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サイレン
[二] 1 [siren] 穴の開いた円板を回転させて音を出す装置。時報・警報・信号などに用いる。号笛。
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SIREN
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2012/01/27 08:25 UTC 版)
| ジャンル | アクション・アドベンチャー ホラー ステルス |
|---|---|
| 対応機種 | プレイステーション2 |
| 開発元 | ソニー・コンピュータエンタテインメント |
| 発売元 | ソニー・コンピュータエンタテインメント |
| 人数 | 1人 |
| メディア | DVD-ROM1枚 |
| 発売日 | |
| 価格 | 6090円(税込) Best版は2800円→1800円(税込) |
| 対象年齢 | CERO: 15歳以上対象 PEGI: 16+ ESRB: Mature |
| 売上本数 | 約18万本[要出典] |
『SIREN』(サイレン)はソニー・コンピュータエンタテインメント(SCEI)が開発及び発売したプレイステーション2用のホラーゲームである。
2006年2月9日には続編の『SIREN2』が発売された。その2をベースにした映画『サイレン 〜FORBIDDEN SIREN〜』が、堤幸彦監督により、市川由衣を主人公に田中直樹・阿部寛・森本レオらが出演して、2006年2月11日東宝洋画系公開。また、ゲーム・映画のアナザーワールドとして漫画版『サイレン 〜ETERNAL SIREN〜』がある。
2008年7月24日、PS3で第3作『SIREN:New Translation』が発売された。
ヨーロッパでの名称は「Forbidden Siren」。
目次 |
概要
SIRENは昭和78年(作中では「昭和」の年号が続いている設定である)の日本を舞台に、土着的・民俗的なモチーフを題材とした3Dアクションホラーゲームである(パッケージには「ジャパンダークサイドモダンホラー」と明記されている)。一種のテレパシーのように敵が見ている映像を盗み見る、「視界ジャック」というシステムを特徴としている。ストーリーやビジュアルには、和製ホラーのドラマや映画からの影響が数多く見られる。
難解なストーリー構成や謎をあえて残したまま終わるエンディング、また近年の和製ゲームの中でも群を抜いた難易度などは賛否両論あるものの、ホラーゲームには珍しい日本的テーマや独特のストーリー、挑戦的なシステムなどから一部で熱狂的な人気を集めた。
ゲームの特徴
本作では、日本を舞台に戦闘に慣れていないキャラクター達が、後述の「視界ジャック」を駆使して敵から身を隠しながらシナリオを進めていく。敵を倒さなければならない状況でも、使用できる武器は基本的に、鉄パイプやバールなどの日用品である。銃器なども警察官の持つ拳銃や村田銃など、日本でも手に入れることができるものに限られる。さらには、武器すら手に入らないキャラクターも多く、戦闘を回避せざるをえない状況が少なくない。
シナリオの攻略には、本作品の敵が倒してもしばらくするとその場で復活すること、および、キャラクターが走り続けていると次第に息を切らし移動速度を落としてしまうことを考慮しなければならず、敵を力業で全滅させながら進む、といった方法が許されない。
これらは、『バイオハザード』シリーズが確立したような、アメリカなどの西欧を舞台に、銃火器の扱いに慣れた重装備の主人公らが、ゾンビなどの敵を殲滅しながら物語を進めていく形式の3Dホラーゲームとは対照的である。
シナリオ全体は、複数のキャラクターが時間・場所を違えながら進んでいく。それぞれがとった行動が、他のシナリオやプレイ難易度に影響を与えることもある。
視界ジャック
本作を進める上で欠かせない視界ジャックは、一時的に他人の視覚と聴覚を盗用する能力である。主人公達は、視界ジャックを駆使して敵との戦闘を回避したり攻略のヒントを得たりする。視界ジャックの際、画面にはキャラクターの視界と、盗用した相手の視界が映し出される。
視界ジャックでは、まず、キャラクターが目を閉じ、視覚と聴覚を盗む対象をサーチする。サーチしている間は、画面上にノイズ(スノーノイズ)が映し出されるが、ジャック対象を確保すれば、その視界が映し出され、スピーカーからはその対象が聞いている音声が流れてくる。ジャック中は、画面上に(つまりは、ジャック対象の視界に)、キャラクター自身の位置が十字マーク(自身は青、同伴の仲間は緑)で表示される。視界ジャックを終えた後でも、最後にジャックした敵の位置は、赤い十字マークで(キャラクター側の視界に)しばらく表示される。これらのマークは壁などに隔たれていても見える。
視界ジャックが攻略上欠かせないのは、地図上にキャラクターおよび敵の位置が表示されず、また、キャラクターからの視界が数歩程度に短く周囲の状況を察知しづらいからである。そのため、視界ジャックにより、敵の位置とその行動パターンを把握することが必要となる。それ以外に、攻略上必要なアイテムを隠す敵の視覚や、攻略のヒントをつぶやく敵の聴覚を盗む必要もある。本作の敵は、キャラクターを発見したとたんに襲い掛かってくるため、視界ジャックをおこなわない場合、このようなアイテムやヒントを収集できない。
ジャックした敵の視界は、キャラクターの視界よりも遠くまで見渡せるようになっている。また、その鮮明度は、キャラクターと敵との距離や、視界ジャック能力の高さ、半屍人化の進行度等によって異なるようである。
視界ジャックは、同行するキャラクターにもおこなえ、登場人物の一人が犬の視界をジャックして活動している場面なども見られる。
映像的特徴
映像は、メニュー画面を除き、すべてフル3Dポリゴンで構築されている。ゲーム中に登場する各3Dポリゴンキャラクターは、実在の俳優を基に作られており、キャラクターの体型および顔のテクスチャが俳優から再現されている。また、キャラクターの声も同一の人物があてている。ただし、メニュー画面に表示されるキャラクターの顔は、3Dモデルのものではなく、モデルとなった俳優の実写真である。
顔の表情は、口やまぶたのポリゴンを動かして付けているのではなく、豊富なテクスチャパターンをフェードインするように切り替えて付けている。このテクスチャとして取り込まれた実物の人間の顔は、3Dゲームにありがちな左右対称の完全に整った顔立ちとはまた趣の違う(実際の人間の顔は万人みな左右非対称である)、生々しく写実的な雰囲気を生み出しており、特に暗い場面などの視認性の悪い状況では、実写映画と錯覚させるほどである。
シリーズ別の特徴
SIRENとSIREN2のゲームシステムはほぼ同じだが、事件が起こった舞台は違っている。本作の舞台である羽生蛇村は陸の孤島である地方の村で、モデルは埼玉県秩父郡のある廃村[1][2]。また、SIREN2の舞台である夜見島は絶海の孤島であり、モデルは軍艦島。
影響を受けた作品
全体的な世界観をシリーズ共にクトゥルフ神話から影響を受けており[3][4]元凶となった異形の神と「上位の神」の存在や関係性など設定も近い。伊藤潤二の短編漫画に『サイレンの村』という作品があり、設定も酷似している。また、小野不由美の小説『屍鬼』や諸星大二郎らの漫画作品などの影響を色濃く受けている。SIREN・SIREN2共に100個設定されたアーカイブ(作品世界を理解するための資料)が作品世界の現実感を演出している点や、ゲームに登場する人物・事件を扱ったWebサイトを実際に立ち上げるなどの演出は『ブレア・ウィッチ・プロジェクト』の影響が伺える。音楽や題材は映画『八つ墓村』(1977年野村芳太郎監督版)の雰囲気も醸されており、他にも『呪怨』(清水崇)、『仄暗い水の底から』(鈴木光司)などと言った日本のホラー映画の影響が随所に見られ、「日本的なホラー」をゲームにおいて踏襲しようと言う意気込みが感じられる。 .
