領域
【英】area, region
領域とは、コンピューターが何らかの処理をする際、その処理の及ぶ範囲として選択される区画のことである。
コンピューターにおける資源(リソース)の中には、メモリーやハードディスクなど、仮想的に区画分けすることが可能なものがある。それらについて、例えば一定の記憶容量などを確保しておく場合、「メモリー領域を確保する」などと表現される。
また、ワープロソフトで文書中の特定の部分に修飾を施したりグラフィックスソフトで色を塗ったりする際に指定される、その変更処理が及ぶ文字や画像の範囲も領域と呼ばれる。
WindowsやMac OSでは、まず領域を指定してから機能を選ぶことになるが、MS-DOSで処理操作を実行する時は、まず機能を選んだ後に対象となる領域を指定する。
| メモリ: | ライトスルーキャッシュ ライトバック ライトバックキャッシュ 領域 ロム SuperFetch シリコンディスク |
Region クラス
アセンブリ: System.Drawing (system.drawing.dll 内)
構文Public NotInheritable Class Region Inherits MarshalByRefObject Implements IDisposable
Dim instance As Region
public sealed class Region : MarshalByRefObject, IDisposable
public ref class Region sealed : public MarshalByRefObject, IDisposable
public final class Region extends MarshalByRefObject implements IDisposable
public final class Region extends MarshalByRefObject implements IDisposable
解説領域は、座標をワールド座標で指定するためスケーリングできます。ただし描画面上では、内部はその領域を表すピクセルのサイズと形状によって変わります。アプリケーションでは、描画操作の出力をクリップするための領域を使用できます。ウィンドウ マネージャは領域を使用してウィンドウの描画領域を定義します。この領域をクリッピング領域と呼びます。アプリケーションでは、点または四角形が領域と交差するかどうかを確認するなどのヒット テストにも領域を使用できます。また、Brush オブジェクトを使用して領域を塗りつぶすことができます。
継承階層System.MarshalByRefObject
System.Drawing.Region
スレッド セーフ
プラットフォームWindows 98, Windows 2000 SP4, Windows CE, Windows Millennium Edition, Windows Mobile for Pocket PC, Windows Mobile for Smartphone, Windows Server 2003, Windows XP Media Center Edition, Windows XP Professional x64 Edition, Windows XP SP2, Windows XP Starter Edition
開発プラットフォームの中には、.NET Framework によってサポートされていないバージョンがあります。サポートされているバージョンについては、「システム要件」を参照してください。
バージョン情報
参照Region コンストラクタ ()
アセンブリ: System.Drawing (system.drawing.dll 内)
構文Dim instance As New Region
解説
プラットフォームWindows 98, Windows 2000 SP4, Windows CE, Windows Millennium Edition, Windows Mobile for Pocket PC, Windows Mobile for Smartphone, Windows Server 2003, Windows XP Media Center Edition, Windows XP Professional x64 Edition, Windows XP SP2, Windows XP Starter Edition
開発プラットフォームの中には、.NET Framework によってサポートされていないバージョンがあります。サポートされているバージョンについては、「システム要件」を参照してください。
バージョン情報
参照Region コンストラクタ (Rectangle)
アセンブリ: System.Drawing (system.drawing.dll 内)
構文
解説
使用例Region コンストラクタと MakeEmpty メソッドの使用方法を示すコード例を次に示します。この例は、Windows フォームでの使用を意図してデザインされています。フォームを作成し、次のコードを貼り付けます。フォームの Paint イベント処理メソッドで FillEmptyRegion メソッドを呼び出し、e を PaintEventArgs として渡します。
