サントリーウイスキー蒸溜所便り

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山崎蒸溜所便り

ウイスキーづくりの理想郷、山崎の地を訪ねる
~水無瀬神宮と天王山~

2021年8月30日

こんにちは、水野めぐみです。
今回は山崎蒸溜所からほど近い、水無瀬神宮と天王山を訪ねます。


20210826_yamakankyo_top.jpg天王山の麓に建つ山崎蒸溜所


山崎蒸溜所は日本初の本格的モルトウイスキー蒸溜所として、1923年に建設着手されました。
サントリーの創業者鳥井信治郎は、数ある候補地の中から、良質な水とウイスキーの熟成に適した湿潤な環境にこだわり、山崎の地を選びました。


20210826_yamakankyo_1.jpg水無瀬神宮



20210826_yamakankyo_2.jpg千利休も愛したと伝わる離宮の水


山崎は古くから名水の地として知られていますが、それを象徴する名所が水無瀬神宮の境内に湧き出る「離宮の水」です。
水無瀬神宮は山崎蒸溜所から15分ほど歩いた場所にあります。
「離宮の水」は大阪府で唯一、日本の名水百選にも選ばれており、かの千利休も愛したと伝えられています。
現在もこの清らかな水を求めて参拝する方は数多く、境内にある水汲み場には連日多くの方々が取水に訪れています。
ウイスキーづくりにとっても良質な水は欠かすことができず、かつて鳥井信治郎が蒸溜所の建設地を選んだ際も、山崎の名水が決め手となりました。


20210826_yamakankyo_3.jpg風に揺られる風鈴


夏の水無瀬神宮では「招福の風」という催しが行われ、境内にかけられたたくさんの風鈴が心地よい風とともに涼しげな音色を響かせています。
この風鈴の音は、元々お祓いで使われていたそうで、風に乗ってやってくる災いを祓い健康と幸福を運ぶといわれているそうですよ。


天王山の麓の竹林が生い茂る山崎は、四季折々の変化が感じられる自然豊かな土地です。
桂川、宇治川、木津川が合流する地点にあり、辺り一帯を山に囲まれています。
濃い霧がたちこめやすく、湿潤な気候は、ウイスキーの熟成にとってまさに好条件と言えます。


20210826_yamakankyo_4.jpg天王山7合目付近から見た三川合流の景色


天王山の7合目付近まで登ると、展望広場からは桂川・宇治川・木津川の三川が淀川へと続く合流地点を見ることができます。かつて鳥井信治郎もこの風景を眺めながらウイスキーづくりに思いを馳せたのかもしれませんね。


20210826_yamakankyo_5.jpg山中にあるのは歴史を辿ることができる陶板絵図


天王山は歴史的にも広く知られた地で、かつて明智光秀と羽柴(豊臣)秀吉が天下をかけて戦った山崎の合戦の舞台になりました。
勝敗や運命の分かれ目を指す「天王山」もこの故事に由来しており、天王山のハイキングコースには、秀吉の物語を辿れる陶板絵図が設置されています。


20210826_yamakankyo_6.jpg酒解神社の鳥居


山頂の手前には山崎周辺の守り神を祀る「酒解(さかとけ)神社」があります。
この酒解神社の神社内にある神輿庫(しんよこ)は板倉形式という珍しい形式で造られており、重要文化財にも指定されているそうです。


今回は、山崎の自然環境を象徴する名所、水無瀬神宮と天王山を訪ねました。
こうした自然環境によって育まれた「名水」と「湿潤な環境」が、山崎蒸溜所のウイスキーづくりを支えているんですね♪





ここ山崎の地が選ばれた理由を動画でご紹介。水無瀬神宮のシーンも登場します。
ぜひご覧くださいね。


【工場見学一時休止のお知らせ】新型コロナウイルスの国内感染拡大を受け、感染防止のため、当面の間、工場見学および場内全施設(ショップを含む)を休止させていただきます。見学・予約再開につきましては、日程が決まり次第、山崎蒸溜所ホームページでお知らせ致します。(2021年8月30日現在)

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