キャッチコピー
どうあがいても、絶望。
あらすじ
三方を山に囲まれ、外界との接触を拒むかのように存在する内陸の寒村羽生蛇村。独特の土着信仰や伝承を持つこの村が物語の舞台となる。
1976年8月2日深夜。大規模な土砂災害が発生し、村に甚大な被害をもたらす。
災害から27年後、2003年。夏休みを利用し、村に関する都市伝説を確かめるべく東京からやってきた高校生や、自らの学説を裏付ける為に村の秘祭の調査をしにきた民俗学者、テレビ番組の取材でやってきたTVレポーターらが村を訪れる。
そんな中で、羽生蛇村では長らく行われずにいた“秘祭”が、27年の歳月を経て再び始まろうとしていた。
8月3日午前0時、村の四方を囲うように出現した赤い海からサイレンの音が鳴り響き、羽生蛇村は外界から隔離された異界と化す。異界化に伴って現れる異形、赤い水の影響によって人が変貌した存在「屍人」。人々は状況的に、そして精神的に追い詰められながらも、人として生きるために絶望的な戦いに身を投じていく。これは人でありたいと願い、人として生きたいと祈る人々の群像劇である。
注意:以降の記述で物語・作品・登場人物に関する核心部分が明かされています。免責事項もお読みください。
登場人物
※印のついている人物は操作できるキャラクターである。
本編の登場人物
- 須田恭也(すだ きょうや)[5](演:篠田光亮) 男/16歳/高校生 ※
- 本作のメイン主人公。中野坂上高等学校[6]所属の高校2年生。1986年7月26日生まれ。オカルト好きで好奇心旺盛なごく普通の少年。通称SDK[7]。羽生蛇村で起こった“一人の村民による全住民の大虐殺”という衝撃的な事件の噂に惹かれ、夏休みを利用して羽生蛇村を訪れる。羽生蛇村付近の山中でマウンテンバイクがパンクして彷徨っていたところ、村で行われていた怪しげな儀式を偶然目撃、異変に巻き込まれた。
- 異変の直後に石田徹雄に撃たれたが、赤い水の力で一命を取り留め、怪異の中出会った盲目の少女・神代美耶子とともに、村からの脱出を目指す。途中、美耶子の血を体内に取り込んだため、神代の血族に受け継がれてきた堕辰子(だたつし)の呪いを引き受けて不死身となる。神代淳によって美耶子と引き離され、安野依子と共に屍人の巣に潜入する。儀式の遂行により肉体を失った美耶子と「全てを終わらせる」約束を交わし、霊体となった彼女の導きと宇理炎(うりえん)と呼ばれる神の武器を用いて呪いの根源である「堕辰子(だたつし)」を倒す。その後、愛用のウォークマンに繋いだ赤いヘッドホンから流れるハードロックを聴きながら、完全武装で羽生蛇村の屍人を殲滅する[8]が、現実世界に帰還することは叶わず、屍人を狩り続けながら、美耶子の霊と共に長く異界を彷徨った後、続編『SIREN2』の舞台・夜見島に召喚されることになる。
- 神代美耶子(かじろ みやこ)[9](演:岡本奈月) 女/14歳/神の花嫁
- 本作のヒロイン。羽生蛇村の旧家・神代家の末娘。村で数十年に一度行われる秘儀の生贄”神の花嫁”として育てられる。そのため役所や警察など公的機関の干渉を一切受けず、戸籍すら持たない特異な存在である。離れに軟禁され、世話係以外との接触を絶たれた環境で育ったせいか、かなりの世間知らずで、初対面の恭也を「お前」と呼ぶなど誰に対してもぞんざいな口調で話す。生まれつき盲目であるためか、神代家の中でも強い幻視の力を持っている。
- 儀式に必要な堕辰子の首を壊したため村に異変が起こることになる。盲導犬ケルブ[10]の存在により、視力のハンデを感じさせないフットワークをみせるが、ケルブは美耶子を庇って命を落とす。村人に対する根強い不信感からか、異変後は余所者である恭也と行動をともにし、深い信頼関係を築く。彼女の血には不死の力があり、脱出行の過程で恭也の屍人化を食い止めるため、自らの血を分け与えた。自身を狙っていた神代淳によって須田と引き離された上に、八尾に捕まり儀式の生贄に捧げられてしまうが、霊体となって堕辰子との決戦に挑む恭也を導いた。その後も恭也の傍に寄り添い、異界を彷徨う彼の力となった。
- 竹内多聞(たけうち たもん)[11](演:舘正貴/幼少期:外山朔弥[12](声:奥澤惇)) 男/34歳/民俗学者 ※
- 城聖大学に勤務する民俗学講師[13]。1969年2月14日生まれ。専門は民俗学だが、考古学から宗教学、果ては神話やオカルトの類にまで興味を示し、その前衛的過ぎる理論から、学会では異端児扱いされている。羽生蛇村の調査中、突如異変に巻き込まれるが、事態を予測していたのか拳銃を用意していた(入手ルートは不明)。強引に付いてきた教え子の安野依子とともに脱出をはかる。
- 羽生蛇村の出身で、村の郷土史家、竹内臣人の息子。27年前の土砂災害によって両親を亡くしている。異変の際に突入した屍人の巣で、美耶子の血を取り込んでいた須田の血液が微量に体内へ入ったために、屍人化の進行が中途半端な形で食い止められ屍人と人間の曖昧な状態(とは言っても外見は殆ど健常時と変わらない状態)となってしまう。
- ダムが爆破された事によって開放された両親と共に涙を流しながら再会を喜んでいたが、突如現れた依子に親を目の前で殴り倒され「家族ごっこしてる場合じゃない」と叱咤されて大きなショックを受けていた(前述の通り半分屍人化しているので屍人である両親の姿は人間に見え、逆に人間である依子は怪物に見えていた)。その後、依子とともに異界に取り残されるが、その後の詳細は不明。
- 安野依子(あんの よりこ)(演:水野雅美) 女/22歳/大学生
- 城聖大学の4年生。1981年6月25日生まれ。東京都品川区在住。竹内多聞を慕っており、半ば強引に竹内の調査に同行して異変に巻き込まれた。
- アーカイブNo.033の大学ノートに記された落書きや、「昔読んだ漫画」を応用して屍人の巣から脱出を図る描写などから、多分にオタク的思考の持ち主であることが示唆されている。
- 屍人化した志村晃に撃たれ致命傷を負うが、宮田の手により須田の(既に神代の血が混じっている)血を輸血されて屍人化を免れ、須田同様、神代の呪いを受けて不死となった。須田と共に屍人の巣に潜入し、人でなくなった両親に縋る竹内の目を覚まさせようとするが、ともに異界に取り残されてしまった。竹内同様、その後の詳細は不明。
- 牧野慶(まきの けい)(演:満田伸明) 男/27歳/求導師 ※
- 羽生蛇村の教会の主。”求導師(きゅうどうし)”と呼ばれる眞魚教(まなきょう)の祭司。立場上、村人から尊敬と信頼を寄せられているが、本人はそのことを重荷に感じており、求導女(きゅうどうめ)の八尾比沙子に縋っている。儀式を執り行っていた最中、異変に巻き込まれた。
- 本名は吉村孝昭(よしむら たかあき)[14]。外伝「羽生蛇村異聞」の第五話の主人公の一人。27年前に異界に取り込まれたが、因果律によって双子の弟・克昭(後の宮田司郎)とともに現世に戻され、そのとき彼を発見した牧野怜治に連れ去られ、牧野家の養子として育てられる。養父である牧野怜治が儀式の失敗を苦に自殺、後を継いで求導師となった。彼には神代美耶子(先代)の"声"が聞こえているが、拒絶し、八尾に縋っている。気弱な性格のため、武器を取って屍人と戦うことが出来ず、方々を逃げ回っていた。屍人の巣中央交差点までたどり着いて宮田と対峙し、兄弟として互いの思いを吐露したのち、宮田に射殺された。生前、竹内と同様に須田を介して中途半端に血の呪いを受けていたため、その後原形をとどめぬ「肉塊」として復活するという、謎めいた結末を迎える。
