Valse As-Dur Op.42 CT211とは? わかりやすく解説

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ショパン:ワルツ 第5番 変イ長調

英語表記/番号出版情報
ショパンワルツ 第5番 変イ長調Valse As-Dur Op.42 CT211作曲年1840年  出版年1840年  初版出版地/出版社Leipzig, Paris, London 

作品解説

2010年1月 執筆者: 安川 智子

楽譜所収情報
 パデレフスキ版No. 5エキエル版No. 5コルトー版:No. 5ヘンレ版:No. 5ペータース版(原典版):No. 5
 
 ショパン円熟期ともいえる1840年作曲された。すでに公開演奏会の場から距離を置いていたショパンは、1840年前後とりわけライプツィヒブライトコプフ・ウント・ヘルテル社頻繁に出版交渉行っている。1839年12月14日には、「グランド・ソナタ1曲、スケルツォ1曲、バラード1曲、ポロネーズ2曲、マズルカ4曲、ノクターン2曲、アンプロンプチュ1曲」を1曲につき500フランで売る交渉行っている。実際1839年から40年にかけてのショパン制作意欲並々ならぬものがあった。念願の《24のプレリュード》を完成させてブライトコプフから出版したことが、大きな自信となっていたのかもしれない変イ長調ワルツ作品42)は、1840年6月パリのパシニ社から曲集の中の1曲として収録出版されるが、ショパンはこの校正刷りブライトコプフ送り出版促している(1840年6月18日)。
パリ公の場から、ドイツでの楽譜出版へと活動の軸を移した背景には、ショパン自身心境の変化もあったであろう。「サロン音楽」というカテゴリーは、1830年代半ばからフランスで認識されるようになり、ショパンのワルツはまさにその典型考えられていた。「華やかさ」を求めフランス出版社が、ショパン意図しないbrillante華麗なる)」という修飾句をつけて出版していたことがその証明である(作品18作品34)。しかしシューマン述べているように、ドイツにおいてサロン音楽とは、従来会話付随物でしかなかった。彼はこのショパンのワルツ作品42)が「もっとも高貴な種類サロン楽曲である」と批評することで、逆にサロン音楽地位引き上げたのである
トリルによる8小節導入の後始まるワルツ主題Aは、右手担当する旋律部が二声で書かれている外声2拍子をもって優雅な旋律奏で内声半音程を巧みに用いることで曖昧な調性感覚生み出している。41小節目から現れる第2の主題Bはアルペジョ用いた走句からなり、間に様々なエピソード挟みながら4回繰り返されるその後再び主題Aが現れ、3小節準備伴ってコーダへと連なる。この長大コーダ主題Bを中心にそれまで現れエピソード主題Aの動機発展させて作られている。主題Aがもつ多声感覚2拍子3拍子リズムのずれ、また半音程が生み出す独特の和声コーダ部に見られる動機の展開技術は、ショパン熟練した技法存分に示しており、ワルツ単なる飾り物でないとするシューマン言葉裏付けている。




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