女人禁制とは? わかりやすく解説

女人禁制

読み方:にょにんきんせい

女性立ち入り禁止すること、禁止されている様子意味する語。古来霊場聖域とされる領域に対しては女人禁制とされる場合がままあった。現在でも土俵の上基本的に女人禁制とされている。女人禁制に対して男子立ち入り禁止しているさまを「男子禁制」という。

にょにん‐きんぜい【女人禁制】

読み方:にょにんきんぜい

《「にょにんきんせい」とも》宗教修行地域霊場などへの女性立ち入り禁止する風習比叡山高野山などで行われたが、明治5年1872)に立ち入り認め政令出て以降、ほとんど廃止となった


女人禁制

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/04/09 14:31 UTC 版)

女人禁制(にょにんきんせい[1][2][3][4][5][6]、にょにんきんぜい[1][7])とは、日本において、寺院や霊場等の特定の場所への女性の立ち入りを禁止する風習、習俗。また、その制度や地域のこと。


注釈

  1. ^ 元々「結界」は仏教用語であるが、神道などでも用いられるので、「女人結界」も仏教に限った用語ではない。
  2. ^ 興行として昭和30年代後半まで続いた女相撲は、終戦後の娯楽の多様化や女子プロレスの登場により廃れている。
  3. ^ 実際に女性が土俵に上がる可能性が考えられるのは、断髪式で国技館の使用を許される力士の断髪式・優勝力士の表彰(知事)・地方巡業での勧進元挨拶・ちびっこ相撲などである。なお、相撲部屋でのイベントや豊ノ島杯(高知県・富山県)などでは女子の参加は受け入れられている。
  4. ^ 女性が参詣できた同じ真言宗の室生寺が「女人高野」と呼ばれた。

