バチカンに歌舞伎絵 花のじゅうたんで描く
バチカンで29日、花びらを使って地面に絵を描く「インフィオラータ」が行われ、サンピエトロ広場前の通りが花のじゅうたんで彩られた。日本の団体も参加し、歌舞伎をモチーフにした作品を披露。見物客からは「バチカンと日本の伝統文化の組み合わせが新鮮」「最高に美しい」と絶賛の声が相次いだ。
インフィオラータは地面にさまざまなデザインを描き、その上に花びらで色付けするアート。1625年にローマの守護聖人である聖ペテロとパウロを祝うために行われたのが起源とされる。
イベントにはイタリアや日本、スペインなど世界の約70団体が参加。縦約7メートル、横約5メートルの色鮮やかな作品が通りに並び、観光客や市民らの目を楽しませた。
日本からの参加団体はアーティストの藤川靖彦さんを中心とする「インフィオラータ・アソシエイツ」。同団体の石川唯夫さんは「日本の伝統を外国人にアピールするには、歌舞伎が一番分かりやすい」と説明。カーネーションや菊を使い、前日から16時間以上かけて夜通し制作したという。
ローマ市のマダレーナ・ペナッキアさん(48)は「バチカンの宗教的イメージに日本の歌舞伎を取り入れるのは、新たな発想で素晴らしい」と感銘を受けていた。(ローマ=共同)