non-dynamite sourceとは? わかりやすく解説

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非爆薬震源

読み方ひばくやくしんげん
【英】: non-dynamite source
同義語: アクアパルス  エアガン  ノン・ダイナマイト法  バイブロサイス  

地震探査波源火薬類用いない方法まとめて呼ぶ俗称である。
火薬類それ以外のものの間に区別がつけにくいこともあって範囲は明確ではない。地震探査波源としては、陸域海域問わず火薬類、それも主にダイナマイト用いることが最も多かった。現在でも陸域ではダイナマイトではないにせよ、爆発物例え硝酸アンモニウム用いているものが多い。この最大理由は、エネルギー十分に大きくて、鋭いパルス状波形火薬類爆発利用する容易に得られるからである。しかし、エネルギー大きく鋭い波形の波を出すという特色は、逆にいろいろな障害引き起こしている。陸域では地表建造物地面そのもの損傷することがあり、このためには地下数 m 以深に火薬を置かなければならず、これには作孔作業が必要となる。海域では海中生物殺傷するため、水産業重大な影響与える。いずれにしても危険物であるため保安上に心配があり、作業能率高めることができない
非爆薬震源の多くは、このような難点解決するために考え出されたものである。その発震機構から、機械的電気的空気放出放出ガス燃焼大別することができる。これまで開発され実用化されている主要な方法を<表>に示す。
非爆薬震源機械的方法のうち最も単純な方法重錘落下法である。これは名の示すとおり1トン程度重錘3m ぐらいの高さから落とすのであるが、地震探査要求される 1ms(1 秒の 1,000 分の 1 )の精度を保つために工夫こらされている。バイブロサイスVibroseis, Conoco商標)は、単に火薬代替というものではなく他の方法とは異なり、発震波形制御している点に特色がある。つまり、バイブロサイスから出る波形は表のように 10 秒ぐらいも続く振動波形であり、これを用いて記録をとり、発震波形との相互相関をとることで信号波形取り出すというものであるこの方法は発震波形既知であり、しかも制御できるという点で通信理論かなった優れた着想といえる与えた周波数帯域以外の波は受信しない利点がある。主として陸上調査用いられている。電気的方法水中での瞬間放電利用するもので、したがってほとんどが海域調査用いられている。その代表的機種スパーカーである。この方法の特色は、周波数帯域極めて高いことから微細構造解析向いていることである。そのため港湾などの底質調査にはよく用いられる通常の方法では測線直下反射波しか観測できないが、発震、受震ともに指向性持たせ、船の進行と直角方向指向性振らせることで、海底面をある幅で観測することができる。
空気放出というのは、圧縮空気瞬間的に開放しその膨張力を利用する方法で、これも主として海域用いられエア・ガンの名称がある。空気瞬間放出機構には巧妙な工夫なされているが、それらに必要な装置準備してしまえばエネルギー源空気がどこででも入手できるので作業上に大きな利点となり、海域の非爆薬震源としては最も多く用いられている。放出前蓄え空気圧容積および水深によって、発震波形周波数帯域変化する異なったサイズガン異なった周波数特性を持つから、さまざまな容積ユニット同時使用する総合した発震波形制御できるこのように配慮したガン配列をチューンド・アレー(tuned array)と呼ぶこともある。
一方空気代わりにピストン運動によって高速放出するウォーター・ガン最近注目され始めた放出されによって海水中に中空形成され次の瞬間これがつぶれるときに地震波発生するウォーター・ガン長所は、有害な二次的振動原因となる気泡バブル)を生じないことである。空気放出入れるのは不適当だが、圧縮空気あるいは水蒸気容器膨らませ、この状態で容器機械的に支持してから空気抜きその後機械的支持取り去って水圧により容器圧縮し、負のパルスを出すという方法がある。空気放出ガス燃焼生じ繰り返し発展気泡効果)がないことが特色である。(フレキシ・ショック)ガス燃焼法ゴムの袋や特別の容器中にプロパン・ガス酸素混合気体入れ点火栓によってガス燃焼爆発)させ、そのとき容器膨張利用する方法である。膨張熱力学的に行われるため、そのままでは水圧による圧縮膨張繰り返されいわゆる気泡効果があって不都合である。そのため点火排気弁開いて内部ガス空中放出する機構備えている。この方法は陸域でも利用できる地上においた容器の中でガス点火し容器瞬間膨張土地衝撃与えのである
陸域非爆薬震源では、プロパン・ガス酸素供給比較的容易であるので重用されている。この方法の代表的機種はダイノサイス(Dinoseis)である。これらのほかに、火薬による方法近づくものとして、導爆線地表延ばし点火する方法がある。実際に災害防止のため、30 ~ 50cm 埋設する。これは多孔爆破効果をねらうものである海域でも同様に水面下数十 cm導爆線流して点火するまた、海域において混生動物危害加わらない程度少量爆薬を非爆薬震源と同等作業能率用い方法がある。非爆薬震源は、先に述べたように主として災害防止目的したものであったが、実現できた方法エネルギー源供給自動化でき、しかも短時間10 秒~数 10 秒)に供給できるという利点持っているため、1 回あたりの発震エネルギー火薬類及ばないにしても作業能率向上に資するところが大きい。これまでのダイナマイト場合には、火薬庫からの運搬雷管爆破線の装着陸域では作孔と装填海域ではブイ取り付け投入などという人手要する煩雑な作業多かった。非爆薬震源ではこれらがほとんど省略できることで、人員節減通じてコスト低下つながっている。1 回あたりのエネルギーが小さいということは、その限りにおいては欠点であるが、多数回の繰り返し発震の結果加算することで、有効信号強調するとともにランダム雑音減衰できるという利点生んでいる。
これらの多く優位性から、非爆薬震源は今後発展する傾向をみせている。

実際には 5 ~ 50Hz くらいの周波数範囲10 秒くらいの間に出している。

表 非爆薬震源
原理 名称 適地
機械的 バイブロサイス
サンパー重錘落下
陸、海
電気的 スパーカー
SSP

空気放出 エアガン 海、陸
放出 ウォーターガン
ガス燃焼 ダイノサイス
アクアパルス
陸、海



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