出典

  1. ^ a b 石田瑞麿『例文仏教語大辞典』小学館、1997年2月、848頁。ISBN 978-4095081113 
  2. ^ 『日本国語大辞典』 14巻、小学館、2003年1月10日、6頁。ISBN 978-4095219011 
  3. ^ a b ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典『女人禁制』 - コトバンク
  4. ^ a b 世界大百科事典 第2版『女人禁制』 - コトバンク
  5. ^ a b 日本大百科全書(ニッポニカ)『女人禁制』 - コトバンク
  6. ^ 『歴史民俗用語よみかた辞典』日外アソシエーツ、1998年8月。ISBN 978-4816915185 
  7. ^ 大辞典. 第二十卷”. 平凡社. pp. 96,97. 2017年5月7日閲覧。
  8. ^ a b 『大辞泉』
  9. ^ 『大辞林』第3版
  10. ^ ウベロイ, バハドゥー 1999, pp. 317–318.
  11. ^ a b 源 1989, pp. 326–327.
  12. ^ 荒井 2022, p. 97.
  13. ^ 日本の僧侶および尼寺の歴史・思想研究”. KAKEN. 2022年12月8日閲覧。
  14. ^ 鈴木 2022, pp. 326–327.
  15. ^ 源 1989, p. 147.
  16. ^ 大正蔵9巻35頁下”. 2018年4月7日閲覧。
  17. ^ a b c 明治五年-法令全書-内閣官報局 コマ番号007/768 および コマ番号097/768 国立国会図書館デジタルコレクション (2018年04月28日(土)閲覧)
  18. ^ a b c DeWitt, Lindsey (2015). A mountain set apart : female exclusion, Buddhism, and tradition at modern Ōminesan, Japan. https://hdl.handle.net/1854/LU-8636501. 
  19. ^ 「勧進大相撲」の誕生 東京都立図書館 "ただし、女性の見物は出来ず、許されるようになったのは明治時代に入ってからのことでした。"(2018年04月28日(土)閲覧)
  20. ^ a b 女性に「土俵降りろ」の放送、八角理事長「不適切な対応」 春巡業、救命処置の女性に感謝 2018年04月05日(木)08時28分『産経新聞』(2018年04月28日(土)閲覧)
  21. ^ a b 女性相撲ファンからも「差別的」 巡業先の宝塚市女性市長は「平等」求める 2018年04月05日(木)22時03分『産経新聞』(2018年04月28日(土)閲覧)
  22. ^ ちびっこ相撲で女子排除 静岡巡業、相撲協会が「遠慮して」要請 例年は参加 2018年04月12日(木)10時59分『産経新聞』(2018年04月28日(土)閲覧)
  23. ^ a b DeWitt, Lindsey E. (2021-09). “Japan’s Sacred Sumo and the Exclusion of Women: The Olympic Male Sumo Wrestler (Part 1)” (英語). Religions 12 (9): 749. doi:10.3390/rel12090749. https://www.mdpi.com/2077-1444/12/9/749. 
  24. ^ (社説)大相撲の伝統 「女人禁制」を解くとき:朝日新聞デジタル”. archive.is (2018年4月28日). 2021年5月12日閲覧。
  25. ^ 論点:大相撲の「女人禁制」”. 毎日新聞(2018年4月27日). 2021年5月12日閲覧。
  26. ^ 明治五年-法令全書-内閣官報局 コマ番号011/768 および コマ番号154/768 国立国会図書館デジタルコレクション (2018年04月28日(土)閲覧)
  27. ^ 「女人禁制」撤廃への対応が、土俵と酒蔵で分かれる理由”. ダイヤモンド・オンライン (2021年6月3日). 2022年9月8日閲覧。
  28. ^ 活動報告|宮城泰年さん(本山修験宗管長・聖護院門主)との話し合い”. www.on-kaiho.com. 「大峰山女人禁制」の開放を求める会 (2012年8月1日). 2022年9月8日閲覧。
  29. ^ 「大峰山女人禁制」の開放への歴史をひもとけば「大峰山女人禁制」の開放を求める会(2018年04月28日(土)閲覧)
  30. ^ 『佐久口碑伝説集北佐久編限定復刻版』発行者:長野県佐久市教育委員会、全434頁中83頁、昭和53年11月15日発行
  31. ^ (英語) World Cultural Heritage and women’s exclusion from sacred sites in Japan. Routledge. (2020-04-02). doi:10.4324/9780429265976-4. ISBN 978-0-429-26597-6. https://www.taylorfrancis.com/chapters/edit/10.4324/9780429265976-4/world-cultural-heritage-women-exclusion-sacred-sites-japan-lindsey-dewitt 
  32. ^ (英語) Island of Many Names, Island of No Name : Taboo and the Mysteries of Okinoshima. Bloomsbury Academic. doi:10.5040/9781350062887.ch-004. https://doi.org/10.5040/9781350062887.ch-004 
  33. ^ 【そこが聞きたい】世界遺産がブームですが?/島本来の姿守りたい 鹿児島県屋久島町長・荒木耕治氏毎日新聞』朝刊2018年1月15日
  34. ^ 女人禁制よ さらば 山古志・牛の角突き 17年ぶり女性入場新潟日報』モア(2018年5月5日)
  35. ^ 新潟・長岡の闘牛場、女性の立ち入りOKに 会員増加で:朝日新聞デジタル”. 朝日新聞デジタル(2018年5月4日). 2020年2月19日閲覧。
  36. ^ 改正労働基準法(妊産婦等の坑内労働の就業制限関係)の施行について”. 厚生労働省 (2006年10月11日). 2014年6月24日閲覧。
  37. ^ 【ぷらすアルファ】「女人禁制」伝統に変化/増える女性杜氏 近代化・若返り進み『毎日新聞』朝刊2018年4月14日(くらしナビ面)
  38. ^ 三段目格行司の木村昌稔が辞職 - 大相撲 : 日刊スポーツ”. nikkansports.com(2018年7月3日). 2020年2月24日閲覧。



女人禁制

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/13 05:55 UTC 版)

ゴルフ場」の記事における「女人禁制」の解説

欧米名門会員制ゴルフコース多くは、発足当初から女性へ入会阻止したり、プレー制限加えるなどの女性差別が行われてきた。こうした性別への差別には批判抵抗があり、スコットランド自治政府首相当時)のアレックス・サモンドは、「21世紀になっても、全ての人に開放されないゴルフクラブがあることは擁護できない。」と言及したものの、2013年段階においても全英オープン開催されるゴルフクラブのうち、3つについては女性へ開放なされていなかった(ミュアフィールド・リンクスは会員投票の末、2017年3月受け入れ表明)。 一方2012年マスターズ開催されるオーガスタ・ナショナル・ゴルフクラブ女性会員受け入れ表明コンドリーザ・ライス(元アメリカ国務長官)らを新たに会員迎えた日本でも2020年東京オリンピック開催地に決定した霞ヶ関カンツリー倶楽部が、女性入会制限掛けていたことが判明2017年3月には、女性会員受け入れていく方針表明する至った

