贈賄の元精肉業者に有罪 高知、ふるさと納税汚職
高知県奈半利町のふるさと納税を巡る汚職事件で、返礼品加工の委託先に指定された謝礼などの意図で町職員側に現金を渡したとして、贈賄罪に問われた元精肉店経営、能勢澄男被告(68)と妻、弘美被告(67)に高知地裁(吉井広幸裁判長)は3日、いずれも懲役3年、執行猶予5年(求刑各懲役3年)の判決を言い渡した。
判決理由で吉井裁判長は、2017~19年に定期的、継続的に計約8500万円の賄賂を送金したとして「同種事案の中でも(賄賂額は)高額」と指摘。一方で賄賂の提供は町職員側の指示を受けたもので「利得を求めて関与したとは認められない」と執行猶予を付けた。
判決によると、能勢被告らは、返礼品となる肉の仕入れ先や、加工・梱包作業の委託先に指定してもらい、継続的な発注を受けた謝礼などとして、おいで担当の町職員、柏木雄太被告(42)=受託収賄罪などで起訴=の親族名義の口座に計約8500万円を送金した。
ふるさと納税を巡る汚職が初めて立件された一連の事件では計7人が起訴された。柏木被告らは賄賂計約9千万円を受け取ったとされる。〔共同〕