sprintfとは? わかりやすく解説

sprintf

(PHP 4, PHP 5)
sprintf — フォーマットされた文字列を返す

説明

string sprintf ( string format [, mixed args [, mixed ...]] )
フォーマット文字列 format に基づき生成された文字列を返します。
フォーマット文字列は 0 個以上のディレクティブ(指示子) により構成されます。ディレクティブには、そのまま結果にコピーされる (% を除く) 通常の文字と変換指定子 (conversion specifications) があり、 取り出される際はどちらもそれ自身がパラメータとなります。このことは sprintf() の場合だけでなく printf() の場合も同様です。
各変換指定子は、パーセント記号 (%) の後に これらの要素が一つ以上続いたものになります。
  1. オプションの符号指定子。これは、 数値で符号 (- あるいは +) を使用するよう指定します。 デフォルトでは、数値が負の場合の - 符号のみが使用されます。 この指定子により、正の数にも強制的に + 符号をつけることができます。 これは PHP 4.3.0 で追加されました。
    オプションのパディング指定子。これは、 文字列が正しい長さになるまでどんな文字で埋めるかということを 指定します。これは空白かまたは 0 (文字 '0') のいずれかです。デフォルトでは空白で埋められます。 これ以外のパディング文字を指定するには、その文字の前に 単一引用符 (') を置きます。 後述の例を参照ください。
  2. オプションのアラインメント指定子。これは、 結果を左寄せまたは右寄せにしたい場合に指定します。 デフォルトは右寄せです。ここで - 文字を指定すると左寄せとなります。
  3. オプションの数字。これは表示幅指定子です。 結果を(最低)何桁にするかを指定します。
  4. オプションの精度指定子。これは、 浮動小数点数に対して数字を何桁まで表示するかを指定します。 文字列に対して使用した場合は、これは切り捨て位置として働きます。 この文字数を超える文字を切り捨てられます。
  5. 型指定子。引数を何の型として扱うかを指定します。 指定できる型を以下に示します。
    % - パーセント文字。引数は不要です。
    b - 引数を整数として扱い、 バイナリの数値として表現します。
    c - 引数を整数として扱い、その ASCII 値の文字として表現します。
    d - 引数を整数として扱い、 10 進数として表現します。
    e - 引数を科学記法として扱います (例 1.2e+2)。
    u - 引数を整数として扱い、符号無しの 10 進数として表現します。
    f - 引数を double として扱い、 浮動小数点数として表現します。
    F - 引数を float として扱い、 浮動小数点数として表現します (ロケールに依存しません)。 PHP 4.3.10 および PHP 5.0.3 以降で使用可能です。
    o - 引数を整数として扱い、 8 進数として表現します。
    s - 引数を文字列として扱い、表現します。
    x - 引数を整数として扱い、16 進数として (小文字で)表現します。
    X - 引数を整数として扱い、16 進数として (大文字で)表現します。


PHP 4.0.6 以降、フォーマット文字列における引数の 番号付け/交換 がサポートされました。以下に例を示します。 例 2286. 引数の交換
<?php
$format = 'There are %d monkeys in the %s';
printf($format,$num,$location);
?>

この出力は、"There are 5 monkeys in the tree" のようになります。 ここで、フォーマット文字列が別のファイルにある場合を考えてみましょう。 これは、出力を国際化したりする場合に行われる可能性があります。 たとえばフォーマット文字列が次のように書き換えられたとすると、 例 2287. 引数の交換
<?php
$format = 'The %s contains %d monkeys';
printf($format, $num, $location);
?>

ここで、問題が発生します。フォーマット文字列における置換指示子の順番は、 コードにおける引数の順番と一致していません。 だからといってコードを変更するのではなく、 むしろ置換指示子が参照するフォーマット文字列のほうで指示を行う方が望ましいでしょう。 フォーマット文字列を次のように書き換えてみましょう。 例 2288. 引数の交換
<?php
$format = 'The %2$s contains %1$d monkeys';
printf($format, $num, $location);
?>

こうすることによるもうひとつの利点は、 同じ置換指示子を複数回使用する際にコードに引数を追加せずにすむことです。 例えば、次のようになります。 例 2289. 引数の交換
<?php
$format = 'The %2$s contains %1$d monkeys.
           That\'s a nice %2$s full of %1$d monkeys.';
printf($format, $num, $location);
?>


printf(), sscanf(), fscanf(), vsprintf(), number_format() も参照ください。

例 2290. printf() のさまざまな例
<?php
$n =  43951789;
$u = -43951789;
$c = 65; // ASCII コードの 65 は 'A' です

