生物学用語辞典 |
結核
結核菌、Mycobacterium tuberculosis、の感染が原因となって発症する疾患。
エイズ関連用語集 |
結核
【総論】 抗酸菌の一種である結核菌(Mycobacterium tuberculosis)が起こす病気の名前。世界人口の3分の1が感染しており、年間800万人が毎年結核発症し、300万人が死亡し、その3分の2がアジアである。日本ではかつて亡国病と言われたが、今でも人口10万人あたり35.7人の人が病気をもっており、毎年約4,500人が新しく診断される。つまりエイズよりも多く発生し多く死亡している。感染源は喀痰が飛び散る(飛沫)ことで家庭内や集団発生が起こる。抵抗力の落ちた人に起こりやすい。
結核の予防治療
【概要】 HIV感染者が明らかに結核菌に曝露したと思われる場合、ツベルクリン検査を実施する。5mm以上であれば予防治療を開始する。従来はツベルクリン反応が参考とされていたが、近年クォンティフェロンTB-2G値が上昇していなければ予防治療は不要と考えられている。ただしHIV感染症など免疫能が低下した患者の評価は定まっていない。
【詳しく】 (1)イソニアジド300mg+ピリドキシン50mgを9ヶ月間。(2)イソニアジド耐性結核菌→リファンピシン600mg+ピラジナミド20mg/Kgを2ヶ月間。(3)多剤耐性結核菌→専門家に相談。
《参照》 結核とエイズ、 クォンティフェロンTB2G
結核の治療
【治療】 治療は抗結核薬を3種類以上組み合わせて使用する。イソニアジド:300mg/日を1日に1回+エタンブトール+リファンピシン+ピラジナミド20~30mg/Kg分4。免疫能が回復すれば、治療期間は通常の患者と同じ半年から1年が普通である。日本では結核予防法で管理しており治療費の公費負担もある。
【詳しく】 リファンピシンは薬物代謝酵素チトクロームp450を誘導する。これにより抗HIV薬の血中濃度が低下して、十分効果をあげないばかりか、耐性HIVの発生を促す恐れがある。治療の選択やタイミングなどについて専門家と相談すべきである。治療経過中のPCR検査は、治療薬で死滅した菌のDNAも検出するので、治療の成功失敗を判断することはできない。クォンティフェロンTB-2Gの値は、治療成功で低下すると言う。
《参照》 イソニアジド、 リファンピシン、 ピラジナミド、 エタンブトール、 チトクロームP450、 クォンティフェロンTB2G
結核の診断
【診断】 HIVによる免疫不全を示唆する症状または所見がみられる場合で、肺または肺外に活動性結核を診断したら、エイズ指標疾患となる。 (1) 確定診断:細菌学的培養により診断するが時間がかかる。最近はPCR法で鋭敏かつ早期に診断できる。(2) 臨床的診断:培養により確認できない場合には、X線写真やツベルクリン反応の陽性を参考に診断する。(3) 全血インターフェロンγ応答測定法(クォンティフェロンTB-2G)の応用が有力になった。
【詳しく】 1)ツベルクリン反応は免疫力が落ちていると、陰性の結果となりやすいので参考にならない(HIV感染者の場合は5mm以上を陽性と考える)。 2)検体(痰、胃液、便、血液)から結核菌を証明する場合、菌量が多い場合は塗抹標本を抗酸菌染色をして顕微鏡で判定する。菌の種類を決めることは薬の選択の上でも大切である。菌量が少ない場合は増やす。耐性検査も実施する。従来は培養と生化学的な正常で菌の種類を決定していたが、決定に熟練と4週間以上を要した。クォンティフェロンTB-2Gは感度はツベルクリン反応と同等、特異度はより優れている。
PDQ®がん用語辞書 |
結核
【原文】tuberculosis
tb。人から人へ空気を介して拡がるある特定の細菌によって引き起こされる疾患。結核では身体の多くの部分が侵されうるが、肺が最も高頻度に障害される。何年も結核症状が現れないこともあるが、糖尿病、aids、がんのような深刻な疾患になることで症状が発現する可能性がある。結核は通常、抗生物質による治療で治癒する。「tb」とも呼ばれる。
国際保健用語集 |
結核
世界人口の3分の1、約2億人が結核菌(Mycobacterium tuberculosis)に感染(空気感染)し、感染した人(潜在性結核感染症)の10%が一生の間に発病する。特に結核高蔓延地域に住むHIV感染者はさらに結核発病率が高くなる。2005年には880万人の新規結核患者が発生し、158人が死亡したと推計され、その大半はアフリカおよびアジアである。これらの患者の95%以上は途上国に住み、しかも15-45歳の生産年齢層が患者の75%を占め、結核がもたらす社会への負担が大きい。世界的に貧富の差の拡がり、HIV感染の拡大、過去の非効率な結核対策が治療中断者および耐性化による慢性患者が増加する原因であった。途上国における診断方法としては、胸部X線検査よりも喀痰塗抹検査の方が技術的、費用的にも適した方法であり、排菌している患者を村レベルでも確実に発見することができる。一次抗結核薬はヒドラジド、リファンピシン、エタンブトール(ストレプトマイシン)、ピラジナミドであり、6-8ヶ月の標準治療で15-20米ドルの費用で可能である。2005年の目標は「患者の70%以上を治療し、治療成功率を85%以上にすること」であったが、WHO西太平洋地域だけで達成された。ここには中国、フィリピン、ベトナムの高蔓延国が含まれている。WHOは2006年に今後10年(2006-2015)の新しいストップ結核戦略を作成した。それは、特に高蔓延国におけるの拡大、HIV合併結核および多剤耐性結核対策、公的機関だけでなく民間団体も含む対策などに焦点を当てている。(下内 昭)
参考URL:WHO ホームページ http://www.who.int/mediacentre/factsheets/fs104/