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女人禁制

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/04 15:31 UTC 版)

京大坂道」の記事における「女人禁制」の解説

かつて高野山霊場聖域俗世界とを区切る結界線が張られその内側に女人立ち入り制限するなどの禁制敷かれた。女人禁制は絶対とされ、かつて空海の母でさえも結界中に立ち入ることが許されなかったと伝わる。 1872年明治5年明治政府から太政官布告98号神社仏閣女人結界ノ場所ヲ廃シ登山参詣随意トス」が発布され近代化政策進め政府によって女人禁制が解かれた。しかし、仏教界から強い反発があり、高野山でも公式に完全に女人禁制が解かれたのは1906年明治39年であった1906年明治39年)に、高野山真言宗総本山金剛峯寺開創1100年記念大法会にむけて、高野山結界残部を残らず解除したことで、禁制解かれ実質的に女人禁制も完全解除された。このことにより、公式に女人高野山内への入・居住が認められることとなった

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女人禁制

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/04 10:23 UTC 版)

高野参詣道」の記事における「女人禁制」の解説

かつて、聖地高野山」の聖域外界俗世)とを区切る結界線が張られその内側に様々な禁制敷かれ女人立ち入り結界線に沿って制限されていた。女人禁制にまつわる伝承多く残され例えば、空海の母でさえ結界中に入ることが許されていなかったと伝わる。空海の母は老体であるが讃岐より訪れたが、空海入山止められ押し問答になり、その際落雷にあい火の降ったが、空海は母を庇い石を持ち上げた伝わり町石道その時の石とされる押上石」が残る。1872年明治5年明治政府から太政官布告98号神社仏閣女人結界ノ場所ヲ廃シ登山参詣随意トス」が発布され近代化政策進め政府によって女人禁制が解かれた。しかし、仏教界から強い反発があり、高野山でも公式に完全に女人禁制が解かれたのは1906年明治39年であった1906年明治39年)に、高野山真言宗総本山金剛峯寺開創1100年記念大法会にむけて、高野山結界残部を残らず解除したことで、禁制解かれ実質的に女人禁制も完全解除された。このことにより、公式に女人高野山内への入・居住が認められることとなった

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女人禁制

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/12 22:26 UTC 版)

大相撲」の記事における「女人禁制」の解説

日本相撲協会主催大相撲土俵上への女性立ち入り認めていない。 2000年大阪府知事就任した日本初女性都道府県知事である太田房江春場所優勝力士大阪府知事賞を直接授与することを日本相撲協会側に要求したが、認められなかった。 2007年9月19日秋場所11日目)には観客40歳前後女性土俵乱入する事件発生している。これに関して日刊スポーツは「約1400年大相撲歴史初めて女人禁制が破られた」としている。日本相撲協会側ではこれについて、この女性が土俵内には入っていないため伝統破られていないとしている。 2018年4月4日巡業先の舞鶴市多々見良三市長土俵上であいさつ中に倒れ救命のため医療従事者女性土俵上がったが、相撲協会この女に対して土俵降りるよう場内アナウンス促した。これについて八角理事長は「人命にかかわる状況には不適切な対応でした」と謝罪している(「女性は土俵から降りてください」騒動)。 この女禁制風習明治期の「違式詿違条例発令と「神道穢れ感」を利用し虚構伝統」が創られたとされる日本相撲歴史においては室町時代から女相撲存在しているが、団体違い同一興行行われていない。1957年大相撲四国巡業において女相撲大関若緑勧進元挨拶をしたのは、第39横綱前田山第二次世界大戦相撲をやめてしまった若緑懇意であったことからのはからいであった固辞する若緑対し前田山は「責任はとるから」と頼み込み若緑土俵上に立ったという。

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女人禁制

出典:『Wiktionary』 (2021/08/14 08:35 UTC 版)

成句

女人 禁制にょにんきんぜいにょにんきんせい

  1. 修行の場・霊場などへの女性立ち入り禁止すること。

発音(?)

にょ↗にんきんぜー
にょ↗にんきんせー

対義語


「女人禁制」の例文・使い方・用例・文例

  • このお寺はもと女人禁制だった.
  • 女人禁制の山
  • 女人禁制
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