// %% に注目しましょう。これは、リテラル '%' を文字として出力します
printf("%%b = '%b'\n", $n); // 2 進表現
printf("%%c = '%c'\n", $c); // ascii 文字を表示します。chr() 関数と同じです
printf("%%d = '%d'\n", $n); // 標準の整数表現
printf("%%e = '%e'\n", $n); // 科学記法
printf("%%u = '%u'\n", $n); // 正の整数の、符号なし整数表現
printf("%%u = '%u'\n", $u); // 負の整数の、符号なし整数表現
printf("%%f = '%f'\n", $n); // 浮動小数点表現
printf("%%o = '%o'\n", $n); // 8 進表現
printf("%%s = '%s'\n", $n); // 文字列表現
printf("%%x = '%x'\n", $n); // 16 進表現 (小文字)
printf("%%X = '%X'\n", $n); // 16 進表現 (大文字)

printf("%%+d = '%+d'\n", $n); // 正の整数に符号指定子を使用
printf("%%+d = '%+d'\n", $u); // 負の整数に符号指定子を使用
?>
このプログラムの出力内容は次のようになります。

%b = '10100111101010011010101101'
%c = 'A'
%d = '43951789'
%e = '4.39518e+7'
%u = '43951789'
%u = '4251015507'
%f = '43951789.000000'
%o = '247523255'
%s = '43951789'
%x = '29ea6ad'
%X = '29EA6AD'
%+d = '+43951789'
%+d = '-43951789'

     

例 2291. printf() の文字列指定子
<?php
$s = 'monkey';
$t = 'many monkeys';

printf("[%s]\n",      $s); // 標準の文字列出力
printf("[%10s]\n",    $s); // 空白を使用して右詰め
printf("[%-10s]\n",  $s); // 空白を使用して左詰め
printf("[%010s]\n",  $s); // ゼロ埋めは文字列でも可能です
printf("[%'#10s]\n",  $s); // ゼロの代わりに独自の文字 '#' で埋めます
printf("[%10.10s]\n", $t); // 左詰めを行い、10 文字以上は切り捨てます
?>
このプログラムの出力内容は次のようになります。

[monkey]
[    monkey]
[monkey    ]
[0000monkey]
[####monkey]
[many monke]

     

例 2292. sprintf: 整数を 0 でパディング
<?php
$isodate = sprintf("%04d-%02d-%02d", $year, $month, $day);
?>

例 2293. sprintf: 通貨をフォーマットする例
<?php
$money1 = 68.75;
$money2 = 54.35;
$money = $money1 + $money2;
// echo $money は "123.1" を出力します。
$formatted = sprintf ("%01.2f", $money);
// echo $formatted は "123.10"を出力します
?>

例 2294. sprintf(): 科学記法
<?php
$number = 362525200;

echo sprintf("%.3e", $number); // 3.63e+8 を出力します
?>



printf

(sprintf から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/04/20 16:20 UTC 版)

printf(プリントエフ)は、C言語標準ライブラリに属し、ヘッダー (stdio.h) で宣言されている関数である。引数で与えられた書式付きの文字列を、環境によって設定された標準出力 (stdout) に出力する。その機能はJIS X 3010:2003においてprintf関数は,与えられた実引数の前にstdoutを実引数として付加したfprintf関数と等価とする。と規定されている (7.19.6.3)。


  1. ^ 実際のローカライズ作業では、gettext等によってメッセージカタログから文字列を得るようにコードを記述する。
  2. ^ 類似の順序指定可能な書式化機能を持つものとして、Windows APIFormatMessage()関数や、Microsoft Foundation ClassAfxFormatString2()関数、.NET FrameworkSystem.String.Format()メソッドなどが挙げられる。
  3. ^ 可変長引数では「既定の実引数拡張」により、float型の引数はdouble型へと変換されるため、本来はdoubleに対して修飾子を適用する必要はない。
  4. ^ Microsoft Visual C++には非標準関数としてバッファサイズを受け取らないswprintfが存在するが、バージョン2005 (8.0) 以降では既定で無効化されており、非推奨となっている。sprintf、swprintf (CRT) | Microsoft Docs, sprintf, _sprintf_l, swprintf, _swprintf_l, __swprintf_l | Microsoft Docs
  5. ^ wsprintfA function (winuser.h) - Win32 apps | Microsoft Learn
  6. ^ wnsprintfA function (shlwapi.h) - Win32 apps | Microsoft Learn
  7. ^ セーフ文字列関数の使用 - Windows drivers | Microsoft Learn
  8. ^ 第10章 著名な脆弱性対策 フォーマット文字列攻撃対策”. IPA ISEC セキュア・プログラミング講座:C/C++言語編. 独立行政法人 情報処理推進機構. 2012年7月3日閲覧。
  9. ^ Format Specification Syntax: `printf` and `wprintf` Functions | Microsoft Learn
  10. ^ PHP: printf”. PHPマニュアル (2013年3月22日). 2013年3月28日閲覧。
  11. ^ Kernel.#printf”. Ruby 1.9.3 リファレンスマニュアル. 2013年3月28日閲覧。
  12. ^ Instance method String#%”. Ruby 1.9.3 リファレンスマニュアル. 2013年3月28日閲覧。
  13. ^ The Boost Format Library” (2006年12月2日). 2013年3月28日閲覧。
  14. ^ 文字列フォーマット - boostjp
  15. ^ format - cpprefjp C++日本語リファレンス
  16. ^ print - cpprefjp C++日本語リファレンス


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