□グライド・エンタープライズ 山口道元社長
化粧品事業や電子商取引(EC)サイトを運営するグライド・エンタープライズは、化粧水が主流の国内市場で、低価格高品質のフェースマスク「ルルルン」を投入。地域の特産品を採用した限定商品の販売や、大手コンビニエンスストアやドラッグストアなど全国約3万店舗を通じた販売などで、急速に売り上げを伸ばしている。2014年度の同ブランドの売上高は前年度比24%増と好調。国内産素材、国内生産にこだわった“日本品質”が強みだ。山口道元社長は、3年以内にアジアを中心とした海外売上高比率を現在の10%から50%に高める成長戦略を描く。
--なぜ、フェースマスク市場に着目したのか
「化粧品を取り扱ったウェブ通販を運営していて、お客さまからの反響が最もよかったのがフェースマスクだった。お得感やかわいさなどの要素を取り入れた自社ブランドを作りたかった」
--11年7月にルルルンを発売し、翌年には売上高が6倍以上に増えた
「20~30代をターゲットに、高級価格帯で2000~3000円のフェースマスクを、1枚当たり38円のお得感のある価格で提供できた。女性にとって、フェースマスクは大切な日の前日に行う『スペシャルケア』だが、ルルルンの登場で『デイリーケア』に変わった」
--品質を落とさずに低価格で提供できる理由は
「研究部門や生産工場を持っておらず、莫大(ばくだい)な研究費がかからない。必要のない広告・宣伝や過剰な包装もしていない。『化粧品はこうあるべきだ』という既成概念がないからこそ、業界のルールを覆すような破格の商品作りができたのかもしれない」