- 宮田司郎(みやた しろう)[15](演:満田伸明) 男/27歳/医師 ※
- 羽生蛇村の医者。1976年6月13日生まれ。表向きは医者であるが、村の暗部を担う人間であり、儀式の弊害になる人間を秘密裏に始末する役割を課せられてきたせいか、どこか人間的な感情が欠落しており、怪異の中にあっても醒めた反応を見せることが多い。
- 本名は吉村克昭(よしむら かつあき)[16]。外伝「羽生蛇村異聞」の第五話の主人公の一人。27年前に異界に取り込まれたが、因果律によって双子の兄・孝昭(後の牧野慶)とともに現世に戻され、そのとき彼を発見した宮田涼子に連れ去られ、宮田家の養子として育てられる。求導師として村からの期待を一心に受けている兄に対し、強いコンプレックスを抱いている。彼には神代美耶子(先代)の"声"が聞こえており、兄と違って縋る対象もいない彼は拒絶しきれずに苦しんでいる。異変の前日、恋人である恩田美奈と口論になり、兄に対するコンプレックスに触れられて激昂、衝動的に美奈を絞殺。村外れの森で美奈の遺体を埋めていた最中に異変に巻き込まれる。中央交差点で、牧野に積年の思いを吐露し、牧野を射殺。牧野の服を奪い“求導師”となった宮田は、美耶子(先代)の声に導かれ、須田に、美耶子(先代)から託された神の武器・宇理炎の片割れを渡したのち、ダムを爆破して屍人ノ巣を破壊する。長年、ダムの底で苦しみ続けてきた人々に憐憫の念を寄せた宮田は、自らの命を糧に美耶子から受け取っていたもう一つの宇理炎を使って引導を渡し、“真の求導師”となった。
- 恩田理沙(おんだ りさ)(演:児玉啓) 女/21歳/家事手伝い ※
- 羽生蛇村出身の女性。東京都中野区在住。中学校卒業後、集団就職で一度上京し、スーパーのレジ係として働くも周囲になじめず、さらにはキャッチセールスの被害に遭って、傷心のまま村に帰る。村の診療所で働く双子の姉・美奈に会おうとして異変に巻き込まれた。
- 姉を殺害した犯人である宮田に出会い、何も知らないまま行動を共にすることとなる。病院で、既に屍人となっていた美奈と再会し、意識が同調する。意識が同調した状態で宮田に迫るも、逆に首を絞められ絶命。絶命するとほぼ同時にサイレンが鳴り、すぐに半屍人化する。その後、宮田によって拘束され、解剖されるが、屍人が持つ再生能力によって復活を繰り返す。悲鳴を聞きつけた屍人により拘束から脱出し、海送り・海還りによって頭脳屍人化、姉と共に宮田の前に立ちはだかるが、宮田によって杭打ちされる。
- 四方田春海(よもだ はるみ)[17](演:小南千明) 女/10歳/小学生 ※
- 羽生蛇村の小学4年生。村人の中で赤い水の影響を受けずに幻視が(わずかだが)使える数少ない人間の一人でそのため周囲からの疎外感を持っている。深夜の学校で行事「星を見る会」の準備を手伝っていた際、異変に巻き込まれる。
- 2002年3月3日に落雷事故で両親を亡くしており、それ以来、叔母夫妻の元で暮らしている。異変後、高遠玲子と共に村から脱出しようとするが、高遠と途中ではぐれてしまう。再会したときには高遠はすでに半屍人と化していたが、名越栄治に襲われたとき頭脳屍人と化していた高遠に助けられる。神代美耶子と交流のあった彼女は(神代美耶子に導かれた)須田恭也によって助け出される。異界では一度も傷を負わず、また、押入れの中で過ごした時間が長かった事により、赤い水を摂取する事が無かった為、「どうあがいても絶望」的な状況からただ一人現実世界への生還を遂げ、『SIREN2』に登場する三沢岳明を始めとする自衛隊の災害派遣部隊に救出される。『2』ではアーカイブと三沢の回想シーンで姿と名前のみ登場。
- 高遠玲子(たかとお れいこ)[18](演:細川聖可) 女/29歳/小学校教師 ※
- 羽生蛇村出身の小学校教師。体育大学卒。四方田春海がいるクラスの担任である。学校の行事「星を見る会」の準備をしていた際に、春海とともに異変に遭遇する。
- 過去に海難事故に遭った一人娘・めぐみを救うことができずに死なせてしまい、それがきっかけで離婚しており、出身である村に戻ってきた。春海に死んだ娘を重ねており、この異変から命を賭けて守り通すことを誓う。春海を救うため屍人を巻き込んで爆死し、二日目のサイレンで半屍人として復活してしまう。その後、海送り・海還りによって完全な頭脳屍人となって春海を追っていたが、最終的に名越栄治に襲われて窮地に陥った春海を救うため、名越と共に崩落する瓦礫の下へ落ちていった。この時点で理性は完全に失われていたはずだが、屍人化後も春海に対する感情だけは強烈に残っていたのが窺える(こうして、春海は唯一の生還者となった)。また、ゲーム中での彼女のある行動(木る伝の解放)が、須田が堕辰子を倒す決定打にもなった。
- 前田知子(まえだ ともこ)[19](演:井出杏奈) 女/14歳/中学生 ※
- 羽生蛇村に住む中学2年生。1989年5月11日生まれ。些細なことで両親と喧嘩をして家出を決行、異変に巻き込まれる。
- 両親に無断で日記を読まれ、それに腹を立てて家出していたが、異変に巻き込まれ、異界で牧野慶に出会う。一時行動をともにするが、屍人を前に臆した牧野に見捨てられてしまう。その後、八尾比沙子と出会うが、本来の記憶が戻りかかっている彼女によって屍人の大量にいる廃屋に連れていかれてしまい、一人で教会へたどり着いた頃には既に半屍人と化していた(そのため、道中で屍人たちは知子を見つけても襲い掛かってこない)。教会で身を隠していた両親は血の涙を流す彼女を見て拒絶し、この時点で理性がまだ十分に残っていた知子は何かを察したのか、肩を落としてその場から姿を消してしまう。その後、両親も半屍人化し、廃屋で(須田恭也が屍人を滅ぼすまで)笑い声の絶えない幸せな一家団欒を過ごしていた。彼女が自宅で取る行動は主に床でのお絵かき、机に向かっての勉強である。
- 志村晃(しむら あきら)[20](演:加藤忠男) 男/70歳/猟師 ※
- 羽生蛇村の猟師、初期装備として猟銃を持っている。27年前に妻子を土砂流災害で失い、家族が眠るこの土地から離れられずにいる。村人の中で赤い水の影響を受けずに幻視がわずかに使える人間。70歳とは思えない機敏な動きが可能で、口調は渋い。
- 八尾比沙子が普通の人間でないことに勘付いている数少ない人物(八尾の存在に違和感を覚えたりすると、頭がぼーっとしてうやむやの内に忘れてしまうため、気付いている人間は少ない。これも羽生蛇村の呪いの一つである)。しかし、従兄弟の貴文が八尾の身辺を探ろうとして行方不明になって以来、そのことに関して口を閉ざしていた。異変の中、屍人に襲われていた安野依子を助け、海還りを見た後、自分も化け物になる前に死のうと携帯していた猟銃で自殺するが、結局彼も二日目のサイレンで半屍人として復活してしまう。半屍人化した後、親交のあった竹内臣人の息子・多聞と遭遇、多聞を殺害(屍人化)しようと襲い掛かってきたが、多聞に一時的に倒される。その時点では、多少の会話ができるなど生前の記憶を残していたようだが、海送り・海還りによって羽根屍人化し、生前の記憶を完全に失ってしまった。因みに所持している猟銃とは、東京砲兵工廠の二十二年式村田銃。
