千葉県の京葉銀行が、2018年に稼働予定の次期勘定系システムに、日立製作所が開発中の次世代オープン勘定系パッケージを採用することを明らかにした。30年近くにわたり、日立製メインフレーム上で勘定系のアプリケーションを使ってきた同行は、システム刷新で「独自性」と「機動性」の向上を図るとしている。
2014年5月の京葉銀行の採用発表に先立ち、日立は同年1月23日に次世代オープン勘定系パッケージを発表していた。勘定系システムを単独で運営する地銀の中で最大規模を誇る静岡銀行向けに開発予定のシステムをパッケージ化して販売する(写真)。
OSには「日立の技術者が最も得意とする」(情報・通信システム社金融システム営業統括本部の松原克之事業企画本部地域金融機関担当本部長)Red Hat Enterprise Linuxを使う。アプリケーションには、記帳や決済といった「非戦略領域」と新商品や顧客管理といった「戦略領域」とを分離したアーキテクチャーを採用して、戦略領域の開発を低コストで迅速に実現できるようにする。
「既に数行の地銀から問い合わせが来ている」と、松原担当本部長は明かす。オープン勘定系に参入した日立は、地銀向けのIT市場で台風の目になりそうだ。
早くも勢力図を塗り替え始めた
オープン勘定系システムの分野ではこれまで、日本ユニシスとNECの2社でシェアを分け合ってきた(表)。
企業名 | 製品名 | 稼働するOS | 採用地銀 |
---|---|---|---|
日本ユニシス | BankVision | Windows Server | 10行(大垣共立、北國など) |
NEC | BankingWeb21 | HP-UX | 4行 *1(東京スター、八千代など) |
日立製作所 | 次世代オープン勘定系パッケージ*2 | Red Hat Enterprise Linux | 2行(静岡、京葉) |