Nucleic Acidとは? わかりやすく解説

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核酸

同義/類義語:DNAおよびRNA
英訳・(英)同義/類義語:nucleic acid, nucleate

塩基と五単糖DNAではデオキシリポース、RNAではリボースからなるヌクレオシドが、5’と3’水酸基の間をリン酸ジエステル結合つながった高分子細胞内における遺伝情報保存や、情報の伝達使われる分子1850年頃に、ミーシャーにより発見された。
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化合物名や化合物に関係する事項:  有機化合物  果糖  染料  核酸  植物ホルモン  極性脂質  構造異性体

核酸

【英】: Nucleic Acid
生物の体を作りあげている細胞中心部分にある大量に存在し酸性高分子物質であることから「核酸」と名付けられた。

核酸には、遺伝情報伝達において機能するDNAデオキシリボ核酸)とタンパク質合成において機能するRNAリボ核酸)の2種類がある。この2つの核酸(DNARNA)は、塩基糖・リン酸3種類の化学物質からなり、この塩基糖・リン酸1つずつ結合した化合物が、連鎖状に、何千、何にもつながっている。

細胞



遺伝

デオキシリボ核酸

リボ核酸

塩基


核酸 [Nucleic acid(s)]

 タンパク質脂質多糖とともに生体構成している成分であるが、とくに動植物をはじめ、真菌細菌ウイルスなど全ての生物細胞あるいはプラスミド(ウイルスではコア)に含まれ遺伝子とその情報伝達アミノ酸運搬あるいはリボソーム成分として重要な役割をもっている高分子物質である。最初1868年F.ミーシャー(スイス)によって膿の細胞核から単離されて、ヌクレイン(現在のデオキシリボ核酸DNA)と名づけられ、同じ物質腎臓肝臓赤血球酵母などにも含まれていることが明らかにされた。その後長い間、核酸の機能不明のままであったが、O.T.エイブリら(カナダ)によって遺伝子本体デオキシリボ核酸であることが発見され以来、核酸は生物にとって最も基本的な遺伝物質として注目されるようになったDNA分子構造1952年J.D.ワトソン(アメリカ)とF.H.C.クリック(イギリス)によって解明された。さらにクリックによるDNA遺伝情報基づいたタンパク質生合成される過程説明するいわゆる"セントラル・ドグマ説"(DNARNAタンパク質)を基本として、多く優れた研究者によって遺伝情報としての核酸の役割次々明らかにされ、タンパク質の研究相まって従来生物学から分子生物学へと著しく発展した。(RNAウイルス場合RNA遺伝情報DNA転写される。)
 核酸はプリン塩基ピリミジン塩基デオキシリボースまたはリボースおよびリン酸から成り塩基と糖の種類によってデオキシリボ核酸(deoxyribonucleic acid: DNA)とリボ核酸(ribonucleic acid: RNA)の2種類がある。すなわちDNAアデニン、グアニンシトシンチミンの4塩基デオキシリボースおよびリン酸から成る。これに対してRNAは4塩基のうちチミンウラシルに置き代わりリボースおよびリン酸から成っている。
 一般にDNAデオキシリボースの3'位と5'位がリン酸結合して主鎖になっている。その鎖のデオキシリボースの1'位にそれぞれの塩基結合して対応する2種塩基(アデニンチミングアニンシトシン)が水素結合した二重らせん構造(double strand,double helix)をとっている。部分的に塩基-糖が結合した場合ヌクレオシドといい、塩基-糖-リン酸結合した場合ヌクレオチドという。したがって、核酸はこれらのヌクレオチド多数結合(リン酸ジエステル結合)したポリヌクレオチドである。
 一般にDNA遺伝情報担っている染色体構成し真核生物では細胞内の核膜包まれヒストンという塩基性タンパク質結合した核タンパク質として存在する(ただし、精子にはプロタミン存在する)。
 細菌のような原核生物核領域には環状2本鎖DNAのみが存在するまた、細菌細胞質内には染色体とは別に自律的に機能するプラスミド(plasmid) とよばれる環状DNA存在している。プラスミド細菌性決定因子薬剤耐性因子そのほか特異的な毒素酵素産生する遺伝情報担っている一方RNA通常1本鎖細胞質内に存在しDNA遺伝情報伝達するメッセンジャーRNA(m-RNA)、アミノ酸リボゾームへ運ぶトランスファーRNA(t-RNA)、リボゾーム自体構成しているリボゾームRNA(r-RNA)の3種がある。なお、ウイルスではその粒子(コア)または頭部DNARNAいずれか存在するが、単鎖DNA(ファージφ×174)や2本鎖RNA(レオウイルス)もある。

核酸

(Nucleic Acid から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/10/20 04:30 UTC 版)

核酸(かくさん、: nucleic acid)は、リボ核酸 (RNA)とデオキシリボ核酸 (DNA)の総称で、塩基リン酸からなるヌクレオチドホスホジエステル結合で連なった生体高分子である。糖の部分がリボースであるものがRNA、リボースの2'位の水酸基が水素基に置換された2-デオキシリボースであるものがDNAである。RNAは2'位が水酸基であるため、加水分解を受けることにより、DNAよりも反応性が高く、熱力学的に不安定である。糖の 1'位には塩基(核酸塩基)が結合している。さらに糖の 3'位と隣の糖の 5'位はリン酸エステル構造で結合しており、その結合が繰り返されて長い鎖状になる。転写翻訳は 5'位から 3'位への方向へ進む。


  1. ^ 蛋白質の変性については変性#変性(生体高分子)参照
  2. ^ КООПБРАТИВНОСТЬの暫定的和訳。英語ではcooperativeness
  3. ^ I. Tinoco, Jr., O. C. Uhlenbeck, M. D. Levine
  1. ^ N. K. カチェトコフ/E. I. ブドフスキー 編、橋爪たけし 監訳「核酸の有機化学 上」 1974年 講談社出版
  2. ^ 下の図のアイディアは杉本直己「遺伝子化学」2002年 p36 に書かれている図3.9から流用
  3. ^ “Nucleic Acid Contents of Japanese Foods”. NIPPON SHOKUHIN KOGYO GAKKAISHI 36 (11): Table 2. (1989). doi:10.3136/nskkk1962.36.11_934. 


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