- 美浜奈保子(みはま なおこ)(演:小代恵子) 女/28歳[21]/TVレポーター ※
- グラビアアイドル出身のTVレポーター。特技はケーナ演奏[22]。一時は、ドラマ「ハートはドキ土器」に出演するほどの人気があった(しかし処女作から出演経歴の殆どが珍妙なタイトルの作品ばかりである)が、現在ではすっかり下り坂に差し掛かってしまっている。本名は田中奈保子(たなか なおこ)。心霊番組のレポーターとして羽生蛇村の取材に訪れ、異変に巻き込まれる。
- 道中で志村晃から聞いた「永遠に生きる女"八百比丘尼"」の話と小学校の図書室で見つけた民話集の中に記された赤い水と永遠の命との関連性に惹かれ、永遠の若さと美しさを得ようと自ら赤い水に浸かって半屍人化[23]。その後、海送り・海還りによって犬屍人化し、ゴミを漁って生きるという、若さと美しさに執着した彼女にとって皮肉な末路を迎えた。
- 神代亜矢子(かじろ あやこ)(演:松井亜耶) 女/16歳/高校生
- 神代家の長女で美耶子の姉。1986年8月24日生まれ。
- “神の花嫁”として常世へ旅立つ運命にある妹・美耶子に対し、子を成して神代の血筋を繋いでいくことを運命付けられた存在である。自分よりも、妹の美耶子に畏敬の念が集まっていることに劣等感を持ち、許婚の淳までもが美耶子に執着していることに激しく嫉妬している。彼女も美耶子と同様、不死の命を持っているが、妹とは違い何不自由ない生活を送り、普通の人間として育てられたせいか、一族の秘密については何も知らされていない。美耶子曰く「やっぱりね、何も解ってない」。しかし「儀式の際に美耶子が人身御供になる」という事実だけは把握しており、美耶子の死で人々の畏敬を独占することを願っていた。その為美耶子には辛辣な嫌味を言われている。儀式の時に、次の"実"(神代家の子孫)は必要ないと判断した八尾に焼殺された。
- 八尾比沙子(やお ひさこ)[24](演:南りさこ) 女/年齢不明/求導女
- “求導女”と呼ばれる、求導師の補佐役。物語の序盤、負傷した須田恭也を助けた。穏やかな物腰と献身的な態度で、牧野をはじめ多くの村人達の信頼を集めている。
- 684年に、飢饉で死にかけていた彼女は堕辰子の肉を口にしたことで不死の呪いを受けた。このとき堕辰子の肉を口にした村人は比沙子を含め三人いたが、生き残ったのは比沙子一人であった。これは当時、彼女が妊婦であったためといわれる。その後は贖罪のために独り、悠久の時を生きてきた。この事件の事実上の原因(黒幕)である。贖罪を終わらせ、堕辰子に楽園へと導いてもらうべく、自らの直系である神代家から代々娘を贄として捧げ続けてきたため、羽生蛇村の住民はほとんどが彼女の血族である。しかし1300年という人間には長すぎる年月が、彼女自身の正体、贖罪の意義、目的すらを忘れ去らせ、いくつもの別人格が形成されていく。記憶を忘れている間は穏やかな物腰の善良な女性だが、記憶を取り戻した本来の彼女は、儀式の為なら手段を選ばぬ残忍な性格である。一方で思い込みの激しい面もあり、根拠も無いのに「儀式を行えば罪は赦される」という動機だけで行動し、美耶子の消滅を見届けた後、保険を掛ける事も無く亜矢子を焼殺している。この思い込み故に比沙子は「永遠に赦されない」という絶望に気付かず、彼女自身の悲劇を助長している。異変後、負傷した須田恭也を助けるが、徐々に本来の記憶が蘇り、別の時空から現れた自分から堕辰子の首を受け取り、遂に神代美耶子を捕らえて儀式を執り行う。しかし生前の美耶子の血分けによって美耶子の“実”は不完全になっており、復活は失敗してしまう。最後は自分の"実"(自分の不死の力)を捧げることで堕辰子を完全に復活させるが、堕辰子は須田によって倒され、自分は別の時空へ延々と堕辰子の首を届ける存在となってしまった。
- 前田隆信(まえだ たかのぶ)[25](演:外谷勝由) 男/45歳/村役場職員
- 前田真由美(まえだ まゆみ)[26](声:住吉理栄) 女/40歳/主婦
- 前田知子の両親。異変後、知子の身を案じて、村を探し回る。
- 屍人から逃れ、教会にたどり着いた後、屍人化して血の涙を流す実娘の前田知子を見て一度は拒絶するが、自分達のした行動に耐えられなくなり、教会を出た矢先に屍人に襲われ、半屍人化する。その後、知子と共に廃屋で(須田恭也が屍人を滅ぼすまで)一家団欒の生活をしていた。隆信はひっきりなしに、トイレやシャンプー、歩きタバコを繰り返し、真由美は包丁をまな板にたたき付け(本人は料理をしているつもりらしい)、映像の映らないテレビを見ながら、高笑いを上げるようになる。
- 神代淳(かじろ じゅん)(演:土倉有貴) 男/18歳/神代家養子
- 神代亜矢子の許婚。1984年11月29日生まれ。入り婿のため、神代の呪とは無縁である。村の権威・神代家の跡取りであることを鼻にかけ、言動は非常に傲慢で執念深く、無抵抗の人間をいきなり銃撃するなど、サディスティックで卑怯な一面を持ち合わせる。
- 美耶子を我が物にするため、須田と美耶子を引き離すことに成功するが、現れた八尾比沙子に気圧されるままに儀式を手伝う。不完全な復活によって暴走した堕辰子の攻撃を受け、半屍人化する。「いんふぇるの」に現れた須田の前に立ちはだかるが、宇理炎によって滅ぼされた。その後、彼の持っていた焔薙(ほむらなぎ)が須田の手に渡る。
- 石田徹雄(いしだ てつお)[27](演:江戸清仁) 男/享年24/駐在巡査
- 羽生蛇村の駐在所に上司と共に駐在している巡査。無類の酒好きで、村の利き酒大会で優勝して広報に載ったり、濡れ衣であるが飲酒運転致死の疑いをかけられたこともある。村の異変の際、感応しやすい性質であった為、村が異界に取り込まれる前から赤い水の影響を受けて半屍人化していた(定説とされていた「飲酒していた為に屍人化が早まった」は間違い[28])。同じく勤務中だった上司を射殺した後、偶然道端で出会った須田恭也にも銃弾を浴びせた。
- 須田が咄嗟に発進させたトラックに撥ねられるが、すぐにサイレンの影響で息を吹き返して須田を銃撃、落ちていた学生証を拾ってから、羽生蛇食堂で食事をしていた。その後、海送り・海還りによって羽根屍人化し、度々須田の前に立ちはだかるが、生来の酒好きを利用され、感電させられて持っていた拳銃を奪われた。
- 恩田美奈(おんだ みな)(演:児玉啓) 女/享年21/看護師
- 宮田医院に勤務する看護師。恩田理沙の双子の姉。院長である宮田司郎とは恋仲。
- 異変が起こった日は宮田と共に病院に残っていたが、宮田のコンプレックスに触れてしまった為、激昂した宮田に絞殺される。その後、宮田によって蛇ノ首谷の森に埋められるも、赤い水の力で半屍人化。土中から這い出て妹の理沙と宮田を探し(実は宮田はこの時すぐ近くにいたが、後述の理由で気付いていない)、村内をうろつく。臨死状態で半屍人化したため意識がはっきりしておらず、すぐに海に向かわずに病院に向かったり、頭脳屍人化した後、出会った理沙を殺さずに意識を同調させたりと奇妙な行動が見られる。彼女が宮田を攻撃するのは殺された恨みによるものではなく「このすばらしい世界を彼に理解してほしい」という思いによるものである。海送り・海還りによって頭脳屍人化し、理沙と共に宮田の前に立ちはだかるが、坑道内に生き埋めにされた。