Private Sub FillEmptyRegion(ByVal e As PaintEventArgs) ' Create a region from a rectangle. Dim originalRectangle As New Rectangle(40, 40, 40, 50) Dim smallRegion As New Region(originalRectangle) ' Call MakeEmpty. smallRegion.MakeEmpty() ' Fill the region in red and draw the original rectangle ' in black. Note there is nothing filled in. e.Graphics.FillRegion(Brushes.Red, smallRegion) e.Graphics.DrawRectangle(Pens.Black, originalRectangle) End Sub
private void FillEmptyRegion(PaintEventArgs e) { // Create a region from a rectangle. Rectangle originalRectangle = new Rectangle(40, 40, 40, 50); Region smallRegion = new Region(originalRectangle); // Call MakeEmpty. smallRegion.MakeEmpty(); // Fill the region in red and draw the original rectangle // in black. Note there is nothing filled in. e.Graphics.FillRegion(Brushes.Red, smallRegion); e.Graphics.DrawRectangle(Pens.Black, originalRectangle); }
private: void FillEmptyRegion( PaintEventArgs^ e ) { // Create a region from a rectangle. Rectangle originalRectangle = Rectangle(40,40,40,50); System::Drawing::Region^ smallRegion = gcnew System::Drawing::Region( originalRectangle ); // Call MakeEmpty. smallRegion->MakeEmpty(); // Fill the region in red and draw the original rectangle // in black. Note there is nothing filled in. e->Graphics->FillRegion( Brushes::Red, smallRegion ); e->Graphics->DrawRectangle( Pens::Black, originalRectangle ); }
private void FillEmptyRegion(PaintEventArgs e) { // Create a region from a rectangle. Rectangle originalRectangle = new Rectangle(40, 40, 40, 50); Region smallRegion = new Region(originalRectangle); // Call MakeEmpty. smallRegion.MakeEmpty(); // Fill the region in red and draw the original rectangle // in black. Note there is nothing filled in. e.get_Graphics().FillRegion(Brushes.get_Red(), smallRegion); e.get_Graphics().DrawRectangle(Pens.get_Black(), originalRectangle); } //FillEmptyRegion
プラットフォームWindows 98, Windows 2000 SP4, Windows Millennium Edition, Windows Server 2003, Windows XP Media Center Edition, Windows XP Professional x64 Edition, Windows XP SP2, Windows XP Starter Edition
開発プラットフォームの中には、.NET Framework によってサポートされていないバージョンがあります。サポートされているバージョンについては、「システム要件」を参照してください。
バージョン情報
参照Region コンストラクタ (RegionData)
アセンブリ: System.Drawing (system.drawing.dll 内)
構文Public Sub New ( _ rgnData As RegionData _ )
Dim rgnData As RegionData Dim instance As New Region(rgnData)
public Region ( RegionData rgnData )
public: Region ( RegionData^ rgnData )
public Region ( RegionData rgnData )