感染症の種類 |
結核
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エジプトのミイラから典型的な結核の痕跡が見つかるなど、結核は人類の歴史とともにある古い病気である。日本では、明治以降の産業革命による人口集中に伴い、結核は国内に蔓延し、「結核は国民病」と呼ばれた。昭和26 年に「結核予防法」が制定されて以来50 年経過したこの数年は、結核の死亡率順位はつねに20 位以下であり、なかば忘れ去られようとしている。しかし、大都市の一部の結核罹患率は依然群を抜いており、集団感染事例もあとをたたない。また、開発途上国では依然として公衆衛生上の大問題であり、交通手段の高速化、大量化、効率化によって感染者の移動も容易なことから、問題は途上国に留まらないことが指摘されている。一方、エイズの世界的蔓延によってHIV 感染者が増加するなかで、結核との重感染者の重症化が心配されている。こうしたことから、結核は「再興感染症」として再び注目すべき疾患となっている。 疫 学
臨床材料からの分離培養には小川培地、LJ (Lowenstein‐Jensen)培地などの卵培地が汎用される。 臨床症状
病原診断
治療・予防 結核予防法における取り扱い 学校保健法における取り扱い
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微生物の用語解説 |
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結核 [Tuberculosis]
ヒトの結核はほとんどが飛沫や塵(ちり)による気道感染であるが、まれに消化管や皮膚を経た感染もある。感染初期は結核菌がリンパ節に病変をおこし、ツベルクリン反応が陽性になる。そのままリンパ節が石灰化して治ることもるが、通常は病巣の結核菌によって病変が気管や腸管などへ広がる。種々の器管や臓器が冒されるが肺に空洞ができる肺結核が最も多い。早期の診断は胸部X線撮影や喀痰(かくたん)検査による。治療はストレプトマイシンをはじめカナマイシン、リファンピシン、イソニコチン酸ヒドラジド、エタンブトールなどの化学療法剤が効果的である。また、予防にはビーシージー(BCG)が用いられる。これはフランスのパスツール研究所で開発されたもので、ウシ型結核菌から得られた病原性がない菌株で、皮内注射法で免疫効果がある。かつて蔓延した結核は有用な化学療法剤の適用で1950年以降は激減したが、最近、再び感染者が増加する危険性が高まっているので注意が必要である。
ウィキペディア |
結核
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2012/02/06 07:16 UTC 版)
(tuberculosis から転送)
結核(けっかく)とは、マイコバクテリウム属の細菌、主に結核菌 Mycobacterium tuberculosis により引き起こされる感染症[1]。
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- ^ a b c Kumar, Vinay; Abbas, Abul K.; Fausto, Nelson; & Mitchell, Richard N. (2007). Robbins Basic Pathology (8th ed.). Saunders Elsevier. pp. 516-522 ISBN 978-1-4160-2973-1
- ^ a b 世界保健機関 (WHO). Tuberculosis Fact sheet N°104 - Global and regional incidence. 2006年3月,2006年10月6日確認
- ^ 『読売新聞』2001年5月24日 東京朝刊34面。長尾啓一千葉大学教授。
- ^ 「結核対策の包括的見直しに関する提言」厚生科学審議会感染症分科会結核部会報告 2002年3月20日
- ^ 原田登之他「結核菌抗原ESAT-6およびCFP-10を用いた結核感染診断法QuantiFERON(R)TB-2Gの基礎的検討」『結核』79号、725-735頁、2004年
- ^ http://www.jata.or.jp/rit/rj/no251.252.htm
- ^ http://www.bdj.co.jp/micro/products/1f3pro0000001y9h.html
固有名詞の分類
tuberculosisに関連した本
- Tuberculosis in White and Negro Children, Volume I: The Roentgenologic Aspects of the Harriet Lane Study Janet Main Baillie Hardy Harvard University Press
- Vitamin D: Rickets, 7-Dehydrocholesterol, Tuberculosis Treatment, Vitamin D, Hypovitaminosis D, Vitamin D and Influenza, Calcitri Books LLC
- Mycobacterium-Related Cutaneous Conditions: Tuberculosis, Buruli Ulcer, Coccidioidomycosis, Scrofula, Miliary Tuberculosis, Prosector's Wart Books LLC
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