- 名越栄治(なごし えいじ)[29](演:金子達) 男/享年55/小学校校長
- 羽生蛇村小学校折部分校の校長。他の同級生と馴染めない四方田春海を思いやり、担任の高遠玲子が「星を見る会」というイベントを立ち上げようと提案した時、参加者生徒が春海一人であるにもかかわらず校庭の深夜使用を許可した、度量の深い先生でもある。本来の性格は温厚であり、持ち前の優しさから多くの生徒や教諭から慕われている。
- 消失事件後すぐに半屍人化、海送り・海還りによって頭脳屍人化し、「春海ちゃんの匂いがするよ〜」と変質者(ロリコン)的な言動を見せながら春海に襲いかかる。後に自身と同じく頭脳屍人化した高遠玲子と共に、奈落へと落ちていった。
- 竹内臣人(たけうち おみと)(演:舘正貴) 男/享年34/郷土史家
- 竹内好子(たけうち よしこ)(演:田中好子[30]) 女/享年31/主婦
- 竹内多聞の両親。父親の臣人は村の歴史と文化、独特の宗教性などを書き記した「竹内伝書[31]」を遺している。27年前の土砂流災害で行方不明となる。
- 27年前に屍人化し、村の外れにあるダムの水底でサイレンの音の誘惑に抗って苦しんでいた。宮田が水門を爆破したため脱出、宇理炎の炎による救いを拒み、息子との再会を果たす。屍人化していない人間には泥まみれのような姿に見えるが、多聞はこの時点ですでに屍人と人間の中間というべき曖昧な状態になっていたため、彼の目には生前の元気な姿で写った。
外伝「羽生蛇村異聞」の登場人物
- 吉川菜美子(よしかわ なみこ) 女/享年11/小学生
- 1976年7月5日に行方不明になった少女で第一話の主人公。嘗て行方不明になった母の足跡を探して合石岳までやって来るが、学校の図書室で借りた本(民話集)の返却を思い出し、引き返す途中で異界に迷い込んでしまう。その後山犬と思しきモノに襲われて坑道の穴に落ち、命を保つよう赤い水を摂取して生き延びるも、赤い水の影響で犬屍人になってしまった。その後穴からの脱出に成功して村へ戻る途中、山道を歩く少女に出会って追いかけるが、少女は穴へと落ちるようスッと消えてしまう。実はその少女は吉川菜美子自身であり、彼女自身が見た謎の山犬は犬屍人化した吉川菜美子である。このことから村の環境は時空が歪んでおり、異界と現世の境が曖昧で時間がループし続けていることが分かる。その後何故か現世に帰還し、民話集を学校に返しに現れた。その様子が後日談の「羽生蛇村小学校の七不思議―帰ってきた少女」で語られることになる。また、第五話でも彼女と思われる人物が現代の宮田医院の地下に幽閉された状態で登場している。
- 神代美耶子(先代) 女/14歳(失踪当時)/神の花嫁(先代)
- 27年前の“神の花嫁”で第二話の主人公。第四話にも登場している。現代の美耶子の母・佐矢子の妹で、美耶子の叔母に当たる人物。黒髪に色白の美少女で、現代の美耶子とは違い盲目ではない。性格も大人しく従順で主体性を持たない。生贄になる為だけに生まれてきた自身の人生に対して絶望していた。儀式の日の当夜、唯一自分に親身に接し心から信頼していた女中の澄子によって神代家から脱出する。脱出路にて志村晃一と出会い、行動を共にする。その時自身が贖うべき“罪”の正体も知る。逃亡の途中で赤い水を大量に体内へ取り込んでいた晃一は途中で半屍人化してしまい、再び独りになるが、直後自らの真の目的を思い出して駆けつけた澄子によって宮田医院の地下で宇理炎と共に厳重に拘束されてしまう。神代の呪いによって死ぬ事も出来ず、27年間拘束され続けたままミイラのようになって生き続け、現世に思念を送り続けた(この心の声は後に宮田司郎と牧野慶に届く事になる)。本編の宮田司郎のシナリオで宇理炎を彼に託す。宮田の手で拘束からは解放されたようだが、その後の消息は不明。
- 志村晃一(しむら こういち) 男/18歳(失踪当時)/不明
- 志村晃の息子で志村貴文の従兄弟甥。第二話・第四話の登場人物。彼自身が直接村の歪みに勘付いていたかは分からないが、自身が傾倒していた貴文に村の秘密を教えられ、求道女への抵抗を行動に移していた。澄子との示し合わせがあったかは不明だが、途中で出会った美耶子(先代)と怪異に巻き込まれた村からの脱出を計る。体内に入り込んだ赤い水が一定量を越えてしまい、途中で半屍人化してしまう。そこで美耶子(先代)に自分を杭で刺して完全な屍人になることを阻止して欲しいと頼む。その後、27年間ずっと屍人になることに抗い続けるため、杭でさされた半屍人のまま時を送る。本編の宮田司郎のシナリオにて杭の刺さったミイラが登場するが、それが彼である。
- 澄子(すみこ) 女/年齢不明/家政婦
- 神代美耶子(先代)に仕える家政婦で第二話・第四話の登場人物。幼い頃から世話をしてきた美耶子の不幸を嘆き、彼女が村から出る手助けをする。
- 彼女の正体は教会の求導女で“永遠に生きる女”八尾比沙子であり、長い時が経ったことによって自分が何者かを忘れ、「忠実な女中・澄子」として生きていた。
- 牧野怜治(まきの れいじ) 男/年齢不明/求導師
- 27年前に儀式を執り行う筈だった先代の求導師。第三話の主人公。第四話にも登場している。晃一が御神体の首を盗み、先代の美耶子が逃亡を図った事で儀式が失敗してしまった事に絶望していた。跡継ぎとなる子供もおらず代替わりに懊悩していたが、妹の宮田涼子と共に、現世に送り返された双子の子供を発見し、涼子の「この子供達をそれぞれの跡継ぎとして育てる」という提案に大分躊躇していたが、結局兄の孝昭を養子「牧野慶」として育てることになる。その後、慶に後事を託し、1988年6月3日に自殺した。小心者でやや卑怯な一面もあり、この性格は孝昭に根強く受け継がれている。
- 宮田涼子(みやた りょうこ) 女/年齢不明[32]/主婦
- 宮田医院の院長夫人で第三話・第五話の登場人物。牧野怜治の実妹でもある。23で宮田家に嫁いで以来子供に恵まれず婚家で苦労していたが、1976年に入って漸く一粒種の司郎を授かり、二度と子供が産めない体になってしまったものの、将来跡取りとなる司郎を溺愛して暮らしていた。儀式の失敗によって司郎が死んでしまい、心に深い傷を負っていた。兄の牧野怜治とともに現世に送り返された双子の子供を発見し、弟の克昭を吉村夫妻から奪い、"司郎"として育てることにする。今までの精神的重圧や息子を亡くしたショックで殆ど気が触れ、司郎(克昭)に尋常ならざる歪んだ愛情を注ぎ、彼の人格形成に大きな影響を与えている。第五話で怜治の葬儀と慶の代替わりが行われていた時は病床に臥せっていたが、その後の末路は不明。
- 吉村俊夫(よしむら としお) 男/享年31/不明
- 吉村郁子(よしむら いくこ) 女/享年26/不明
- 大字波羅宿に暮らす夫婦で、孝昭と克昭の実の両親。第三話の登場人物。27年前、羽生蛇村を襲った災害を逃れ、自家用車で避難を図るが土砂崩れに巻き込まれ行方不明となる。行方知れずだった間の経緯は分からないが、何らかの「意思」によるものか「力」が働いたのか、空間を裂いて双子の息子と共に現世に戻される。俊夫は間もなく息絶え、瀕死の郁子も「凄く、凄く、すべすべして光ってるんです・・・」[33]という謎の一言を残して死亡する。1976年8月4日に夫婦共々遺体となって発見された。
- 志村貴文(しむら たかふみ) 男/享年43/不明
