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【名言か迷言か】保守本流の外交とは何か

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【名言か迷言か】
保守本流の外交とは何か

 その大平は「保守本流」という言葉をたびたび口にしていた。保守本流とは、大平が会長として率いた派閥、宏池会の政治哲学を表す言葉とされている。この保守本流がよく分からない。森田氏は「大平は、リベラルの代表、チャンピオンみたいなものだ」とも述べている。保守の本流であるのにリベラルのチャンピオンなのだ。保守思想の祖、エドマンド・バークが聞いたら、食べているご飯を噴き出してしまうのではないかと心配してしまう。

 森田氏の説明によると、どうやら「保守」と「保守本流」とは必ずしも一致しないようだ。「保守」とは「過去の中から評価できるものを十分に評価して、未来に活かせるものを活かしていく」思想であり、「保守本流」とは「それは結局、吉田茂さんの『経済重視』『憲法改正は軽々にしない』という考え方」ということになる。

 その保守本流を金看板に掲げる宏池会の岸田文雄会長が、昨年末に発足した第2次安倍内閣の外相に就任した。岸田氏は昨年10月に古賀誠元自民党幹事長から派閥領袖の座を譲り受けたばかりだ。宏池会会長として外相になったのは大平以来、38年ぶりになる。

 安倍晋三首相は憲法改正を宿願としているのは周知の事実で、その首相が起用した外相が、「憲法改正は軽々にしない」ことを大事にする派閥の会長であるのは不思議な感じがしないでもない。

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