Th2細胞
Th2細胞
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/30 10:03 UTC 版)
Th2細胞(ティーエイチ2さいぼう、英: Th2 Cell)は、CD4+T細胞(いわゆるヘルパーT細胞)の亜群であり、抗原タンパク質との接触経歴を持たないT細胞(ナイーブT細胞)がインターロイキン-4(IL-4)やIL-13などのサイトカインの刺激を受けることによりTh2細胞への分化が誘導される。T細胞をはじめとした免疫系の細胞はサイトカイン産生能を有しているがTh2細胞により産生されるIL-4をはじめとしたサイトカインは特にTh2サイトカインと呼ばれ、B細胞から分化した形質細胞による抗体タンパク質産生の亢進や顆粒球の一種である好酸球などの細胞を活性化することによりアレルギー性疾患の機構に関与していることが知られている。Th2サイトカインはTh2細胞の他にもナチュラルキラー細胞(NK細胞)や好酸球、マスト細胞などの細胞により産生される。Th2細胞と同様にナイーブT細胞から分化するTh1細胞はインターフェロンγ(IFN-γ)などのいわゆるTh1サイトカインを産生し、Th1細胞とTh2細胞は互いの機能を抑制しあっている。この平衡関係はTh1/Th2バランスと称され、このバランスがどちらかに傾くことによりそれぞれに特有の疾患が生じると考えられている。
- ^ Ouyang W, Lohning M, Gao Z, Assenmacher M, Ranganath S, Radbruch A, Murphy KM.(2000)"STAT6-independent GATA-3 autoactivation directs IL-4 independent Th2 development and commitment."Immunity 12,227-37. PMID 10661403
- ^ Usui T, Nishikomori R, Kitani A, Strober W.(2003)"GATA-3 suppresses Th1 development by downregulation of Stat4 and not through effects on IL-12Rbeta2 chain or T-bet."Immunity. 18,415-28. PMID 12648458
- 1 Th2細胞とは
- 2 Th2細胞の概要
- 3 参考文献
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