- 志村晃の従兄弟で第四話の主人公。1933年6月18日生まれ。村の暗部について騒ぎ立てたため、旧宮田医院隔離室に精神異常者として幽閉される。羽生蛇村土砂災害の晩、逃走を図り医院の廃病棟に隠れていた所を病院ごと異界に連れ去られてしまう。堪えがたい喉の渇きの中で赤い水を口にし、同時刻に病院内にいた神代美耶子(先代)の視界から、志村晃一の最期から澄子が美耶子を拘束するまでの一部始終を目撃する。しかし、この時点で貴文は半屍人化しており、身を以て村の暗部を体験する。結局人間として病院を脱出することは叶わず、以後の消息は不明。
登場する敵
屍人(しびと)
人が赤い水を体内に吸収し、その状態で死ぬか吸収量が一定を越えるかすると屍人化する。半屍人が流している血の涙は、赤い水と入れ替わりに自分の血を出している生理現象である。そもそも屍人は<神>に近づく経過の途中の形態であり、まずは人としての原型をある程度とどめた半屍人に変容し、海送り・海還りを行うことによって犬屍人・蜘蛛屍人・羽根屍人・頭脳屍人といった完全な屍人へと変化する。最終的には赤い海と一体になり神の一部になる。 屍人化した人間は、いかなる傷を負っても治癒し、再生するため不死身の存在となり、その目には幻想的な風景が見えるようになる。そのため普通の人を見ると、自分たちと同じような素晴らしい世界に招き入れる為に、赤い水を飲ませようとして襲いかかる訳であって、ゾンビなどのように人間を食べる訳でない。ただし屍人からは、人間の方が化物に見えるようである。
屍人の中には、生前の名前が判明しているものがおり、戦闘能力が他の屍人より高いことが多い。作中ではプレイヤーに攻撃されて一時的に「死んだ」屍人は、平伏し御辞儀をした様な状態でダンゴ虫のように丸まって動かなくなり、しばらくすると息を吹き返して立ち上がる。このため、拳銃で撃ち抜こうが、鈍器で頭を叩き割ろうが、心臓を杭で貫こうが、ガレキの下敷きにさせようが、一時的に無力化することはできても完全に抹殺することはできない上、首や筋肉を切断し、解剖しようがどうにかして再生する。「宇理炎」(うりえん)と呼ばれる神器でその身を焼き尽くすのが彼らを消滅させる唯一の方法である。
- 半屍人(はんしびと)
- 赤い水が一定量体内に入った状態によりなる屍人への途中の過程。肌の色が緑色に変色して行き、色が濃いほど屍人化が進んでいることが伺える。自分たちの集落を作っており、野良仕事や大工をしているものもいる。ほとんどの屍人が鎌や金槌、拳銃などの武器を持っており、プレイヤーキャラを見つけると襲いかかってくる。特に狙撃銃を持つ屍人はプレイヤーからは見えないような遠距離から攻撃をしてくる。また、武器を持っていなくても首絞め攻撃をしてくるので注意が必要である。生前の記憶をかすかに残しているため、点かない卓上ライターにあからさまに苛立ったり、生前の事に後悔したりと、ある程度人間らしい感情が残っており、屍人化が進むごとに人間的知性は低下してゆき、ボソボソとなにかを呟きながら徘徊したり、同じことを繰り返したりするようになる。基本的に、屍人化が始まってしまうとそれを防ぐ方法は無く、ある呪いをかけられる事でのみそれを阻止することができる。
- 過去に一部の村人たちは半屍人化した後、他の生き残った村人たちを傷つけないために自ら貯水池に沈み、底で死ぬ事も出来ずにずっと屍人化に抗って苦しみ続けてきたが、宮田によってその苦しみから解放される。
- 犬屍人(いぬしびと)
- 赤い海へ海送りされた半屍人が変異する、いわば屍人の第二段階の一つ。女性だけがこの形態に変異する。這うような姿勢と頭から突き出た触覚が特徴で、頭脳屍人によって制御されて初めて行動することができる。犬のように地面を這うように高速移動する機動力と、家の屋根に軽く飛び上がる跳躍力を持ち合わせているが、扉を開け閉めするなどの知能はすでに失われている。攻撃力が高く、脆い登場人物であれば、2発攻撃を当てられただけで死亡してしまう。
- 蜘蛛屍人(くもしびと)
- 赤い海へ海送りされた半屍人が変異する、いわば屍人の第二段階の一つ。男性だけがこの形態に変異する。四肢を張るように伸ばした姿勢と、逆向きにねじれて複眼の現れた頭部が特徴で、頭脳屍人によって制御されて初めて行動することができる。感覚器が鋭敏で、暗がりでの気配や微かな物音にも鋭く反応し、よじ登って壁や天井を自在に移動できるため、死角から忍び寄って奇襲を仕掛けてくる。しかし手が使えない為、扉の開閉や梯子の上り下りなどが出来ない。特別な屍人を除くと、完全な屍人の中でも復活は早い。
- 羽根屍人(はねしびと)
- 赤い海へ海送りされた半屍人が変異する、いわば屍人の第二段階の一つ。この形態に変容する条件として性別が関係あるのかは不明(ただしゲーム中に敵として登場するのは男性のみ)。甲殻類のような頭部と、背中から生えた鈴虫のような4枚の羽根が特徴。短銃や猟銃で上空から攻撃してくるため、飛び道具を持っていなければ基本的に撃退することはできない。頭部は甲殻類と発達した顎の二種類。
- 頭脳屍人(ずのうしびと、ブレイン)
- 人間狩りを任務とする屍人を束ねる存在で、それぞれ数体の犬屍人・蜘蛛屍人・羽根屍人を統轄する屍人の第二段階の一つ。外観的には他の(完全な)屍人とは違って人間の姿をかろうじて残しているものの、頭部は個体ごとにさまざまな形態に変容しているのが特徴[34]。頭脳屍人が倒されると、その間に犬屍人や蜘蛛屍人、羽根屍人は行動不能に陥る。人間より知性の劣る屍人の中で、頭脳屍人は半屍人と同じく、人間だった頃の記憶をおぼろげに残している者も存在し、生前の言葉をある程度理解し使うことができる者もいる。戦闘能力は他の屍人に比べると劣る(稀に強いものもいる)ため、人間が近づくと全力で逃げ出す者が多い。どのような条件で頭脳屍人になるのかは不明。ゲーム中では「ブレイン」という振り仮名が当てられており、発音するときはそのように呼ぶのが正確なようである。
堕辰子(だたつし)
この世とは異なる別の世界から落ちてきた<神>の一種[35]。かつて羽生蛇村の村民がその肉を喰らったことから、村に呪いが降りかかる事になった。日光を極端に嫌い、わずかに曝されただけで身を焼かれる。そのため堕辰子を迎える場である屍人ノ巣のある一番奥の層には日の光が届かないようにしている。
日に4回聞こえるサイレンの音は堕辰子の鳴き声で、村に溢れる赤い水は堕辰子の血である。堕辰子の首は神の花嫁の儀式を行うための御神体で、冒頭で美耶子に破壊されたが、別の時間から来た比沙子が持ってきたことにより、儀式は再び行われることとなる。美耶子が完全な生け贄になると思われたが、須田に血を分け与えた際に美耶子自身も須田の血を微量取り込んでしまったため儀式は失敗、堕辰子は不完全な復活を遂げ暴走する。その後は牧野(宮田)に屍人ノ巣を破壊されたことで日の光を浴びて瀕死状態となり、"いんふぇるの"へ逃げ出す。そして比沙子が自らの身を捧げたことで完全体へと変貌。須田と激突するが、宇理炎で再び身を焼かれ"木る伝"を宿した焔薙(日本刀)で首を落とされて敗北。その首は比沙子と共に首を必要とする時代へと運ばれることとなる。
備考
ディレクターは外山圭一郎。シナリオライターは佐藤直子。このコンビは『サイレントヒル』を手掛けた。
また、音楽はマニュアルオブエラーズ・アーティスツ所属の、冷水ひとみ・ゲイリー芦屋・松前公高によるもの。
