Suite A-Dur BWV 824とは? わかりやすく解説

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バッハ:組曲 イ長調

英語表記/番号出版情報
バッハ組曲 イ長調Suite A-Dur BWV 824

作品概要

楽章・曲名 演奏時間 譜例
1 アルマンド Allemande3分20 No Image
2 クーラント Courante2分20 No Image
3 ジーグ Gigue2分50 No Image

作品解説

2008年4月 執筆者: 朝山 奈津子

 《ウィルヘルム・フリーデマン・バッハのための音楽帖》に記されている組曲断片であるが、G. Ph. テレマンの作であることが判っている。様式違いからJ. S. バッハの作と見間違うことはないが、明澄愛らしく収まり良い小品である。
 アルマンド階段状に下行する動機連なりによって構成されるこうした音型はオルガン、とくにペダル声部特有の語法だが、現代ピアノにおいても一定の効果上げる。保続される音と変化していく音によって、擬似的な多声が生まれ片手の単旋律だけでも遠近感演出されるからである。ただし、和声感や動機の展開の点ではJ. S. バッハ風の音楽に聞こえなくもないが、バッハ組曲においてこうした単純な書法を「アルマンド」に用いることはほとんどない
 続くクーラント同様の動機用いられている。一貫して2声が保たれるが、右手と左手役割分担、すなわち旋律伴奏明確に分かれ、左の手動機展開がほとんど委ねられない点で、やはりJ. S. バッハ作品典型とは異なっている。
 アルマンドクーラント動機の上明らかに関連がある。後続楽章でこの組曲どのような経過を辿るのかは知る由もないが、少なくともジーグはまったく違う内容持っている。そしてこの楽章だけは、あらゆる点でバッハジーグとは異なる。まず、対位法的な展開がきわめて不十分である。冒頭こそ模倣的に始まるが、すぐに和音旋律によるホモフォニーとなり、声部書法維持されないまた、三和音連打連続するような楽句は、バッハがどんな曲でもほとんど用いることがなかったような音型である。加えて各部和声進行がひじょうに単純で、和声リズムが遅い。とはいえ、8分の6の明確なジーグリズムと、鍵盤の幅いっぱいダイナミックに上行・下行する旋律予測理解も容易であり、親しみやすさに溢れている。

 なお、テレマンは、作曲職人仕事と見なされていたバロック時代においてさえ超人的な多作家だった。そのため、現代でもまだ、その創作全容が完全に明らかになったとはいえない。
 テレマン当時バッハよりも優れた音楽家だと評価されていた。ライプツィヒのトマスカントル選任は、1位のテレマン(および2位グラウプナー)が辞退したために、3位J. S. バッハ繰り下げられたのだった。その作風は、この組曲にも表れているように、J. S. バッハとは明らかに異なっている。




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