杭州アジア大会で19日、中国浙江省金華でサッカー男子1次リーグの北朝鮮戦が行われ、台湾に2―0で勝利を収めた。北朝鮮は2020年1月から新型コロナウイルス対策を理由に出入国を厳格に統制し、国際スポーツ大会への出場も取りやめていた。23日の開会式に合わせて高官が同省杭州を訪れ、中国側と会談する可能性もある。 北朝鮮は前半に2点を奪い、そのまま逃げ切った。
北朝鮮はほかに重量挙げや空手、競泳、ボクシングなどにも出場予定で、総勢191人を選手登録している。今年4月に中国浙江省台州で開かれた空手の東アジア選手権に在日朝鮮人2選手が北朝鮮代表として参加し国際大会に復帰。8月にはカザフスタンでのテコンドーの世界選手権に北朝鮮本国から選手を送った。
一方、北朝鮮は国際スポーツ大会に合わせた外交を過去に活発に行ってきた。最近では18年2月の韓国での平昌冬季五輪の開会式に出席するため金正恩朝鮮労働党総書記の妹の金与正党副部長(当時は党第1副部長)が訪韓し、文在寅大統領(当時)と会談している。
金正恩氏は出入国制限の緩和後初の首脳外交として今月ロシアを訪れた。最大の貿易相手国の中国より先にロシアを訪問したことは、北朝鮮との軍事的緊張が高まっている米国との対話を中国が模索していることをけん制する思惑もあったとみられている。(共同)