ジャケットの絵は『屍鬼』、スティーブン・キングやディーン・R・クーンツの文藝春秋版でカバー絵を担当している藤田新策が起用されている。
作品の発売前後にプレイステーションの枠で放送されていたTVCMが「子供が怖がる」などの苦情により予定より2日早く放送中止になった。尚、CMは、屍人化した前田知子が両親に呼びかける・理沙が屍人化した美奈と対面するという2パターン放送された。
このゲームは普通にクリアしただけでは謎は解明しない。アーカイブを全て見つけ、関連書籍を全て読むことにより、ようやく窺い知ることが出来る。どちらかというとゲーム内の謎を考察してネット上の掲示板で自分たちの意見をやりとりしながら、自分なりの回答を見つける事の方が重要である[36]。公式ホームページに掲載されているSIRENの外伝「羽生蛇村異聞」で、少しずつ謎を明かしてはいるが、逆に新たな謎が派生することの方が多い。
2作を通してシナリオ中のクリア条件が2つ用意されているのは、それぞれの世界(羽生蛇村・夜見島)の異常性を表したものであり、『SIREN』の羽生蛇村は「永遠にループする世界」の中の僅かな行動の相違、『SIREN2』の夜見島は「無限に連なる平行世界」の可能性として、それぞれシナリオが分岐・変化していくというものである。
『SIREN』は現実世界との融合をはかるため掲示板「オカルトランド」「都市伝説調査隊」などのサイトを開設している。ちなみに「オカルトランド」で須田が書き込んだスレッドの元ネタは2ちゃんねるの掲示板「かなりやばい集落見つけました。」である。
脚注
- ^ 本作の舞台である羽生蛇村の名前のモデルはバミューダトライアングルであるが、埼玉には「羽生(はにゅう)」という地名がある。また、三遊亭圓朝の怪談「真景累ヶ淵(しんけいかさねがふち)」では下総国(しもふさのくに)、羽生村(はにゅうむら)という地名が出てくる。
- ^ 山の斜面にある暮らし,あった暮らし 平成14年春
- ^ 外山圭一郎ツイッター公式アカウントでの発言 [1] [2]
- ^ 羽生蛇村日報 第33報 - 開発者インタビュー(後編)
- ^ 名前の由来は、須田剛一とシナリオライター・佐藤直子が過去に好意を抱いていた男性の名前から。
- ^ これはSIRENの開発当時のSCEJの所在地・中野坂上が元になっている。
- ^ 彼が羽生蛇村へ発つ直前に書き込みをした「オカルトランド」という掲示板で、彼が使っていたハンドルネームであり、SuDa Kyoyaの頭文字を取ったもの。
- ^ このエンディングの通称は「ジェノサイドエンド」。「バッドエンド」とも呼ばれるが、これもシナリオの一部である為、間違った呼び方である。
- ^ 苗字の由来は、シナリオライター・佐藤直子が過去に出会った人物から。
- ^ 名前の由来は、ケルビムの単数形・ケルブから。
- ^ 名前の由来は、竹内文書、竹内宿禰、竹内巨麿、四天王の多聞天から。
- ^ 演じているのは、ディレクター・外山圭一郎の長男。
- ^ 竹内多聞のイメージの基となったのは諸星大二郎の妖怪ハンターシリーズの主人公・稗田礼二郎。
- ^ 由来はおすぎの本名。
- ^ 名前の由来は、田宮二郎から。
- ^ 由来はピーコの本名。
- ^ 名前の由来は、四方晴美から。
- ^ 名前の由来は、かとうれいこから。
- ^ 名前の由来は、『積木くずし』に出演した前田吟と高部知子から。
- ^ 名前の由来は、『マタギ』に出演した西村晃から。
- ^ 彼女の履歴書(アーカイブNo.069)を見ると誕生日が1976年8月23日となっている。これを見る限り2003年8月3日現在で26歳のはずだが、アーカイブNo.061を見ると実年齢は28歳であり、年齢詐称をしていることが分かる。ちなみに彼女の生年月日と演者の生年月日が同じである。
- ^ 演者の小代恵子の愛称が「けーな」である事が由来。
- ^ このシーンの元ネタは諸星大二郎の漫画『暗黒神話』。
- ^ 名前の由来は、『八百比丘尼』。
- ^ 名前の由来は、『積木くずし』に出演した前田吟と原作者・穂積隆信から。
- ^ 名前の由来は、『積木くずし』に出演した前田吟と小川真由美から。
- ^ 名前の由来は、石立鉄男から。
- ^ 羽生蛇村日報 第26報 - アーカイブ大全(No.01〜No.09)
- ^ 名前の由来は、船越英二から。
- ^ 演者は、本作の制作スタッフ。田中好子とは別人。
- ^ 元ネタは竹内文書。
- ^ 異聞第三話より、1976年当時で33歳前後であったと考えられる。
- ^ 堕辰子の形状を想起させるが、真相は不明。
- ^ クチビルゲ、タラコ、触手などのバリエーションがある。深海魚をモデルにしている。海送りの時にくっ付いてきた説がある。
- ^ 名前および姿のモチーフはタツノオトシゴ。
- ^ 制作者側も「自分たちが考えている真相以上の面白い意見があって驚いた」とこぼすほどの異説が存在する。
関連項目
- 人魚
- サイレントヒル
- 伊藤潤二
- 諸星大二郎
- スティーヴン・キング
- 津山事件 - 本作に登場する「××村三十三人殺し」の元ネタ
- 柚楽弥衣 - 本作のイメージソングである「奉神御詠歌」のヴォーカル
- 倍音S - 本作のイメージソングである「奉神御詠歌」のヴォーカル
- ヒミツの花園 - 釈由美子主演のテレビドラマ。第10話のあるシーンにて、本作の刈割ステージのBGMが流れる。
- 銀魂 (アニメ)-第二期第一話の中で本作を元にしたネタがあった。
外部リンク
- SIREN
- SIREN2
- SIREN:New Translation
- 都市伝説調査隊
- オカルトランド掲示板
- SIREN参考の廃村サイト
- Togetter - 「「SILENT HILL」「SIRENシリーズ」ディレクター・外山圭一郎さん自らを語る」
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サイレン
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2011/10/09 17:05 UTC 版)
(SIREN から転送)
サイレン (siren) は大きい音を発する装置の名称である。警笛、号笛、警報等と訳される。名称はギリシャ神話に登場する、航行中の船の乗組員を美声で誘惑、難破させる半人半鳥の精、セイレーンが語源であるとされる。
目次 |
概要
最初サイレンは、装置としてスコットランドの自然哲学者、ジョン・ロビンソンによって発明され、その後1819年にフランスの物理学者であった、カニャール・ド・ラ・トゥールによって改良された。
サイレンは、空襲警報や救急車、パトカー、消防車など警察・消防の諸機関が、人々に注意を促すために大きな音響を発する装置だが、同時に対象以外の人々にも聞こえてしまうリスクを伴う(もっともこれにより、近隣で異変が起きた事を知るのに有効)。サイレンは一般的に2種類あり、空気力学と電気工学を使用したものが存在する。