public function Region ( rgnData : RegionData )
- rgnData
新しい Region の内部を定義する RegionData。
例外
解説
プラットフォームWindows 98, Windows 2000 SP4, Windows Millennium Edition, Windows Server 2003, Windows XP Media Center Edition, Windows XP Professional x64 Edition, Windows XP SP2, Windows XP Starter Edition
開発プラットフォームの中には、.NET Framework によってサポートされていないバージョンがあります。サポートされているバージョンについては、「システム要件」を参照してください。
バージョン情報
参照Region コンストラクタ (RectangleF)
アセンブリ: System.Drawing (system.drawing.dll 内)
構文Public Sub New ( _ rect As RectangleF _ )
Dim rect As RectangleF Dim instance As New Region(rect)
public Region ( RectangleF rect )
public: Region ( RectangleF rect )
public Region ( RectangleF rect )
public function Region ( rect : RectangleF )
- rect
新しい Region の内部を定義する RectangleF 構造体。
解説
プラットフォームWindows 98, Windows 2000 SP4, Windows Millennium Edition, Windows Server 2003, Windows XP Media Center Edition, Windows XP Professional x64 Edition, Windows XP SP2, Windows XP Starter Edition
開発プラットフォームの中には、.NET Framework によってサポートされていないバージョンがあります。サポートされているバージョンについては、「システム要件」を参照してください。
バージョン情報
参照Region コンストラクタ
オーバーロードの一覧| 名前 | 説明 |
|---|---|
| Region () | 新しい Region を初期化します。 .NET Compact Framework によってサポートされています。 |
| Region (GraphicsPath) | 指定した GraphicsPath を使用して、新しい Region を初期化します。 |
| Region (Rectangle) | 指定の Rectangle 構造体から新しい Region を初期化します。 .NET Compact Framework によってサポートされています。 |
| Region (RectangleF) | 指定の RectangleF 構造体から新しい Region を初期化します。 |
| Region (RegionData) | 指定のデータから新しい Region を初期化します。 |
参照Region コンストラクタ (GraphicsPath)
アセンブリ: System.Drawing (system.drawing.dll 内)
構文Public Sub New ( _ path As GraphicsPath _ )
Dim path As GraphicsPath Dim instance As New Region(path)
public Region ( GraphicsPath path )
public: Region ( GraphicsPath^ path )
public Region ( GraphicsPath path )
public function Region ( path : GraphicsPath )
- path
新しい Region を定義する GraphicsPath。
例外
解説
プラットフォームWindows 98, Windows 2000 SP4, Windows Millennium Edition, Windows Server 2003, Windows XP Media Center Edition, Windows XP Professional x64 Edition, Windows XP SP2, Windows XP Starter Edition
開発プラットフォームの中には、.NET Framework によってサポートされていないバージョンがあります。サポートされているバージョンについては、「システム要件」を参照してください。
バージョン情報
参照Region メソッド
パブリック メソッド| 名前 | 説明 | |
|---|---|---|
| Clone | この Region の同一コピーを作成します。 |
| Complement | オーバーロードされます。 この Region と交差しない指定の RectangleF 構造体の部分に、この Region を更新します。 |
| CreateObjRef | リモート オブジェクトとの通信に使用するプロキシの生成に必要な情報をすべて格納しているオブジェクトを作成します。 ( MarshalByRefObject から継承されます。) |
