工藤ホークス非常事態、開幕投手が決められない 千賀異変で登板白紙

西日本スポーツ

 開幕投手が決まらない-。福岡ソフトバンクは宮崎春季キャンプを打ち上げた。ただ3月20日のロッテ戦(ペイペイドーム)で開幕投手を務めることが最有力視される千賀滉大投手(27)が、コンディション不良のため2日連続でノースロー。工藤公康監督(56)は監督就任6年目で初めてキャンプ中に“大役”を正式決定できなかった。千賀が基本線とはいえ、一抹の不安を残しながらの手締めとなった。

2日連続ノースロー

 春を感じさせる陽気の中、選手会長中村晃の発声で春季キャンプを打ち上げた。選手らの円陣が解けると、恒例となっている工藤監督のキャンプ総括が行われた。そこで開幕投手についての言及を求められると、指揮官は表情を変えずに答えた。

 「そこはこれからです。しっかり見て決めたい。候補は何人かいます。3月に入る頃には決めたい」

 2015年の監督就任以来、開幕投手はキャンプ中に通達してきたが、キャンプを終えても正式決定に至らないのは、今回が初めてのケースだ。首脳陣としては、昨季まで2年連続で開幕投手を務めている千賀を基本線としている。ただ、キャンプ最終盤でエースに異変が起きている。

 千賀には当初、23日のシート打撃で登板してから29日の阪神とのオープン戦(ペイペイドーム)にも今季実戦初登板するプランがあった。だが、コンディションが整わずシート打撃の登板を見送ると、24日も2日続けてノースローでキャンプを終えた。ランニングメニューなどで調整した右腕は「(投球再開時期は)決まっていない。なるようにしかならない。これも勉強だと思うしかない」と声を落とした。

 今キャンプの千賀は自主トレ中に右ふくらはぎに張りを覚えた影響で、初日から別メニュー調整を余儀なくされた。13日に本格的なブルペン投球を再開させると、20日には今キャンプ最多の110球を投げるなど状態を上げていた。だが、投球時の軸足が患部となっていることでフォームのバランスを崩し、他の部位にも負荷がかかる状況になっていた。開幕から逆算して立てられていたオープン戦での登板予定も一時白紙。首脳陣は宿舎で話し合いを設けることとなった。

 大黒柱の動向が、先発投手陣の編成に大きな影響を与えることは間違いない。右肘手術からの復活を期す東浜は23日のオリックスとのオープン戦で3回無失点の好投を見せたが、バンデンハークや和田、石川はこれから長いイニングを投げていく状況で、新外国人のムーアは26日に打撃投手を予定している。左太もも裏痛で調整が遅れた高橋礼は、ブルペン投球を再開したが開幕には無理して合わせない方針。千賀が大本命には違いないが…。工藤監督の決断の時「3月に入る頃」はもうすぐだ。

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