空気圧を利用して作られた前者は、形式にはあまりとらわれないが楽器分類学にも属するものであり、空気の流れを代わる代わる塞ぐようにして均等に穴をあけた2枚の円板で構成されている。片方の円板を回転させて空気を送り、両方の円板の穴が合った時に空気が通る際に、噴出した空気圧で空気が振動して音が鳴る仕組みである。音の振動数は穴の数に円板が回転した回数をかけた数と等しくなるため、大きな音を出すために穴の数や回転数に工夫が施される。このタイプのサイレンは、音を鳴らすために多くのエネルギーを消費する。
電子を用いて作られた後者は、サイレンの音を特定の音に統合するために、音の振動、変調方式、アンプを回線で合併させたものである。ハウリング音、のこぎり・鐘状の波形の音、蜂の飛ぶような音(アメリカのサイレンアンプではhi-lo、weil、yelp、yeow、piacingと表示されている)などがサイレンの音として選ばれる場合がある。主にこうしたタイプのサイレンには、トランペットスピーカーが使用される。
用途
以前は音の振動数を測定する機械として利用されていたが、今日においては警報、警笛、信号音の一つの形態として、または音波集塵機械としても利用されている。
交通においては、パトロールカーや消防車など緊急自動車の緊急走行の際に、赤色灯を点滅させるとともに「ウー」という音のサイレンを鳴らしながら走行する規定になっている。例外は救急車のサイレンで、「ウー」音は赤信号の通過時に鳴らすことがある程度。「ピーポー」音は傷病者保護のために特別に認められたもので、サイレンではないと定義されている。
電子的なサイレンは、前方車両に道を空けて自由に通れるよう促す車のクラクションに適しており、空気圧を利用したものは、交差点を通過したり迂回してくる車両から保護するといった点で有利である。消防車は、電子サイレンアンプの故障に備えて、直流モーターで鳴らすモーターサイレンも必ず搭載している。
日本の緊急車両においては、警察・消防・救急共に当初はモーターサイレンを利用していた。消防と救急はゆっくり目で空襲警報に近かった。1960年代前半に緊急自動車が普及したと共に、電子式サイレンの開発により、消防ではモーターサイレンを残しながら緊急走行に合ったモードを取り入れ、救急は「ピーポーサイレン」に変わった。警察も1970年代に電子式サイレンに「ド・ラ サイレン」という音階の電子サイレンと、消防のモーターサイレンの回転数で吹鳴し緊急走行をしていた。その後パナソニックが筒に合う円柱を落として鳴らす「ウー」サイレンを電子サイレンとして開発(柳沢慎吾がモノマネするサイレン音がパナソニックのサイレン音である)。中高音をハッキリさせた音のため、今では主に交通部が使用している。その後、パトライトが音が高くなった段階で「ピー」に近く音で伸ばしたサイレン音の電子サイレンを開発し、主に覆面車に採用されている。
現在地域部が採用している電子式サイレン音はパトライト社で、増幅器を用いて低く吹鳴した音階部分をさらに大きくし、高く吹鳴となったとき普通の音に戻して「ウー」(「プゥー」に近い音階)の音階で吹鳴する電子式サイレンを使用している。鳴り始めが音量の大きい低音になることで周囲の人に威圧感を与え、危険な状況であることを認識させやすくなっている。警ら中に突発的事件事故に遭遇する地域部には、最適なサイレンの音階・吹鳴である。
モーターサイレンは空気圧の楽器装置であるために、空気圧を作る円盤の回転数に比例し、回転を速くしたなら重なった穴から出てくる空気が細く出て高い音になる(高い音は遠くまで聞こえる)。逆に回転を遅めにし重なった穴から出てくる空気が太いならサイレン装置の空気を振動させやすく低い音になる(低い音は音が大きく、お年寄りにもはっきりと聞こえる)。この特徴を活かして消防・救急ではモーターサイレンの音階を電子サイレンパターンとして取り入れ、患者負担を減らす為に開発した電子式「ピーポー」サイレンとは別に、交通安全や緊急通行に利用している(消防のモーターサイレン型の電子式サイレンは中低音で増幅器を付けてボリュームを上げ、高音でも響きを付け吹鳴している。警察では高音部はピーという音に変わる)。
アメリカ警察や日本の白バイのサイレンはまた異なって聞こえるが、日本より交通量が多く法定速度も速いアメリカの警察や、他車両をぬって走行する白バイには、特定車両以外の車両にも緊急自動車が近付いて来ることを認識させる必要がある。このために高くまで音階が出るよう回転速度を上げたモーターサイレンのパターンを、電子式サイレンに変換したものを使用している。
電子式サイレンはモーターサイレンのように円盤を回転させて音を出すわけではない為、実際のモーターサイレン機構の何十倍も回転させた音階のサイレンを作り、加工する事ができる。アメリカ警察のウエルプなどは高くまで吹鳴音階を作り、鳴り始めの部分を繰り返して鳴りやまない音と認識させ、注意喚起を行っている。このようにアメリカなどの外国では、サイレンの鳴り始めや、吹鳴から一番高い音階などを選び取り出したバージョンを電子式サイレンで用いている。
日本の非常事態宣言時のサイレンは、インベーダーゲームのように響きや余韻を強調した中低音の電子式サイレンである。自治体の防災無線のサイレンはモーターサイレンや、電子式サイレンの「ウー」の中低音や強い音圧で作られているサイレンがある。
また楽器として曲中にも使用されることがある。フランスの作曲家、エドガー・ヴァレーズが作曲した「ハイパープリズム(1924年)」、「イオニザシオン(1931年)」、「ポエム・エレクトロニク(1958年)」が有名。また、ショスタコーヴィチの交響曲第2番やヒンデミットの室内音楽第1番にも使用されている。また、12台の音程の異なる空気圧式サイレンをMIDIをトリガとしてH8プロセッサとDACで円盤の回転数(周波数)と送風量に変換して制御し、音楽を奏でるという試みが個人によって行われ、現在ニコニコ動画に動画が数本アップロードされている。
日本では、報時業務に用いられた都市が多い。東京では、1929年から午砲に代えて、市内各所に設置した号笛所からサイレンによる報時を行っていた。似た用途として、工場などでの始業時間や正午、終業時間が到来すると、「ウー」とサイレンを鳴らすところが多い。
阪神甲子園球場での高校野球大会(春・夏とも)では、プレイボールとゲームセットに長吹鳴の、また試合直前のシートノック(守備練習)許可・終了命令に短吹鳴の「ウー」音(「アー」だという異説あり)が鳴らされる。
その他、終戦記念・大災害発生日などの黙祷時や、ダム放流のお知らせ、津波警報などでよく鳴らされる。
現在では、防犯用に小さな電子サイレンが使用される傾向がある。また防災用やサイレンのついたメガホンなど、多目的で使用される。
誤用
日本に於いては、緊急自動車が緊急走行を行なう際に鳴らすサイレン音を耳にする機会が圧倒的に多いため、緊急走行時同時に点灯する赤色回転灯と混同されて回転灯を「サイレン灯」「サイレンを点灯させて……」などと誤記するケースや、サイレン音が回転灯の反射鏡の回転によって発せられる音であると誤解されるケースがしばしば見られる。
関連項目
外部リンク
- 阪国電機株式会社(各種モーターサイレン)
- 株式会社大阪サイレン製作所(緊急車両用 電子サイレン)
固有名詞の分類
- iriver、「SIREN」ブランド製品の日本国内独占営業権を取得Phile-web
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