| Dispose | この Region によって使用されているすべてのリソースを解放します。 |
| Equals | オーバーロードされます。 この Region がもう一方のオブジェクトと同一かどうかをテストします。 |
| Exclude | オーバーロードされます。 この Region を、指定の Rectangle 構造体と交差しない内部の部分に更新します。 |
| FromHrgn | 既存の指定の GDI 領域を識別するハンドルから新しい Region を初期化します。 |
| GetBounds | Graphics オブジェクトの描画サーフェイスのこの Region に外接する四角形を表す RectangleF 構造体を取得します。 |
| GetHashCode | 特定の型のハッシュ関数として機能します。GetHashCode は、ハッシュ アルゴリズムや、ハッシュ テーブルのようなデータ構造での使用に適しています。 ( Object から継承されます。) |
| GetHrgn | この Region を識別する Windows ハンドルを、指定のグラフィックス コンテキストで返します。 |
| GetLifetimeService | 対象のインスタンスの有効期間ポリシーを制御する、現在の有効期間サービス オブジェクトを取得します。 ( MarshalByRefObject から継承されます。) |
| GetRegionData | この Region を説明する情報を表す RegionData を返します。 |
| GetRegionScans | 指定の行列変換が適用された後にこの Region を近似する RectangleF 構造体の配列を返します。 |
| GetType | 現在のインスタンスの Type を取得します。 ( Object から継承されます。) |
| InitializeLifetimeService | 対象のインスタンスの有効期間ポリシーを制御する、有効期間サービス オブジェクトを取得します。 ( MarshalByRefObject から継承されます。) |
| Intersect | オーバーロードされます。 この Region を、それ自体と指定の Region の交差部分に更新します。 |
| IsEmpty | この Region の内部が指定の描画サーフェイスで空になるかどうかをテストします。 |
| IsInfinite | この Region の内部が指定の描画サーフェイスで無限になるかどうかをテストします。 |
| IsVisible | オーバーロードされます。 指定の四角形がこの Region に含まれているかどうかをテストします。 |
| MakeEmpty | この Region を初期化して内部を空にします。 |
| MakeInfinite | この Region オブジェクトを初期化して内部を無限にします。 |
| ReferenceEquals | 指定した複数の Object インスタンスが同一かどうかを判断します。 ( Object から継承されます。) |
| ReleaseHrgn | Region のハンドルを解放します。 |
| ToString | 現在の Object を表す String を返します。 ( Object から継承されます。) |
| Transform | この Region を指定の Matrix で変換します。 |
| Translate | オーバーロードされます。 指定した量でこの Region の座標をオフセットします。 |
| Union | オーバーロードされます。 この Region を、それ自体と指定の GraphicsPath の和集合に更新します。 |
| Xor | オーバーロードされます。 この Region オブジェクトを、そのオブジェクトと指定の GraphicsPath オブジェクトの交差部分を差し引いた和集合に更新します。 |
プロテクト メソッド| 名前 | 説明 | |
|---|---|---|
| Finalize | Object がガベージ コレクションにより収集される前に、その Object がリソースを解放し、その他のクリーンアップ操作を実行できるようにします。 ( Object から継承されます。) |
| MemberwiseClone | オーバーロードされます。 ( MarshalByRefObject から継承されます。) |
参照Region メンバ
四角形とパスで構成されるグラフィックス形状の内部を示します。このクラスは継承できません。
Region データ型で公開されるメンバを以下の表に示します。
パブリック コンストラクタ
パブリック メソッド| 名前 | 説明 | |
|---|---|---|
| Clone | この Region の同一コピーを作成します。 |
| Complement | オーバーロードされます。 この Region と交差しない指定の RectangleF 構造体の部分に、この Region を更新します。 |
| CreateObjRef | リモート オブジェクトとの通信に使用するプロキシの生成に必要な情報をすべて格納しているオブジェクトを作成します。 (MarshalByRefObject から継承されます。) |
| Dispose | この Region によって使用されているすべてのリソースを解放します。 |
