NGC6853とは? わかりやすく解説

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NGC6853

分類:銀河


名称:NGC6853(M27)/亜鈴星雲
小分類:惑星状星雲
属す銀河群:銀河系銀河
属す星座:こぎつね座

惑星状星雲は、見かけ惑星似ていることから名づけられました。惑星状星雲としては最も明るいNGC6853は、円盤両サイド欠けた鉄あれい(ダンベル)の形に見えることから亜鈴星雲とも呼ばれます中心となっていた星の最期に、表面大気不安定になり、全質量約半分ガス放出したものと考えられます。

1.見つけ方ポイントは?
亜鈴星雲属すこぎつね座午後8時の東京での南中は、9月下旬です。天の川中に埋もれる星座こぎつね座目印真南わし座1等星アルタイルです。そこから北に、や座ガンマ星方向へたどり、はくちょう座3等星アルビレオとの間を見ます

2.どのような特徴があるの?
亜鈴星雲呼ばれるのは、文字どおり鉄あれい(ダンベル)に似ているから。8cm60倍クラス望遠鏡なら、両サイド欠けた円盤の形がよく分かります

3.どれくらい大きさなの?
視直径7分です。

4.地球からはどれくらい離れているの?
約820光年離れてます。

参考文献:河島監修/三品隆司ほか編「改訂版[図解]スペース・アトラス」PHP研究所小平桂一ほか編「平凡社天文事典平凡社浅田英夫「MY DATA 図鑑星空フィールド日記山と溪谷社国立天文台・編「理科年表丸善高倉達雄・監修現代天文学小事典」講談社


亜鈴状星雲

(NGC6853 から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/11/30 22:43 UTC 版)

亜鈴状星雲[1]
Dumbbell Nebula
星座 こぎつね座
見かけの等級 (mv) 7.4[2]
視直径 8.0' × 5.7'[2]
分類 惑星状星雲[3]
発見
発見日 1764年7月12日[2]
発見者 シャルル・メシエ[2]
発見方法 望遠鏡による観測
位置
元期:J2000.0
赤経 (RA, α)  19h 59m 36s[3]
赤緯 (Dec, δ) +22° 43′ 15.75″[3]
赤方偏移 -0.000140[3]
視線速度 (Rv) -42 m/s[3]
年周視差 (π) 2.64 ± 0.33ミリ秒[4]
(誤差12.5%)
距離 約 1200 光年[注 1]
(約 380 パーセク[注 1]
絶対等級 (MV) -0.4[注 2]
他のカタログでの名称
亜鈴星雲[5]
ダンベル星雲
Template (ノート 解説) ■Project

亜鈴状星雲(あれいじょうせいうん、M27, NGC 6853、Dumbbell Nebula[3])は、こぎつね座にある惑星状星雲である。地球からの距離は約1,235光年。その形が鉄亜鈴に似ていることから名づけられている。

特徴

双眼鏡でも容易に見ることができ、アマチュア天文ファンの観測対象として非常に人気がある。口径5cmの望遠鏡に高倍率をかけると円を両側から少し円で削った形に見える。口径8cmでは銀行の地図記号のように見え、15cmでは微星の群がる中で、亜鈴の形がくっきりと浮かび上がってくる。口径30cmでは星雲が欠けたように淡くなっている部分も見え始める。また星雲の前景にある微星や微かな中心星も見えてくる。口径40cmでは、星雲の濃淡や前景の微星もよりはっきり見えて見事な眺めになる。

100年間で6.8の割合で広がりつつあり、逆算するとこの星雲が膨張を始めたのは3000年~4000年前以前だとされる。

観測の歴史

亜鈴状星雲は惑星状星雲として最初に見つかった天体である[2]。多くの研究者に研究され、記載も非常に多い。1764年シャルル・メシエによって発見された[2]。メシエは「星のない星雲で、3.5フィートの望遠鏡でよく見える。楕円形。経4'」と記している[6]ウィリアム・ハーシェル1785年に「外観はとくに大きいというわけではない。おそらくひどく広がった二重の星層でその一端が我々の方をむいているのであろう。ほぼ3部分に分かれているが、星雲状の部分は内容が違っているものと推測される。すなわち分解不可能部分、色彩を帯びていないが分かれない部分、銀河の部分である」と記して、銀河が含まれていると思っていた[6]ロス卿は「星に分けられないが、分かれそうな気配もある」としている[6]。これは前景にある微星のことであると思われている。

関連項目

  • M76(小亜鈴状星雲)

脚注

注釈

  1. ^ a b パーセクは1 ÷ 年周視差(秒)より計算、光年は1÷年周視差(秒)×3.2615638より計算
  2. ^ 視等級 + 5 + 5×log(年周視差(秒))より計算。小数第1位まで表記

出典

  1. ^ M27 こぎつね座亜鈴状星雲”. 星雲写真ギャラリー. 星のふるさと館. 2014年10月1日閲覧。
  2. ^ a b c d e f Hartmut Frommert, Christine Kronberg (2007年8月13日). “Messier Object 27”. SEDS. 2015年12月14日閲覧。
  3. ^ a b c d e f Dumbbell Nebula”. SIMBAD. 2014年10月1日閲覧。
  4. ^ Harris, Hugh C.; Dahn, Conard C.; Canzian, Blaise; Guetter, Harry H.; Leggett, S. K.; Levine, Stephen E.; Luginbuhl, Christian B.; Monet, Alice K. B.; Monet, David G.; Pier, Jeffrey R.; Stone, Ronald C.; Tilleman, Trudy; Vrba, Frederick J.; Walker, Richard L. (2007). “Trigonometric Parallaxes of Central Stars of Planetary Nebulae”. Astronomical Journal 133 (2): 631–638. arXiv:astro-ph/0611543. Bibcode2007AJ....133..631H. doi:10.1086/510348. 
  5. ^ 浅田英夫『星雲星団ウォッチング』地人書館、1996年、81頁。ISBN 4-8052-0501-6 
  6. ^ a b c Hartmut Frommert, Christine Kronberg (2005年2月20日). “Messier 27 - Observations and Descriptions”. SEDS. 2015年12月14日閲覧。


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