代表的な未来ロケットの原理(1)
プラスのイオンを電気的に加速する「電気ロケット」
推進剤(セシウムやヨウ素など)を、電極によってプラスとマイナスのイオンにし、プラスのイオンを加速電極により電気的に加速して噴射(ふんしゃ)します。イオンというのは、プラスもしくはマイナスの電気をもった粒子(りゅうし)のことで、プラスはマイナスに引かれマイナスはプラスに引かれるという性質を利用したしくみです。電気ロケットの噴射ビームのパワーは小さいものですが、速度は大きく、長時間噴射することができます。
液体水素を原子炉の熱で加熱する「原子力ロケット」
液体水素を原子炉の熱によって加熱し、噴射します。化学ロケットに比べて噴射速度が格段に大きく、また、原子力エンジンに使うウラン燃料は、ごく小さいものでも大きな熱を長時間発生するので、ロケットの機体を軽くすることができるという利点があります。
小型の核融合物質を爆発させて進む「核融合パルスロケット」
小型の核融合物質を連続して爆発させ、その爆発力を反射プレートなどで受けて推進します。たとえば、連続爆発は毎秒200回にもおよびます。
代表的な未来ロケットの原理(2)
水素原子を集めて核融合を起こす「星間ラムジェットロケット」
恒星間に希薄(きはく)に存在している水素原子を集めて核融合を起こし、それを噴射して飛行します。1Gの加速ができ、長期間の噴射(ふんしゃ)によって光の速度に近づけることができるため、恒星間飛行用として有望視されているシステムです。
物質と反物質を反応させる「光子ロケット」
物質と反物質を反応させ、光に変えて、それを噴射(ふんしゃ)して進みます。光子(こうし)ロケットは1935年にドイツのゼンガーによって提案されたシステムで、SF(科学小説)にもよく登場しますが、光子を完全に100%反射させる反射鏡や、強い光を発する発光体の開発など、技術的にはむずかしい問題が多く、実現の可能性はきわめて低いと思われます。
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