| Equals | オーバーロードされます。 この Region がもう一方のオブジェクトと同一かどうかをテストします。 |
| Exclude | オーバーロードされます。 この Region を、指定の Rectangle 構造体と交差しない内部の部分に更新します。 |
| FromHrgn | 既存の指定の GDI 領域を識別するハンドルから新しい Region を初期化します。 |
| GetBounds | Graphics オブジェクトの描画サーフェイスのこの Region に外接する四角形を表す RectangleF 構造体を取得します。 |
| GetHashCode | 特定の型のハッシュ関数として機能します。GetHashCode は、ハッシュ アルゴリズムや、ハッシュ テーブルのようなデータ構造での使用に適しています。 (Object から継承されます。) |
| GetHrgn | この Region を識別する Windows ハンドルを、指定のグラフィックス コンテキストで返します。 |
| GetLifetimeService | 対象のインスタンスの有効期間ポリシーを制御する、現在の有効期間サービス オブジェクトを取得します。 (MarshalByRefObject から継承されます。) |
| GetRegionData | この Region を説明する情報を表す RegionData を返します。 |
| GetRegionScans | 指定の行列変換が適用された後にこの Region を近似する RectangleF 構造体の配列を返します。 |
| GetType | 現在のインスタンスの Type を取得します。 (Object から継承されます。) |
| InitializeLifetimeService | 対象のインスタンスの有効期間ポリシーを制御する、有効期間サービス オブジェクトを取得します。 (MarshalByRefObject から継承されます。) |
| Intersect | オーバーロードされます。 この Region を、それ自体と指定の Region の交差部分に更新します。 |
| IsEmpty | この Region の内部が指定の描画サーフェイスで空になるかどうかをテストします。 |
| IsInfinite | この Region の内部が指定の描画サーフェイスで無限になるかどうかをテストします。 |
| IsVisible | オーバーロードされます。 指定の四角形がこの Region に含まれているかどうかをテストします。 |
| MakeEmpty | この Region を初期化して内部を空にします。 |
| MakeInfinite | この Region オブジェクトを初期化して内部を無限にします。 |
| ReferenceEquals | 指定した複数の Object インスタンスが同一かどうかを判断します。 (Object から継承されます。) |
| ReleaseHrgn | Region のハンドルを解放します。 |
| ToString | 現在の Object を表す String を返します。 (Object から継承されます。) |
| Transform | この Region を指定の Matrix で変換します。 |
| Translate | オーバーロードされます。 指定した量でこの Region の座標をオフセットします。 |
| Union | オーバーロードされます。 この Region を、それ自体と指定の GraphicsPath の和集合に更新します。 |
| Xor | オーバーロードされます。 この Region オブジェクトを、そのオブジェクトと指定の GraphicsPath オブジェクトの交差部分を差し引いた和集合に更新します。 |
プロテクト メソッド| 名前 | 説明 | |
|---|---|---|
| Finalize | Object がガベージ コレクションにより収集される前に、その Object がリソースを解放し、その他のクリーンアップ操作を実行できるようにします。 (Object から継承されます。) |
| MemberwiseClone | オーバーロードされます。 ( MarshalByRefObject から継承されます。) |
参照地理区
人口が住む領域(301-2)は通常、小地域、部分地域 1に細分される。行政上は、行政地域 2、行政単位 2または行政区域 2として分類され、法律上の区域 2または政治上の区域 2と呼ばれることもある。一方、地理学者は、地域を地理区 3または地帯 4として分類することがある。これらは行政上の単位と対応することもあり、しないこともある。“地理区”または“地帯”という用語は、幾つかの異なる意味で使われることがあり、該当する面積はその大きさがかなり異なる場合がある。したがって、極地地区、気候地帯、大都市地区などという表現が用いられる。自然地理区 5と経済的地理区 6という用語は地理学者が用いる慣用語である。自然地域 7なる用語は人類生態学(104-5)において、他と比べて顕著な特徴のある人口が占有している地域を定義する場合に用いる。
リージョン
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2013/01/02 05:23 UTC 版)
(Region から転送)
リージョン (region)
- 地方、地域
- リージョンコードで分けられる地域
