UBS、クレディの買収完了 「AT1債」の損失、日本から返還請求

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ベルリン=寺西和男
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 スイス金融最大手UBSは12日、同業クレディ・スイス・グループの買収手続きを終えたと発表した。スイス政府が主導し、3月にまとまった異例の救済買収で、欧州発の金融不安は収まった。だが、買収に伴って社債の一部を無価値にした判断を巡り、日本の投資家から損害額の返還を求める申し立てが相次ぐなど、問題は尾を引いている。

 買収はグループ統括会社の株式交換の形をとる。クレディの株主がクレディ株22・48株につき、UBS株を1株受け取る。存続会社はUBSで、スイスやニューヨークの証券取引所に上場するクレディ株などは上場廃止になる。傘下の中核金融機関のクレディ・スイスや日本のクレディ・スイス証券などは当面、これまで通り営業を続ける。

 両社は富裕層向けの資産運用を軸に幅広い金融サービスを手がける。総資産は単純合計で約1兆6500億ドル(約230兆円)と、スイスの国内総生産(GDP)の2倍の規模になる。

損失増えれば国民負担も

 今回の救済策はスイス政府が…

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