳩) 装着用の平組紐調達(黒、茶各15m)→ 放鳥地へは内田さんが持参します。 装着者:内田聖・内田優 各氏 |
第3回つくば伝書鳩実験その他のデータ by Ken.T
1羽目 2010_10_11BirdGPS1.kml TIME_GPGGA2010_10_11No_1.nme 2羽目 2010_10_11BirdGPS2.kml TIME_GPGGA2010_10_11No_2.nme 別記録 SPG
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1羽目 9:30に放鳥
鳩の行動の想像 いくつかの仮説があるが、最後に直角に飛翔経路を変更した時に鳩は遠方にハヤブサなどの猛禽類を発見した。その後、高度を上げて逃げ切れた。しかし利根川を越えて鳩舎に向かう途中にある高圧線の鉄塔で待ち受けている別の猛禽に捕獲され、地上に落下した。その時に軽量化のために防水していない送信機が破損した。何に捕獲され送信が停止したのか確実ではなく、同時に放鳥した数羽は鳩舎に帰還したが、この鳩は帰還しなかった。距離が遠くて電波が到達できなかったわけでないのは電波強度の記録から言えるが、結末は想像にすぎず確実に言えるのは時刻と位置座標のみで、その瞬間にそこにいたということだけなのだ。 |
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経路に沿って飛行した感じに作った ビデオ(手動飛行) 2010.10.11BirdGPS1.kmz へのリンク この中に飛行操作を表現したものがある。 |
伝書鳩の行動2(詳細)
2羽目 10:34に放鳥
2羽目の鳩の解説 by K.T 10時34分頃に放鳥した。直後、伝書鳩は1羽目の放鳥時と同様に鬼怒川を渡り帰巣地へ向かうように思えた。しかし、急旋回して鬼怒川を渡り直し、およそ1km先で旋回しながら上昇しているのが見えた。 鳩レースの経験豊富な内田さんにお聞きしたところ、もし帰巣する方向が分からなくて旋回したとするならば、放鳥直後に旋回しているはず。1kmも飛んだ後の旋回は他に原因がある。例えば、放鳥直後に伝書鳩はオオタカやハヤブサなどの捕食者を目ざとく認知して回避のために急に鬼怒川を渡り直し旋回しながら上昇したと思われる。 GPS情報からは振り切ったと思われたが、飛翔経路に沿う距離にして7.8kmまでの地点でハヤブサに捕獲されたようだ。その後、送電線鉄塔の中段に運ばれハヤブサの餌食になってしまった。 受信情報から得られた緯度経度の位置情報を放鳥組に伝え、それを基に状況の把握に務めてもらったところ、最終的に観測できたGPS位置にある鉄塔からヒラリ・ヒラリと伝書鳩の羽毛が落ちてきてハヤブサがお食事中であった。GPS精度で得られたBirdGPSデータの正確さが裏付けられた。 |
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最終地点・・・鉄塔の踊り場 |
現場で回収した羽毛と翼羽。 鉄塔の下まで行って見あげると、ハラハラと羽が落ちてきた。 |
9:30に放鳥した。つくば受信地では少し離れた周波数のFMからスプラッタ(シャリシャリ雑音)によって若干の混信があった。FMは10W、こちらは1万分の1W、50dBも小電力なのだからしかたない、おそらくFM受信機ではよっぽど近距離でなくては受信すらできないだろう。 受信地では6m高さの垂直系と地上1mぐらいで水平においた5素子の八木アンテナを使った。八木アンテナは利得を稼ぐ目的ではなく、指向性で混信を排除する目的に非常に役立つことが判明、鳩が背負って飛んでいるので偏波面はあまり関係ないようだ。(JA1QPY) ●観測法
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●評価法
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放鳥地(結城市)の気温(小山市アメダス)
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写真記録 |
測定器 MS2034A アンテナ FT817付属の ヘリカル 全般的なノイズ状況 MAX HOLDで観察 144.450MHz は静か-130dBm程度 |
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MAX HOLDで観察 中心の144.450MhzがMAD-SS JQ1YUR ピークで-120dBm程度 左右の山 144.440/144.460MHz はFM局。 彼らは700Hzほど周波数がずれている。 ピークで-85〜-90dBmの受信電力。 混信状況、わずかにスプラッタが感じられるが、全く問題なかった。 20kHz単位で設定されている隙間の周波数に設定したのは正解だった。 144.470MHzの→にある小山はSSB(USB)を144.470MHzに設定して送信したのだと思える。左の小さい山はSSBのLSB側が漏れている、あまり性能のよくないSSB送信機だ。でもピークよりは30dB落ちているから実用には耐える、おそらくフィルタがよくないのだろう。 |
逐次状況 |
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