- 英語圏の国の地方区画。州、県、管区、行政区などと訳すことがある。
- 非英語圏の地方区画で region と英訳されるものもある。region#Political regions を参照。
- リージョン (Legion)
- イギリス海群の艦艇
- リージョン (駆逐艦・初代) - ラフォレイ級駆逐艦
- リージョン (駆逐艦・2代) - L級駆逐艦
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地域
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2013/03/09 22:54 UTC 版)
(Region から転送)
地域(ちいき)とは、
- 地形が似通っている、同じ性質をもっているなどの理由からひとまとめにされる土地のこと。マルチスケールの概念である。本項で詳述する。
- 日本政府が承認していない「国家」を呼ぶ際に用いる、「国」の言い換え語。[要出典]
目次 |
地理学における定義
地理学、特に場所ごとの差異を解明しようとする人文地理学や地誌学において、「地域」とは大変重要な概念である。
日本の地理学界で権威があるとされる二宮書店刊行の『地理学辞典』(1973年発行)には「地域」について以下のように説明している。
| “ | 一般には地表の広狭さまざまな部分を地域と称している.例えば,アジア大陸・日本・関東地方・武蔵野台地・九十九里平野などを,それぞれ地域と呼ぶようにである.しかし,現在の地理学の用語としては,この言葉が地理学の本質上極めて重要な意味を有しているために,ある程度,厳密な内容を持つものとして使われている.地表上,自然が類似する地域を自然地域と呼ぶように,地域を単なる任意の区域の広がりとせず,個性的な内容を有する広がりとして理解する必要がある. | ” |
(後略)
しかし、この説明がすべての地理学者に受け入れられているわけではなく、1950年代から1960年代にかけては、アメリカやイギリスを中心として、「地域」を中核に据える「伝統地理学」(Traditional Geography)に対する批判が起こった[1]。これを受けて、朝倉書店刊行の『オックスフォード地理学辞典』(2003年発行)では、
| “ | 周囲の地区とは異なるものとして判別できる,自然的あるいは人工的な特徴をもった地表の任意の区域. | ” |
と、地理学における地域の重要性には言及していない。
地域論
「地域とは何か」という課題については、国によって認識が異なる。以下に、主要な議論を記す。
ドイツの地域論
ドイツでは、地理学者のカロル(H. Carol)の地域(Landschaft)論が知られている。カロルによると地域とは「さまざまな要素からなる複合体」であるという[2]。この「要素」とは地表圏(Geosphäre)を構成する気圏・生物圏・人類圏・水圏・岩圏を指し、「地域」は地表圏の一部分である。
言い換えるならば、「具体的な、現実の、事物によって満たされた地表の一部分」[3]が地域である。これには自然現象・人文現象共に含まれる。当時のドイツでは、ヴァルター・クリスタラーの中心地理論の理解が進み、人間や社会と空間との関係を機能を通して研究しようとする動きが盛んであり、これがLandschaft論に取り入れられたと指摘されている[4]。
アメリカ・イギリスの地域論
アメリカやイギリスにおける地域(region)論ではアメリカの地理学者ダウエント・ホイットルセーの説が有名である。ホイットルセーによると地域とは「何らかの意味での一体性をもつ地表の広がり(範囲)」であるという[2]。
具体的には、複数の共通点を持ち、周辺とは区別されうる地表の一部分が地域である。ホイットルセーは更に地域を以下の3つに分類した。
- 単一指標地域(single feature region)…ある1つの共通性を持つ区域。例えば、行政地域や言語地域などが挙げられる[5]
- 複合指標地域(multiple feature region)…2つ以上の共通性を持つ区域。例えば、気候区などである[5]。
- 全体地域(total (feature) region、compage)…自然的指標と社会的指標を高度に組み合わせて複合的に分析した結果、共通性を認められる区域。
なお、地域を1本の直線で分けることは難しく、一般的には漸移帯(transitional zone)が存在する[6]。 しかし、ホイットルセーは以上のような定義は、地域を区画する以上、何らかの基準があるため、 地域を任意に切り取られた地表の1区画が含まれることを免れないとしている[5]。このため、「地域は虚構(フィクション)である」とする主張もなされる[5]。
日本における地域論
日本においては、上記のドイツのLandschaft論と英米のRegion論の双方が受容され、学者によって見解が異なるが、同じ「地域」という語を用いている。以下に主要な主張を示す。
水津一朗の説
Landschaft論に近い学者として、京都大学文学部教授や奈良大学学長などを務めた水津一朗がいる。水津は著書『地域の構造-行動空間の表層と深層-』においてドイツのヴィンクラー(E. Winkler)の地理学的方法論に関する15の命題を以下の3つに整理した上で、数学的に説明した[7]。
- 個々の現象(e)…分布・相互作用・人間と自然との関係など[8]
- 地表の部分(Rm)…空間・場所・海洋・景観・環境など[8]。これが「地域」に相当する。
- 地表(E)…地表全体を指し、地表の部分(Rm)の総和である。カロルが「地球の被覆」(Erdhülle)と名付けたものに相当する。[8]
