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ソニー生命保険の海外子会社から約168億円相当の資金が不正に送金され、暗号資産「ビットコイン」に交換された事件で、事実上、被害額を50億円余り上回る約221億円がソニー生命側に返還されたことがわかった。事件後に押収されたビットコインの値上がりや為替相場の変動によるものだが、被害額を大幅に上回る金額が戻るのは異例。ソニー生命は犯罪防止などのための寄付を検討するとしている。
事件では、ソニー生命元社員の被告の男(33)が昨年5月、英領バミューダ諸島の子会社「エスエー・リインシュアランス」の口座から、米国の銀行口座に約1億5493万米ドル(当時のレートで約168億円相当)を送金した上で、全額をビットコインに交換して隠したとして、詐欺罪と組織犯罪処罰法違反(犯罪収益隠匿)で起訴され、東京地裁で公判中だ。
検察側は、エスエー社の清算業務を担っていた男が、清算に伴う正規の資金移動に紛れ込ませる形で不正送金を計画したと主張している。
不正送金後に米連邦捜査局(FBI)や日本の警視庁、最高検などが連携して捜査した結果、米当局が昨年12月、男の保管していたビットコインの押収に成功。今年3月に米ドルに交換した後、8月24日にエスエー社に返還した。