水津はこれらの3つの関係を「Eの部分集合がRmであり、Rmの元(要素)がeである」とした。つまり、数学的に記述すると
となる。
木内信蔵の説
一方region論に近い学者として、東京大学教養学部教授の木内信蔵が挙げられる。木内は『地域概論-その理論と応用-』において、region(リジォン[9])の説明とともに、地域の属性[10](形式的な性格[9])を次のように示している[11]。
- 地表面の一部分である。
- 固有な場所的関係をもつ。
- 空間的な拡がり(spatial extent)をもつ。
- 隣接の空間から区別される。
- より大なる地域の部分である。
この中で重要なのは2番目と4番目であり、言い換えれば「何らかの意味で一体性をもつ(まとまりがある)」[12]ということになる。これは、一般用語の地域と区別して「地理的地域」とも表現する[12]。
木内は『地域概論』の中でLandschaftにも触れているが、そこではLandschaftを「景観」と訳している[13]。
地域の類型
地域の概念には、いくつかの分類方法が知られている。先に挙げたホイットルセーの地域分類もその一つである。以下に具体例を示す。
等質地域と機能地域
地域概念の中で最も重要な類型である[14]。
- 等質地域(英語:uniform region又はformal region)
- ある空間が周囲とは異なる性格によって切り取られる場合、その空間を等質地域と言う。例えば、とある畑作地においてジャガイモの生産が卓越する区画とニンジンの生産が卓越する区画があったとする。この時、前者をジャガイモの等質地域、後者をニンジンの等質地域と考えることができる。このほか、有名な等質地域の例としては柳田國男が『蝸牛考』の中で示したカタツムリの方言分布(→方言周圏論を参照)が知られる。
- 機能地域(英語:functional region)
- 性格の異なる空間同士が一つないし複数の中心点(=結節点、ノード、nord)を核として機能的に結び付くことで形成される。身近な例では生活圏や通勤圏が挙げられる。機能地域は結節点を有することから結節地域(nordal region)とも称する。
個別地域と類型地域
個別地域(こべつちいき、英語:specific region)は、世界にただ1つしか存在しない地域であり、具体的な地名をもって呼ばれる空間である。一方、類型地域(るいけいちいき、英語:generic region)は世界に同様の性格を有する空間がいくつか存在する。例えば、「日本で人口密度が高い地域はどこか」という問いに対し、「東京・大阪・名古屋周辺」と答えることも「平野が広がるところ」と答えることも可能である。この際、前者が個別地域、後者が類型地域となる。
実質地域と形式地域
日本で発達した概念であり、適切な訳語がない[15]。木内信蔵が「地域は本来,地的内容をもつ実質的な存在であり,地域は内容にしたがって合理的に規定される」と主張したものが定義の基となっている。すなわち、内容をもつものが実質地域、もたざるものが形式地域である。例を挙げれば、小学校の通学区が実質地域、経線と緯線で区切られた空間が形式地域である。
ただし、実質と形式の区別は大変曖昧であり、先の例でも通学区は小学校への通学以外には無意味な地域区分であるから形式地域、経線・緯線が国境として機能しているところでは実質地域、と解釈することもできる。 このため、現状ではこの分類に大きな意義はないとされる[16]。
全域と基域
木内信蔵が地域の属性として挙げた第5番目の「より大なる地域の部分である」の「より大なる地域」が全域(ぜんいき)、「部分」が基域(きいき)に当たる。つまり、基域の集合体が全域である。
例えば、四国は日本全体から見れば一部分であるから、日本は全域、四国は基域である。また見方を変えて、四国を全域と考えれば、香川県は基域である。更に香川県を全域とすると、高松市は基域である。
政治学・経済学における定義
政治学や経済学においても「地域」の語は用いられるが、地理学ほど地域そのものについて議論されることは少なく、政治学や経済学の辞典では、地域から始まる用語は掲載されていても、「地域」という項目がないものも多い[17]。
政治学における定義
政治学及び地域研究においては、ジュリアン・スチュワードの「世界地域」の説明が「地域」の定義として受容、定着している[18]。スチュワード自身は、以下の5つをすべて「地域」として捉えた[18]。
- 世界地域(world area)…世界的な重要性を持った区域。例えば、ロシア・極東・東ヨーロッパなど。
- 文化地域(culture area)…共通の文化を持つと考えられる区域。例えば、ラテンアメリカ・近東・マヤなど。
- 国家(nation)
- 植民地
- 特定地方(specific region)
これに対する批判としては、「世界地域」の概念によって地域研究が政策科学の性格を帯びるようになったこと、きわめて恣意的なくくり方をした人為的区画をもって「地域」と称することができる面があること、が挙げられる[19]。
また、スチュワードが主張した「特定地方」に相当する、国民国家の内部の部分領域を「地域社会」とする用法もある[20]。
経済学における定義
経済学で用いられる「地域」の語は、理論的文脈では往々にして不明瞭に扱われ、実証的分析では定義が厳密ではない[21]。このため、取り扱うテーマやデータの利用可能性に合わせて意味合いの変化する概念である[21]。『マグローヒル現代経済学辞典』では、地域(Region)について以下のような説明がなされている[22]。
| “ | 都市地域の一部分から,大陸の一地方にいたるまで,さまざまの広さに用いられる用語。たとえば,合衆国では,地域あるいは,地方の資料は,都市地域,地区,州,おもな地域の州群,たとえば,ニューイングランドやミドルアトランテック州のような形で得られる。 | ” |
(後略)
経済学における地域は、一般に資本や労働の移動の制約が小さく、移動可能性の高いものとして捉えられる[21][23]。ゆえに、現代は移動可能性が高まっていることから『マグローヒル現代経済学辞典』の定義を超えて、宇宙や地球も地域であると考えられる[23]。また、人類の歴史をたどれば、地域は都市と農村という2つの定住形態からなり、国家が消滅しても存続する概念である[24]。
上記のように、国家の枠を超越した大規模な空間を地域として捉える一方で国家の内部の狭い空間を地域として捉えることもある[24]。よって、地域経済学に関する文献では、地域がさまざまな範囲を指す言葉であることを示した上で、国家の内部の狭い空間を対象とする旨を述べたものもある[25]。
地域と分類できる地域区画の種類
地域の具体例
類義の言葉
など
脚注
- ^ 中村ほか、1991、107ページ
- ^ a b 中村ほか、1991、108ページ
- ^ 中村ほか、1991、113ページ
- ^ 朝野ほか、1988、38 - 39ページ
- ^ a b c d 中村ほか、1991、110
- ^ 木内、1968、84ページ
- ^ 水津、1982、18 - 41ページ
- ^ a b c 水津、1982、20ページ
- ^ a b 木内『地域概論』83ページでの表現
- ^ 中村ほか『地域と景観』109ページでの表現
- ^ 木内、1968、83ページからの引用
- ^ a b 中村ほか、1991、109ページ
- ^ 木内、1968、87ページ
- ^ a b 中村ほか、111ページ
- ^ 『地域と景観』112ページでは「形式地域」を"formal region"と訳した場合、「等質地域」と同じになってしまい、用語の混乱を来すことを紹介している。
- ^ 中村ほか、112ページ
- ^ 阿部ほか編(1999)『現代政治学小辞典 新版』有斐閣、金森ほか編(2002)『有斐閣経済辞典第4版』有斐閣、大学教育社編(1998)『新訂版現代政治学事典』ブレーン出版など。いずれも地域から始まる用語を掲載するが、「地域」そのものの項目はない。
- ^ a b 矢野(1987):11ページ
- ^ 矢野(1987):12ページ
- ^ 清水ほか(1996):4ページ
- ^ a b c H.アームストロング・J.テイラー(2005):2ページ
- ^ ダグラス・グリーンワルド編(1968):390ページ
- ^ a b 原(2000):4ページ
- ^ a b 宮本ほか(1990):3ページ
- ^ 宮本ほか(1990)『地域経済学』や原(2000)『地域の経済学』など。
参考文献
- 朝野洋一・寺阪昭信・北村嘉行『地域の概念と地域構造』(日本の地域構造1、大明堂、1988年5月17日発行、ISBN 4-470-51001-7 、37 - 40ページ)
- 木内信蔵『地域概論-その理論と応用-』(東京大学出版会、1968年2月29日初版発行、1972年3月15日第3刷、82 - 93ページ)
- 清水昭典・十亀昭雄・蓮池穣・山本佐門『増補新版 地域からの政治学』1996年3月25日第2版発行、窓社、233pp. ISBN 4-943983-88-X
- 水津一朗『地域の構造-行動空間の表層と深層-』(大明堂、1982年6月30日発行、ISBN 4-470-43014-5 、18 - 41ページ)
- ダグラス・グリーンワルド編『マグローヒル現代経済学辞典』山田雄三・千種義人 監訳、好学社、昭和43年4月20日、730pp.
- 中村和郎・手塚章・石井英也『地域と景観』(地理学講座 第4巻、古今書院、1991年6月15日初版第1刷発行、ISBN 4-7722-1230-2 、107~110ページ)
- 日本地誌研究所『地理学辞典』(二宮書店、1973年1月15日第1刷発行、1977年8月15日第4刷発行、452ページ)
- 原勲『地域の経済学』平成12年5月15日、中央経済社、267pp. ISBN 4-502-64083-2
- 宮本憲一・横田茂・中村剛治郎『地域経済学』有斐閣ブックス、有斐閣、1990年2月28日、378pp. ISBN 4-641-08491-2
- 矢野暢『講座 政治学 Ⅳ地域研究』1987年3月30日、三嶺書房、322pp. ISBN 4-914906-54-6
- H.アームストロング・J.テイラー『地域経済学と地域政策』佐々木公明 監訳、財団法人計量計画研究所地域経済学研究会 訳、流通経済大学出版会、2005年1月15日、555pp. ISBN 4-947553-34-0
- Susan Mayhew編『オックスフォード地理学辞典』(田辺裕 監訳、朝倉書店、2003年11月1日初版第1刷、2004年3月1日第2刷、ISBN 4-254-16339-8 、197ページ)
関連項目
- 地理学
- 地域主義
- リージョナリズム
- 地域経済学
- 地域研究
- 地域自治区
- 地域社会
- 地域社会学
- 地域情報化政策
- 地域地理学
- 地域紛争
- 地域格差
- 応用地域学会
- 学校運営協議会
- 郷土愛
- 地方自治
- 地域ブランド
- 地域資源
外部リンク
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